バトルロイヤル
闘技場は街の入り口から反対側に位置していた。そして立派な建物だった。
「無駄に労力を使ったような建物だな。」
「そうですね。まあどうでも良い話でしょう?」
ロキシスとケルベロスはハギャの後をついていく。そしてひとまず観客席へと案内された。そこから見える景色は、汗臭く戦うヒューミル達だった。
「何処の闘技場も変わらないな。」
「ふぉっふぉっふぉっ、戦ったことがお有りで?」
「この大陸じゃないけどな。」
「ほう…やはりあなたは別の大陸から来ていたのですね。そちらの大陸はどんな感じでしたかな?」
「別に…普通の人々が暮らしている、ありふれた生活が出来る場所だった。」
「ほう…少し興味がありますよ。出来れば色々聞きたいですが…」
そう言われてロキシスは首を振り、
「あんたの興味はどうでも良い。早く終わらせて帰りたい、それだけだ。」
「ふむ…解りました。」
そう言うとハギャは別の場所に案内をした。そこは控え室の様だった。中には多くの人が溢れかえっていた。
「ここでお待ち下さい。直ぐに呼ばれると思いますので。」
そう言うとハギャは出ていった。
「ロキシス様、私はどうしましょうか?」
「さっきの場所から見学していればいいんじゃないか?」
「解りました。頑張って下さいね。」
そう言ってケルベロスも部屋を出ていった。と、そこへ、
「おい、兄ちゃん。あんたも戦うのか?」
1人の巨漢の男が声をかけてきた。
「そうだが?」
「止めときな、あんたみたいなのが勝ち残れるはずないぜ。」
男がゲラゲラ笑って言った。
「かもな。やるだけやるさ。」
「そうかい。頑張れや。」
そう言って男は去って行った。すると、
「ロキシス様、出番が来ました。舞台へ上がって下さい。」
そう言われてロキシスは舞台へ行く。舞台は中々広かった。
「へぇ、しっかりした良い舞台だ。」
ロキシスは感心してそう呟いた。
「さて、試合内容は人数減らしの為、バトルロイヤル形式で行います。舞台上の人間が5人になるまで戦って貰います。」
「それ以下の1人になったら?」
「その場合も決着ですし、その方のみ勝ち抜けになります。」
「最悪の場合、殺してもいいのか?」
「はい。全ては自己責任になります。」
「解った。」
案内人にそう言ってロキシスは軽く体を動かす。舞台上には50人程いた。
「それでは準備は宜しいですか?始め!」
太鼓が打ち鳴らされ、勝負開始となった。と、周りの人は全員ロキシスに向かってこず、別の人間に襲いかかっていた。そこには先ほどの巨漢の男がいた。
「ぬうん!」
そう叫びながら獲物である金棒を豪快に振り回して次々と迫ってくる選手を舞台から落としていく。別の所では何人かが戦っていた。
「やれやれ、俺は無視か。」
そう言うとロキシスはインビジブルの魔法を使って姿を消した。そして周り全体の様子を見ることにした。既に沢山の人が舞台から叩き落とされていて、残るは20人ほどになっていた。
(カグラ、この試合どう見る?)
(このまま隠れているのが賢明かと。)
(そうだな。中々強いのが3人いるようだし、ギリギリまで隠れておくか。)
そう言っていると、残るは7人になっていた。そこまできてようやくロキシスは姿を現して、
「おい、ここにもいるぞ。」
と、全員に聞こえるように声を出した。
「なっ!?何処にいたというんだ!?」
それに驚いたのか、全員で襲い掛かってきたが、ロキシスは慌てずに、
「サンダーボルト!」
と、無詠唱で魔法を構築し、雷の矢を7本出してそれぞれに当てた。そして全員が直撃を受けて場外へと吹き飛んでいった。
「勝負あり!」
審判の声が上がり、無事に勝利したロキシスだった。
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