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エルフの森の最強神(ロキシス)  作者: ミュウ
再会編
1/86

新大陸

“弱小ギルドの最強英傑ラトリス“の続編です。まずはそちらをご覧下さいhttps://ncode.syosetu.com/n3333fk/

この世界にはいくつ大陸があるのか解らない。神の数だけ大陸があると言われているが、神の数がよくわかっていないからだ。その数多くいる神の中で、唯一大陸を持たない神がいる。それがロキシスだった。彼は今、アテナが創りしアテーネ大陸から、ロキが創りしロッキーナ大陸に向けて飛行魔法を使って移動をしているところだった。


(やれやれ、一体どれ程離れているんだ?)

幾ら神の力を持っているとはいえ、五日間、彼は空を飛び続けていた。普段より低速で移動を行っているとはいえ、かなりの魔力とスタミナを酷使していた。

(このままでは、落下しちまうな。)

(ロキシス、大丈夫ですか?)

そう聞いてくるのは、相棒の剣、カグラだった。今空の上で一人と一本、意識の中で会話しながら進んでいた。

(あぁ、後半日ほどしか保たない。トリマーを召喚しようにも、空の上では不可能だ。)

トリマーとは、ロキシスの配下の魔物の事だった。

(困りましたね、流石に海水は錆びるかも知れません。)

(異空間に入れるだけなら可能だが?)

(それは余り嬉しくありません。あそこは暇ですから。)

(そうか…)

そんなことを話していると、ようやく大陸が見えてきた。

(カグラ、大陸が見えた。)

(良かった。)

まだ少し離れてはいたが、見えてしまえばこっちのものだった。ロキシスは何とか飛行魔法を制御して、大陸の端に見えた森の中に着地した。

(ふう、何とか保ったな。)

(お疲れさまでした、ロキシス。)

(流石に五日間、飲まず食わずの上に、不眠状態、辛かったな。)

(それで、ここは何処なんでしょうか?)

(…少し待ってくれ。)

ロキシスは辺りに探知魔法サーチを使った。

(…!そうか、ここが…)

(…ロキシス?)

(ロキがいる。ここが目的地のロッキーナ大陸だ!)

(そうなんですか。)

(しかも、ロキの気配は直ぐ近くにある。)

(それは良かった。直ぐに行きましょう!)

(いや、体が…最早限界だ。一旦、休息をとる。)

そう言って、ロキシスはその場に座り込み、収納魔法アクセスを使って、異空間からドラゴンの肉と肉焼き器を取り出し、焼き始めた。直ぐに香ばしい匂いが周りに立ち篭める。

(周囲にプロテクトも張ったし、当分休めるか…いや!)

探知魔法サーチで判明していたロキの気配がロキシスの方に近付いてきていた。しかし、その近くにもう一つ反応があるのが感じられた。

(不味いな、魔物の気配がロキの気配に近づいている。しかも、両方ともこちらへ向かっている。)

体に限界が来ていたが、ロキシスは立ち上がり、ロキの気配の方へと向かっていく。と、年の頃15歳くらいの女の子が木の実を摘んでいるのが見えた。

(あれがロキですか?)

(…面影があるな。)

と、そこへ魔物が現れた。

(あの魔物は…サーベルウルフか。)

女の子はサーベルウルフに気付いていないのか、木の実採りに夢中になっていた。そして、サーベルウルフが女の子に襲いかかろうとした。

「危ない!」

ロキシスは思わず駆け出して、サーベルウルフと女の子の間に割って入った。と、女の子がそれに気付いたが、その場にぺたんと座り込んでしまう。ロキシスはサーベルウルフにカグラで斬りかかるが、野生の勘かそれを寸でのところで躱される。

「早く逃げろ!」

ロキシスが女の子に対して言うが、振るえるだけで動くことすらままならない状態だった。

「くそっ!」

ロキシスは悪態をついた。疲労困憊の体で、サーベルウルフはかなりの相手と考えていたのだった。

(一国を滅ぼす力を持つサーベルウルフ。あの時はロキが化けていたが、今回は違うしな。体よ、保ってくれよ!)

そう考えたのも一瞬、サーベルウルフが突っ込んできたので、ロキシスは避けることもせずにサーベルウルフの口にカグラを差し込んだ。

「ぐっ!」

「グギャアアァァァ」

何とか頭を貫通させることに成功して、サーベルウルフを討伐することが出来た。しかし、疲労が凄まじく、その場に倒れ込む。

(駄目だ…もう動けない…)

そんなロキシスが最後に見たのは、心配そうな顔をしながら近づいて来る女の子の姿だった。

読んでくださっている方々、有難う御座います。

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