表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/42

38 紅蓮のキャンプファイヤー3

 黄色とは注意を促す信号。

 黄色とは危険の暗示。

 黄色とは、すなわちカレー。



 故にカレーは危険なのだ!


 

 だから僕はバトルバーベキューを推奨しているのだ。

 バーベキューは火を使う。

 イメージカラーは赤。

 

 先程の理屈からいくと、バーベキューは赤。

 赤――

 信号機では、黄色より危険度の高い『止まれ』を暗示する色。

 赤は、サッカーで例えるならレッドカード。

 即退場を意味する危険な色である。

 


 そう考えると、黄色カレーより圧倒的危険に思えるが、実はそうではない。



 ご存じだろうか?

 赤は戦隊ヒーローシリーズでいうところのリーダーに相当するということを。

 勝利の色こそ、まさしく赤なのだ。




 同様にイエローを戦隊シリーズでイメージしてもらいたい。

 果たしてイエローのキャラを思い出せるだろうか?


 レッドは男性。ブルーも男性。ブラックも男性。ピンクは女性。


 だけど何故かイエローだけは、男性だったり女性だったりと、わりと曖昧なのだ。

 そしてイエローは、男性ならおっちょこちょいの憎めないキャラだったり、女性ならピンクより目立たないチームの引き立て役だったりと、わりと微妙な位置が多いはずだ。

 これがイエローの役割なのである。

 それが悪いと言っているのではない。

 もやもやとしてハッキリとしないだけだ。


 

 だからレッドなのだ。

 戦うならレッドしかない。


 レッドはリーダーの色。

 レッドは決断の色。

 レッドは勝利の色。


 だから僕は特記事項に、この怒りが頂点に達した時、僕の右手が真っ赤に燃えると記したのだ!

 間違っても、黄色に輝くとは書かなかった。

 これは無意識なる意識の行動ではあるが、すなわち美しく完結するならレッドしかないということなのだ。



 どうしてこの理屈を分かってもらえないのだ!?



「聖華さんに質問です」

「はい」



「あなたは戦隊ヒーローチームに抜擢されました。戦闘服は、レッド、ブルー、イエロー、どれにしますか? ちなみに真の勇者ならレッドを選びます」


「はーい。レッドがいいです」



 僕はクスリと笑った。

 聖華さん、あなたはカレーが食べたいと言いながら、無意識なる意識でバーベキューを選択しました。


 僕は聖華さんを指さし、

「だったら、バーベキューでしょ? 赤が好きならバーベキューしかないんですよ?」

 と言った。



 たった今、神からの信号があった。

『アルディーン、無茶苦茶だな』と脳内で言われたが、関係ない。



「聖華さんは、カレーが食べたいんですよね? カレーとはイエロー。イエローとは戦隊シリーズでの微妙な役。イエローになったら、もう主役には、なれません。もし戦隊ヒーローギルドからお誘いしてもらった時、イエローになる覚悟はありますか?」



 赤と選択すれば、僕はバーベキュー論を熱弁して、聖華さんを紅蓮のバーベキュー色に染めるつもりだ。さぁ、聖華さん、レッドと言いなさい。



「え? え? 誠司さん、その発言、イエローさんに失礼ではないのですか?」






 ……。






「だってイエローさんは、敢えて一歩下がってメンバーの引き立て役をやっているんですよね? 私、そういう人、すごく憧れます。……しげるさんは、いつもこっそりと私を助けてくれるから、このミッションが終わったら、いっぱいありがとうって言うの。だから、私、イエロー、大好きです」










 ……僕が間違っていたよ。

 ……もはや……イエロー(カレー)しかない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ