8 神将は恋バナがお好き
「だって仕方ないじゃないですか!」
本堂裏。ニヤニヤ顔の那吒と、不必要に顔をキリッとさせている二郎真君に囲まれて、黄雲はぶすっとした表情で地面へ座り込んでいる。
少々の落ち着きを取り戻したのか。顔に若干のほてりを残しつつ、思春期は弁明。
「僕だって十四歳! 太華の健全なる男ですよ!」
「ぶっは!」
事態の収束をはかってひねり出した台詞は、残念ながら那吒を爆笑させる程度の効果しかもたらさなかった。
那吒がゲラゲラ笑う中。
黄雲の言葉に頷いて、二郎真君も一言。
「つまり、きみは青春ど真ん中ということだな」
「ヒーッ! やめてくれ兄い! 笑い死にさせる気か!」
笑い過ぎの那吒。そろそろ窒息の危機である。
「それで! 結局のところ!」
ぜーはーと呼吸を整えて、那吒はなおも黄雲への追求をやめない。
「黄雲お前、あの雪蓮って子のことが好きなんだろ!」
「!」
ズバリ。那吒が指を突きつけ指摘すれば、黄雲赤い顔のまま。
「別に好きじゃないです」
「すまない少年、説得力に欠ける」
頑なな少年へ、二郎真君は真に申し訳なさそうにそう告げた。
しかしこの黄雲。強情にも赤面のまま「ははは」と乾いた笑いを発し、神将二人へなおも強弁するのである。
「この僕が! あの世間知らずのお嬢さんを! はははこいつは傑作だ!」
「ほおずきみてえな面して何言いやがる」
「いいですか! この赤面と心拍の上昇は認めましょう! しかしこれは特定の人物に対する好意により生じる生理現象では断じてないっ!」
思春期、早口でまくし立て。
「いわばこれは、若い時分の気の迷い!」
「気の迷い」
復唱する神将。黄雲、続ける。
「そう、僕はまだ若い。おっしゃる通りの思春期だ。正直今まで、同年代の女子と親睦を深めたことなど皆無に等しい」
そんな僕が、と黄雲赤裸々な語り口。
「そう、そんな僕が! ここ最近急に、年の近い娘と一つ屋根の下、ともに生活するようになったわけですよ! 意識しないはずがない!」
「だから好きってことだろ?」
「ちがうっつーの!」
思春期は必死である。意識はしても、好きではない。その心は。
「いいですか、繰り返しますが僕は思春期。側に女の子がいれば多少気にしてしまうのは、当たり前の心の作用です。それにそもそも」
続く台詞を、吐き捨てるように黄雲は言う。
「僕はあの人に対して、なんの期待もしていない」
「期待?」
二郎真君の問いかけに、黄雲は頷く。
「大体において意中の相手に懸想する場合、その相手と『ああなりたい』『こうなりたい』という願望や期待を持つものでしょう」
「……そうなのか、那吒」
「いや分かんねえのかよ、この朴念仁」
意外にも恋愛偏差値の低い美丈夫に、那吒がじとりと視線を向ける中。
黄雲は金勘定をするときのような、冷静かつどこか醒めた目でこう述べる。
「確かに多少は意識しますし、養生の術を解かれたとあらば今のような反応にはなりますが。それでも僕は、お嬢さんに対して恋仲になりたいだとか、そういう期待は最初から一切持っていません」
「本当か〜?」
「本当です」
黄雲はすっかり赤面の冷めた顔で、那吒へ冷たく言い返す。
「そもそも身分が違う」
静かな一言だった。
先ほどの赤面慌てぶりが嘘のような、熱のない声。
神将同士は顔を見合わせる。
確かに崔雪蓮は、この街の長官である崔伯世の娘。れっきとした貴人階級である。
貴人の娘が嫁ぐ相手は、自身と同等以上の身分の者、と相場が決まっている。
対して黄雲はどうか。
「僕は単なる市井の道士。とてもじゃないが、身分が釣り合わない。それに」
最も大事な理由がある。
どうして今、雪蓮は清流堂にいるか。
「僕と師匠は崔知府より依頼を受け、お嬢さんを危険からかくまうためにここへ住まわせているに過ぎません。そう、僕にとって第一は、頂いた銭に報いること」
いつもの守銭奴の顔に戻って、黄雲はにやりと笑う。
「僕の仕事は何か。あの方を妖怪物の怪の魔手から守りつつ、霊薬を祓う手立てを見つけ出すことです。それを忘れて色恋に興じるなど、受けた信用に背いてしまう」
「なるほど」
相槌を打ったのは二郎真君だ。感情の起伏の少ない顔に、ほんのり納得を浮かべている。
「きみの言い分、よくよく分かった。己がうちの思春期を押し殺して、銭を優先するのだな?」
「当然!」
ここまでくれば守銭奴完全復活である。
ふんぞり返る黄雲だが、那吒はそれを眺めつつ納得できない様子。
「結局金だなんだ言うけどさあ、お前」
「……なんです、まだ文句がおありで?」
「あの子にドキドキすんのは事実じゃねえか! やっぱ好きなんじゃねえの!?」
「ま、まだ言うか!」
「よっしゃ兄い! さらなる真相追及だ、今すぐ全裸の崔雪蓮に化け……」
「これ那吒」
ごいん。
いきなり那吒の後頭部に食い込む乾坤圏。
金環を握る二郎真君は、涼しい顔でたしなめる。
「そう第二次性徴期の青少年をからかうものではないよ」
「あ、兄い……まだ持ってたのかよ乾坤圏……」
那吒に制裁が加えられたところで。
「はっ……!」
黄雲、背後のざわめきに敏感に反応した。先ほどから楽しそうな子どもたちと犬の声の中に、きゃらきゃらと若い娘の笑声が混じっている。
言うまでもなく雪蓮の声。
きっと母屋の中にいるのに飽きて、犬と子どもの輪に加わったのだろう。ぼよんぼよんと、鞠の音もする。
「ちょちょちょ、二郎神!」
守銭奴は途端に慌てて真君へ詰め寄った。顔には再び赤がみなぎっている。
「どうした少年」
「どうしたはないでしょう! さあ、僕の氣を元通りに……!」
焦る黄雲だが、折悪しく。
「あーっ! 鞠が!」
「とんでっちゃった!」
子どもたちが一際大きく上げた声が示す通り。庭でついていたらしい手鞠が大きく跳ねて、本堂の壁や塀にぶつかりながら、こちらへぼよんぼよんと飛んでくる。鞠はてんてんと地面を跳ねた後に、黄雲の足に当たって止まった。
そしてその鞠を取りにやってくるのは。
「いま秘密のお話し中だから、みんなは待っててね!」
「はーい」
もちろん雪蓮。
「あの、もし! 黄雲くん、天仙さま方!」
「!」
密談中のこちらを気遣いつつの本堂前からの呼びかけに、黄雲は慌てて二郎真君の背後に回った。身長六尺を超える美丈夫の背中は、身を隠すにちょうどいい。しかし雪蓮がいるのは建物はさんで向かい側、身を隠す意味はまったく無い。
「どうした少年。返事はしないのか?」
「だ、だーかーらー! まず僕の氣を!」
「ぷっ、くくっ……!」
那吒が後ろ頭を押さえながら忍び笑いをする中、ようやく二郎真君は思い当たった。
「なるほど。これが下界の童をそろって虜にするというかくれんぼ……!」
「ちがうっ! わざとかっ!」
「ヒーッ!」
ボケる真君につっこむ黄雲、那吒再びの引き笑い。
「あのー?」
「ほら、早く! 養生の術を早くこのボケ真君!」
雪蓮の呼び声にいっそう気を焦らせつつ、黄雲は二郎真君の足をゲシゲシ蹴りつけた。しかし頑丈な脛当てをつけた二郎真君の足、彼には微塵も攻撃が通じず、ただ黄雲が痛いだけである。
養生の術、と言われてようやく真君は「ああ」と思い至った様子を浮かべた。
「すまなんだ。きみの焦る様子が面白くてわざと」
「わざとかよっ!」
「…………っ!」
確信犯だった真君に、その甲冑に拳を突き入れてまたもや自分が痛いだけの黄雲。そして那吒、再びの窒息寸前。
ちなみに以上のやりとり、雪蓮に聞こえぬよう全て忍び声で行われている。
「面白かったが仕方ない。元に戻して進ぜよう」
「急急如律令! 急急如律令!(お願いします早くしてください!)」
大事な呪文をおかしな用法で使う黄雲に、真君は「うむ」と真面目な声で再び氣をかけてやった。
氣脈の変調も掻き消えて。黄雲はすぐさま養生の氣を練り、心拍血圧を正常に戻す。
そして余裕綽々で鞠を手に取って、まだ本堂前で待っているらしい雪蓮へ声を上げた。
「いいですよ、お嬢さん!」
「だ、大丈夫……ですか?」
そろり。雪蓮は本堂の壁沿いを進み、遠慮がちに黄雲たちがいる場所を覗き込んだ。
本堂裏には、相変わらず華麗な武者ぶりの二郎真君に、なぜか腹を抱えて声もなく爆笑している那吒。
そして、普段通りの守銭奴黄雲。
雪蓮、鞠を手に近づいてきた黄雲へ。
「あの、秘密のお話は?」
「まだ途中ですよ。どこかの誰かさんが剛力で鞠を放るので、致し方なく中断です」
「もうっ! 投げたのは私じゃないのに!」
「おっとそいつは失礼失礼」
普段通りの顔色で悪びれない黄雲に、雪蓮もむすっと頬を膨らませた。まったくもって普段通りのやりとりだが。
「ヒーッ! あいつやべえ! 超やべえ!」
黄雲が内心思春期を抱えているかと思うと、塀をバンバン叩いて、おかしさを堪え切れない那吒である。
「あ、あの……那吒さまはどうなされたのかしら?」
おいたわしや。そんな気持ちを視線にこめつつ問う雪蓮へ、黄雲。
「放っておいてあげてください。かわいそうなお人なんです……」
養生の術をもってしても御しきれなかった怒りで眉をひくつかせつつ、口調にだけ憐れみをこめて言うのだった。
そして黄雲は鞠を雪蓮へ手渡して。
「はい、今度放るときは気を付けてくださいよ?」
「わ、分かってるもん!」
彼の不機嫌な一言に、雪蓮も憮然とした様子で返事をする。が。
箱入り娘、不意に表情をやわらかくして。
「でも、拾ってくれてありがとう」
「…………」
ひとこと礼を述べて、雪蓮は「じゃあね」と踵を返し去っていく。
彼女の後姿をやれやれと見送っている黄雲へ、美丈夫が口を開いた。
「少年、今更ながらにひとつ思ったのだが。別に顔を合わさずとも、こちらから向こうへ鞠を投げ返せば良かったのでは?」
「あ……」
「ぶっはーーーー!!」
真君の指摘にこらえきれず、盛大に噴き出す那吒であった。
「ヒィーッ! こいつめちゃくちゃおもしれえんだけどー!」
「こ、こんのクソ神将が……!」
爆笑に振り返る黄雲、顔色こそ普段通りだが、表情は怒りそのもの。そんな彼の視線を受けつつ、那吒はぜえぜえ呼吸を整えて、やっとのことで笑いから立ち直る。
「はー……。いやぁ、こんなに笑ったのは何百年ぶりだ?」
「那吒よ。お前おととい、お父上の宝塔を馬の尻に突っ込んで、今のように大笑いしておったではないか」
「やめてくれよ兄い。あの後死ぬほど怒られたんだから」
天界のほのぼのな一幕に、那吒の笑いもすっかり冷めた様子。
そんな彼らに黄雲は、言わねばならないことがある。
「お二方!」
雪蓮の氣が庭へ戻ったことを確認して、黄雲はびしっと指を二人へ突き付けた。
「いいですか! 今までのお話は他言無用に願います!」
「なにか? お前があの子に恋してるのは内緒にってことか?」
「だっからちがーーう!」
術を使うことも忘れ、黄雲は憤慨のあまりまた顔を赤くしている。
そして小声ながらも語気荒く、黄雲は神将へ言い聞かせた。
「僕は! 意識はしても! 好きとかそういうのでは! 断じてない! はい復唱!」
「いしきはしてもー!!」
「やっぱりやめてください声がでかい!」
口止めはしたいものの、この神将たち、ままならぬ。苦渋を噛みしめた末、黄雲は最後の手段に出た。
「これでなんとか……!」
差し出したのはもちろん金だ。口止め料、各々銅銭一枚ずつ。天仙相手にも吝嗇な守銭奴である。
「ばーか、そんなはした金でオレらが動くと思うたか!」
言いながら那吒、腰の豹皮の小物入れから、あの金塊を取り出した。真君も懐から銀塊を取りだし、どことなく得意げである。
「くっ……さすがは天界より降臨せし方々……!」
目もくらむばかりの金と銀に、黄雲はがっくりと膝をつく。金が効かぬとあらば万策尽きたも同然。
そんな彼へ、那吒はにやっと尊大な笑みを浮かべて、とある提案を持ちかけた。
「そうだなぁ。どうしても口止めがしたいんだったら……」
那吒、悪辣に。
「オレの下僕としてタダ働き! これでどうだ!」
「なっ……タダ!?」
「そうだ! これから下界に住まうオレのために、三食昼寝付きの何不自由ない生活を提供し! 犬のように忠実に振る舞うがいい! ははははは!」
「タダ……」
タダ。その一言に黄雲、深い深い絶望の淵へ。
「わっはっはっはっは!」
「これ那吒」
調子に乗る那吒の後頭部に、再びの「ごいん」。
「兄い! だからオレの乾坤圏!」
「すまない少年。このお坊ちゃん育ちの言うことは気にしなくていい」
後頭部を押さえ涙目の那吒に目もくれず、二郎真君は絶望の黄雲へ手を差し伸べた。
「そうだな。このことは他言しないと約束しよう。思春期のきみのために」
「思春期は余計です」
「まあ、その代わり。那吒ほど無茶な要求はせぬが」
真君はふわっと笑う。
「我ら、下界は久方ぶり。ゆえによく分からぬことも多い。だから事あるごとに、きみに色々と便宜を図ってもらいたい」
「便宜……」
二郎真君の提案に、黄雲はしばし逡巡して。やがてこくりと首肯した。
「そういえば」
気を取り直して、ふと思いついたように黄雲は二人へ尋ねた。
「あなた方、下界に来たとは言いますが……どちらに滞在されるご予定で?」
「は?」
黄雲の問いかけに、那吒は後頭部をさすりつつ馬鹿にしたように返答を吐き捨てる。
「んなもん清流堂に決まってんじゃねえか!」
「うむ。不束者ながら、何卒宜しくお頼み申す」
「はっ、はああ!?」
二郎真君も便乗して硬い挨拶。
冗談じゃないぞ、と黄雲は思う。ただでさえ清流や自分に子どもたちの五人住まい。そこに雪蓮が加わり巽が住みつき、さらに先日からは火眼まで抱え込む羽目となった。この上さらに二人なんて。
「へ、部屋なんてもう物置くらいしか……!」
「物置なんて冗談じゃねえや。一番良い部屋を用意しろい」
「一番良い部屋ったって……」
人口密度が上がるばかりか、最上の部屋を用意しろなどのたまう那吒に辟易する黄雲だったが。
「あ」
思いつき、ぽんと手を打った。彼らへ提供するに、一番良い部屋がある。その部屋の主には、ちょうどよく今日の意趣返しもできる。
「ありますとも、素晴らしい部屋が」
先ほどの那吒にも負けない悪辣な笑みを浮かべながら、黄雲は神将二人へ快諾するのであった。
さて、夕刻。
清流堂の門を、ひとりの老爺が通ろうとしているところだ。
この老爺、言うまでもなく。
「ひひひ、思わず稼いでしもうたわい。黄雲に見つからんようにせねばなぁ」
本日己が本分を忘れ、半日を賭け麻雀に費やしていた燕陽土地神である。
老人会で得た金をじゃらじゃらさせつつ、通り過ぎる門の扉の影に。
「じーさん、遅いお帰りで」
「おおう!?」
すっかり職能を封じていた土地神、気付かなかった。すぐそこで守銭奴が待ち構えていたことに。
黄雲は不気味に落ち着いた笑顔で老爺へ歩み寄ると、にこにこと口を開いた。
「いや、今日本当に大変でしてね。あなたが麻雀に興じていらっしゃる間、何があったと思います?」
「ま、まさか物の怪が……!?」
「物の怪なんてなまやさしいものじゃありません。とにかく僕ら、危ないところだったんですからね」
「む、むう……」
老爺は上機嫌をどこへやら、土地神の本分を全うできなかった自分に、悔恨と反省を感じるのだが。
黄雲の目的は、彼の手に握られた、麻雀で得た銭である。それも土地神、よく分かっている。
「……す、すまなかった」
「聞き分けがよろしいようで」
老爺が銭をそっくりそのまま渡すと、黄雲は満足げな笑顔を向ける。
……と思われたが。
「じじい。その場で跳びなさい」
「は、な、なんとな?」
「いいから跳べい!」
黄雲、無理矢理老爺をその場で跳びあがらせた。土地神が致し方なく「よいしょ」と跳躍すると。
ちゃりんちゃりん。隠した財布から銭の音。
「…………」
「まだ持ってるじゃないですか」
あえなく持ち金全て奪われる燕陽土地神であった。
「わ、わしだって! たまには麻雀くらい!」
「だからって氣の感知まで全部封じる土地神がいるかこのクソジジイ! ああ、そうそうクソジジイ!」
怒るついでに、黄雲は本堂の扉へ駆け寄って手を掛ける。
「今日からこの本堂に、お二方ほどお住まいいただくんで」
「は?」
ギギ、と開いた本堂の奥から、さあっと溢れる清浄な光。
瞠目する老爺の、老いさらばえた瞳に映るのは。
「おう、邪魔してるぜー」
「不束者ながらしばしの間、お世話になり申す」
後光をほとばしらせ、我が家のように堂内でくつろぐ二人の神将。
「じ……二郎真君に那吒さまとなっ!?」
「ってわけで、じーさんこれからよろしく」
「ちょ、ちょっと待て黄雲! これは一体!」
土地神、意味が分からない。このボロ道廟に光り輝く美麗な神将が二人もいる光景もさっぱり意味不明だが、その二人がここへ住みつくとは。
老爺は土地神。対して二人は本来天界に住まう天仙。土地神にとっては上司にあたる存在である。
上司とともに暮らせと言われて。喜ぶのはよっぽど忠勤な者くらい。残念ながら老爺に忠勤さは皆無で。
「おーい! 待て! 待たんか黄雲ー!」
黄雲は老爺の叫びを無視しながら、てくてく本堂から離れて行った。昼間の恨みをすっかり晴らし、その顔はどこか清々しい。
「黄雲よーい!」
「おうじーさん、よろしく頼むわ」
「土地神の仕事ぶり、これから間近にて拝見させていただく」
肩身の狭い燕陽土地神。苦難は始まったばかりである。




