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3 火眼快眠

 雪蓮は仰天した。

 昨日己が命を狙い、破壊の限りを尽くした大妖怪・火眼金睛が庭先にいたからだ。愛用の朱塗りの棍を携えて。

 彼女も話は聞いている。彼が力を封印されたことを。その上でこの清流堂へ引き取ることになったことも。

 しかし心はそうすんなり受け入れられぬもので。

 

「か、火眼金睛! 止まりなさい!」


 雪蓮は手近にあった菜園の(さすまた)を構え、こちらへ歩み寄る白髪の少年を威嚇した。

 

「なにー?」

「へんな目の色ー」

「あー、きのうお猿さんが連れてきたやつ!」


 彼女の後ろにかばわれて、逍・遥・遊の子ども三人は危機感微塵もなく、火眼金睛へ興味を示している。

 そんな一同の様子を炎の眼で捉えて、火眼はぼそりとつぶやいた。

 

「……おまえは霊薬(エリキサ)の女」


 無表情。火眼はつかつかと、雪蓮めがけて歩み寄る。

 

「こ、来ないで!」


 雪蓮の嘆願むなしく。火眼は彼女の目の前までやってくると、くんくんと唐突ににおいを嗅ぎはじめた。

 不可解な行動に、雪蓮困惑。

 

「なっ、なにを……!?」

「においがしない」

「え!?」


 火眼のひとことに、雪蓮の困惑はさらに深いものへ。

 急ににおいだのと言われては、戸惑うのも当然だ。体臭関係の話題を男性に切り出され、気にせぬ乙女はいない。

 

「に、におってたのかしら私……」


 杈をからりと落として、雪蓮は途端に赤くなるやら青くなるやら。その彼女へ追いうちをかけるように。

 

「におってた。凄絶に」

「凄絶に!」


 火眼は無表情で乙女心を瀕死へ追い込む。

 しかし彼が言いたいのは、彼女が思っていることとは違うようで。

 

「きのうまではすごくにおってたはず……。おまえ、金氣はどうした」

「き、金氣?」


 火眼の問いかけに、雪蓮、はたと我を取り戻す。ああなるほど、と少女はやっと得心した。

 

「なんだ、体臭じゃなくて氣のお話……」

「?」


 雪蓮がほっとしたところで。

 

「待った待った火眼金睛!」


 やっと二人へ割って入るのは、黄雲だ。後ろ手に何かを隠しつつ、雪蓮をかばいながら火眼と向かい合う。

 

「やいやい火眼よ! いきなり庭へ出てお嬢さんへ絡むとは、どういう了見だ!」

「黄雲くん……!」


 火眼から自身を守る、黄雲の背中。昨日の緊迫した光景を思い出す一幕に、雪蓮の乙女心は先のひと悶着を一瞬忘れ、再びとくんと高鳴った。

 しかし。

 彼が後ろ手に持っている物が、どうにも緊張感を削いでいる。白くてふわふわのそれは。

 

「おれは……」

「いや、言わずとも貴様の目的は分かるぞ火眼。さあ、そんなお前にこれを進呈!」


 言いかけた火眼を制し、黄雲はここぞとばかりに隠していたそれを高々掲げ、見せつける。

 白くてふわふわ。この貧乏道廟の中でもひときわ高級感漂うその逸品。

 

清流堂(うち)で一番やわらかい枕だ!」

「…………」


 静寂が訪れた。

 黄雲は自信満々な笑みを浮かべ。

 炎の瞳は白い枕へじっと視線を注ぎ。

 子どもたちは羨ましげに枕を見つめ。

 雪蓮は驚愕の面持ちで成り行きを見守っている。

 

「……絶品」


 やがて火眼は枕を受け取った。感触を確かめるように白い生地をふにふに揉んで、大事そうに小脇へ抱える。

 

「ねむいから、ねる」


 気付けば炎の眼は、眠たそうにとろけている。

 火眼はふぁふっ、とあくびをひとつ放ち、すぐ後ろの本堂へ向かい歩いて行った。

 

「…………」


 一同が見守る中。火眼は日当たりのよい本堂の石段に枕を置き、横たわって眠り始めた。

 堂々、悠然たる入眠。

 

晩安(ワンアン)(おやすみ)」


 寝息を立てはじめた火眼へ、黄雲はひとこと。雪蓮は昨日の大妖怪の変わりっぷりに、ぽかんと口を半開きだ。

 

「……えっと、どういうこと……?」

「何にも聞いてないんです?」


 やっとのことで言葉を紡いだ雪蓮へ、黄雲は呆れた口調で返す。そして彼の視線は、本堂の奥へ。

 

「やいじじい共! お嬢さんに説明したんじゃないんですか!?」

「これ、年上には相応の口をきかんかね小童(こわっぱ)が!」


 本堂の屋内から低い声で応えたのは、一頭の白猿だ。

 本堂内の祭壇前、地べたへ座る彼の前には碁盤。猿猴と差し向かいで碁に興じているのは、燕陽翁だ。

 

「説明したわい、簡単にな!」

「その説明が簡素過ぎたんじゃないですか。全然ご理解いただけていないようですよ」


 やれやれと(かぶり)を振って、黄雲は雪蓮へ向き直った。

 

「いいですかお嬢さん。あいつ……火眼に関しては、当面は警戒しなくても大丈夫です」

「…………?」

「そこのヒヒジジイ、つまり僕の師爺ですけども……あのお猿が術をかけてくれたお陰で、いま火眼は力と凶暴性を封じられている。ここまでは聞いてます?」

「え、ええ」

「凶暴性というか、あなたへの敵意ですが。元々あいつの中にあった欲求で一番大きいものを昂ぶらせ、あなたへの敵意を上回らせることで制御しているんだそうです。で、その一番大きい欲求というのが……」


 孫弟子の言葉を、師爺が引き継ぐ。


「睡眠欲、だ。あれの中にはまだ『霊薬(エリキサ)』を喰らおうとする欲求が存在している。しかし、それに勝るすさまじい眠気を引き起こし、霊薬への欲求を相対的に鎮めているというわけだ」


 玄智真人と燕陽翁は碁を中断し、日なたで眠っている火眼へ視線を向けた。

 白い枕に頭を預け、大量破壊の申し子は安らかに惰眠をむさぼっている。口端から垂れるよだれ。

 

「それにしても、かなわんなこいつには。確かに術で睡眠欲を高めはしたが……五百年眠ってもまだ寝足りんと見える!」

「庭へ出てきたのも、おそらく日差しの中で眠りたかったからだのう」


 玄智と燕陽翁がそれぞれ述べる。

 火の氣は五行の中でもひときわ陽の成分が多い。あの物置よりも、陽光あふれる庭の方が火眼にとって居心地が良い環境なのだろう。

 それにしても、一度寝入るとテコでも起きないこの少年。

 

「ねー哥哥(がーが)

「こいつ全然おきねーよ!」


 子ども達が木の枝で頬や腕をつつこうとも、火眼は目を覚まさない。見かねた雪蓮が「だめだよ」と、恐る恐る子どもたちを火眼から引きはがして、離れた場所で遊ぶよう諭して庭へ連れて行った。

 

「黄雲」


 不意に白猿は、真剣な口調で孫弟子を呼ばわった。「なんです?」と面倒くさそうに本堂内へ歩み寄ってきた黄雲へ。

 

鴻鈞道人(こうきんどうじん)について、清流から聞いているか?」

「いえ、詳しくは……」


 黄雲、怪訝な表情で首を横に振る。昼食時に清流から、件の美男がこの清流堂と天究山の二か所へ現れたことを、聞いてはいたが。

 そんな彼へちょいちょいと指を振り、玄智はその場へ座るよう促した。

 孫弟子が碁盤のそばにどかりとあぐらをかくと。

 

「ならばわしらから伝えておこう。あの飲んだくれの口を挟むより正確に伝わるだろう」


 子どもたちと雪蓮の毬つきの声が遠く聞こえる中。白猿はオホンと咳払いの後に続ける。

 

「よく聞きなさい黄雲。あの男、間違いなく天仙だ」

「天仙……?」


 突拍子もない言葉に、黄雲はしかめ面だ。

 天仙。すなわち天に住まう神仙。この世の森羅万象を統括・支配する存在。黄雲ら道士はおろか、地上に住まう者どもの主と言っていい。

 黄雲、術符や道術を使う際にその存在を感じることはあるものの、実際に会ったことはない。当然、清浄神聖なる天仙がおいそれと地上へ現れることなど滅多にないからだ。まさに雲の上の存在。

 そんな先入観を持つ黄雲だから鴻鈞道人のこともてっきり、やたら強い道士くらいに思っていた。そして師爺の言葉もうさんくさく感じている。

 

「天仙とは……一体、何を根拠にそんな」

「会ったことがあるからだよ。五百年前にな」


 玄智の言葉。向き合う燕陽翁も「うんうん」と頷いている。


「姿かたちこそ、五百年前から変わっていたが……あの氣は変わらんかった」

「あ、会ったことがあるって、つまり……」

「まあ、会ったことがあるというても、わしの初代だがな」


 玄智真人の初代。人間だった最初の彼は、煉丹術を学ぶ一介の道士だった。

 仲間の道士たちとともに、不老不死の霊薬を得るため、様々な実験に情熱を傾ける日々の中。

 ある日突然、その男は現れた。

 

「あの男は天からやってきたなどと(うそぶ)きおった。当時は眉唾物の与太話と思っておったが、五百年の時を経て真実だと気付くとはな」

「その男とはつまり……『金丹経』をもたらしたとかいう?」

「左様」


 うなずきながら、猿顔には苦渋の色が浮かぶ。

 

「『霊秘太源金丹経れいひたいげんきんたんきょう』をこの下界へ持ち込んだのが、かの男だ……」

「いや、でも待ってください」


 黄雲は太めの眉毛に真剣な色を帯びて、玄智の言葉を遮る。

 

「五百年前に会った男と、同じ氣を纏っている。それだけで天仙と断じるのは早計では?」


 黄雲は続けて挙げた。

 

「もしかしたら奴も、清流師匠や火眼のように霊薬(エリキサ)の贋作かもしれません。姿かたちはまあ、術かなにかで適当に変えたとして。それにひょっとすると、師爺。あなたと同じように、代がわりで氣や記憶を受け継いでいる者かもしれませんよ?」

「うぬぅ、小賢しくも意外に聡い孫弟子よのう」

「黄雲、おぬしの問いにはわしが答えよう」


 碁盤の向こう側から、燕陽翁が口を開く。

 

「その前に……ほいっ」


 老爺は突然、黄雲の背後、本堂の扉へ向かって氣を放った。扉近くの地面へ、土地神の使う白い光の紋様が走り。

 

「きゃっ!」


 その真上でこっそり盗み聞きしていた雪蓮が声を上げた。

 

「何してるんです、お嬢さん?」

「う、うごけな……」

「『(ばく)の呪法』だ。黄雲、お前さんにも見せたことがあるだろう?」

「そうですね」


 白髯を撫でつけながら問う老爺へ、黄雲は頷く。視線は雪蓮の足元、白く走る紋様に注がれていた。

 

「これは我ら、地に封じられし神の使う呪法。つまり神にしか使えぬ法力だ。それを昨日、かの優男ときたら」


 そこで一旦言葉を切り、燕陽翁は指をくいっと曲げてみせる。

 途端に雪蓮の足元から光が消え、拘束の解けた彼女は思わずつんのめり、こてんとこけた。

 

「きゃっ! いたた……」

「のう雪蓮。昨日、鴻鈞道人はこれとほぼ同じものを使っておったろう?」

「……は、はいっ!」


 慌てて身を起こし、雪蓮はしっかり首肯して見せる。

 

「同じような術でした! あの方が使っていた術は、黒い紋様でしたけれども」

「そう。神でしか使えぬ術、しかもあの術式と氣は、天仙でしか扱えぬ類のものだ」

「ふーん……」


 黄雲にとって親しみのある存在とはいえ、燕陽翁はこれでも土地神。神である。天よりこの地へ封じられた神であるからには、天界との関わりも深い。

 その彼がこう順を追って、雪蓮まで使って鴻鈞道人天仙説の論を固めに来ている。

 黄雲も、やっと老猿と老爺の言葉を受け入れるのだった。

 

「……なるほど、やつが天仙らしいというのは分かりました。でもそんなの相手にどうやって応じるんです? まさか天界全体が、お嬢さんの霊薬(エリキサ)に関わっているとでも?」

「天界全体、ということはないんじゃないかのう」


 土地神はなおも白髯を撫でつつ言う。

 

「もし天界の総意ということならば、わしら下界の土地神にもそれなりのおふれが下されるはずだしのう。それが無いということは、現状鴻鈞とやらが独自行動を取っていると見ていい」

「そう、はぐれ天仙の可能性が高い。一応お仲間はおるようだが……」

「はぐれもの……」

「まあ、憶測だがの」


 とにもかくにも。

 鴻鈞道人は天仙である。それも五百年前の一件にも関わっている。そう考えた方が、現状齟齬がないようだ。

 彼の天界での立ち位置や協力者など、不明な点は多いが。

 

「はあ、参りましたね……まさかこんな大事になるとは」


 黄雲は嘆息した。後ろで床に座り込んでいる雪蓮も、不安そうにうつむいている。

 当初は雪蓮に取り憑いた物の怪を祓えばいいだけ、と思っていたが。

 物の怪の正体は霊薬(エリキサ)などという訳の分からん不死の妙薬。しかも此度の事件の発端は十数年前にさかのぼり、王宮官僚が関わっているかと思えば、今度は天仙。

 正直、この小さな道廟の飲んだくれと守銭奴程度に、なんとかできるような規模の問題ではない。

 

「どうした黄雲。不安ならば降りるか?」


 白猿が意地悪な口調と表情で問いかける。

「崔知府へは代わりの道士を紹介しようか」と彼が言いかけたところ。


「冗談じゃない!」


 黄雲は身を乗り出し、大きめの声を老猿の耳元へ叩きつけた。

 目を白黒させる師爺へ、続けて不敵な笑み。

 

「乗りかかった船ですよ! ここで投げ出すなど言語道断!」

「黄雲くん!」


 わあ! と雪蓮が顔をほころばせる。しかし続く言葉はいつもの通り。

 

「どんな大問題だろうと、やってやろうじゃないですか! 苦難が大きければ大きいほど、増しに増すのが!」

「うんうん!」

「高額報酬!」

「うん、わかってた!」


 雪蓮は拳をバシンと床へ叩きつけた。正直ちょっと期待した。彼と出会ってから、一体何度この期待と幻滅を繰り返したことだろう。

 彼女の落胆に気付いているのかいないのか、黄雲はヘラヘラとがめつい笑みで雪蓮を振り返る。

 

「というわけで、お嬢さん。今まで通りあなたの父上の依頼はこなします。なので僕の報酬が増えるよう、お口添えをお願いしますね!」

「もうっ、黄雲くんのバカっ!」


 若人二人のやり取りを、年寄り二人は呆れた眼差しで眺めている。

 おほん、と咳払いをひとつして、玄智真人が口を挟んだ。

 

「あー、でだなご両人。ひとつ問題があってだな」

「問題?」


 振り返った少年少女へ、白猿は続ける。

 

「清流と火眼はいま、わしがかけた術の影響で金氣の知覚ができなくなっておる。黄雲は知っておるな?」

「ええ。ふたりはお嬢さんの氣が分からなくなってるんですよね」

「ああ、それでだったのね……」


 雪蓮は先ほどの火眼とのやりとりを思い出した。においだの云々は、金氣が感じ取れなくなったことに端を発した台詞だったようだ。

 

「で。清流が金氣を知覚できなくなっておる以上、おぬしが代わりにしっかり気を配っておかなくてはならん」

「はいはい、それは昨日お聞きしましたけど……師爺とじーさんはそこ、手伝ってはくれないんですよね?」

「まあな。わしは枯れ果てた天究山を復旧せねばならんし、燕陽どのは土地神としての役目がある。なるべく手助けはするがの」


 そこで老猿は言葉を切り、真剣な眼差しを孫弟子へ向ける。


「とまあつまり、黄雲よ。お前は今まで以上に雪蓮のそばにいてやらねばならんということだ」

「はあっ!?」


 老猿の言葉に、黄雲だけでなく雪蓮もが声を荒げた。そして二人は語気も刺々しく玄智を問いただす。

 

「なっ、どういうことですかそれは! 今でもうざったいくらいなのに!」

「今まで以上にって、その! 着替えや厠や湯浴みのときも!?」

「ひええ! 下手すると知府殿に殺される! 凌遅刑(りょうちけい)ですよ凌遅刑!」

「だ、誰もそこまでとは言うとらん……!」


 玄智真人、思春期の若者の発想の飛躍についていけない。

 

「いいか黄雲に雪蓮! そこまでともにあれとは言わんが! お互い出かける時は必ず同伴! この堂より外出の際は、雪蓮はなるべく黄雲の目の届く範囲にいること! それで結構だ!」

「んなっ! つまり僕が商売に出かけるときもお嬢さん同伴ですか! 邪魔くっさ!」

「じゃ、邪魔って……!」


 白猿は青息吐息。落ち着かせようとしたものの、結局両者は互いに敵意むき出しでいがみ合っている。

 バチバチと視線の間に火花を散らし、黄雲と雪蓮は「ふんっ!」と同時にそっぽを向いた。

 

「起きろー」

「ねぼすけ、くらえー」

「くかー……」


 本堂石段のあたりにはいつの間にか子どもたちが集まっていて、火眼の顔面に毬をぶつけて遊んでいる。

 かつ、火眼金睛も目を覚まさない。

 毬は火眼の額に当たって、バインと地面へ跳ね落ちる。

 

「みんな、行こうっ!」


 雪蓮はぷんすかとご機嫌斜めに、毬を拾って子どもたちを促した。逍・遥・遊の三人は、「はーい」とその背中に従う。

 本堂の内からその後ろ姿を見送りつつ。

 

「のう、黄雲よ……」


 口を開いたのは、燕陽翁だ。

 

「なんです?」

「おぬし、もうちょっと女子(おなご)には丁寧に接さんか」


 老爺の口調は呆れかえっている。さらに燕陽翁が言及したのは、先ほどのアレ。

 

「さっきも本堂裏で揉めておったじゃないか」

「なんだ、見えてたんですか」

「そりゃわしゃ、ここの土地神だからのう」


 老人ふたりはそろって渋い顔だ。

 

「何でもかんでも金で解決は感心せんのう。もう少しやりようは無かったのか?」

「だって金と銭が一番てっとり早いじゃないですか」

「まったく、こやつは……」


 にへらと笑って肩をすくめる拝金主義の塊。

 老いた猿と神は、「将来こやつモテんな」と目線で語り合うのであった。

【おしえて! 清流先生】

問:凌遅刑りょうちけいってなぁに?

答:生きながらに刃物で少しずつ全身の肉を削がれる刑罰のことだぞ。とっても痛いし苦しいし、最終的にはもちろん死んでしまう。悪いことはできないな。みんなも政府に睨まれぬよう、善い行いをして過ごすのだぞ!(密造酒グビー)

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