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エピローグ



少女は、絶望の中にいた。

突然誘拐され、両親を殺され、奴隷として首輪をはめられた。

何がなんだかわからない。

周囲には異形の者達。妖怪の街につれてこられ、今まさに売られようとしていた。


「とっとと来い!」


奴隷商人が首を引っ張る。


「ひどい、なんてことを……助けてやれないのですか?」

「これから目に付いた奴隷を全部買わなきゃならなくなるよ。やめときなよ。

その気持ちをもっておけばきっとリゾームはよくなるよ」


街路を歩く住人は気の毒そうに見るだけ。


「おい、お前がどうなるか言っておこうか?

お前はまだ何も調教をされて無い奴隷だ。そういうのを自分好みに調教したがる変態がいるのさ。

あるいは魔術師の実験体か。どっちにしろお前は幸運な方だ。生き延びられるかもしれないんだからな。

せいぜい媚を売っていい飼い主に買われろよ」


奴隷商が笑う。


「いや、そうはならない」

「へえ、旦那、買取ですかい?」


見ると道をふさぐように立つのは獅子の様な偉丈夫。

そして額に角の生えた鬼の少女。

褐色の肌に髭の生えた怪しいガイジン。


「よかったね、あの御仁はまともそうだ。さあ、行きましょうお嬢様。

見ていて気持ちのいい光景じゃありません」

「ええ……」


鬼の少女が静かに笑う。


「いいえ、そうもなりません。お嬢さん、私もあなたのようでした。

ですが、深窓にいては世界は変えられないんです」

「え?」


街路を歩く上流階級が驚く。


「で、料金ですが……」


銃声、倒れる奴隷商。


「てめえのような忘八に払うもんなんざ、弾でも上等すぎるくらいだ」


悲鳴、怒号。かけつける衛士。

周囲を敵に回して獅子のような偉丈夫は少女を抱え銃を構える。


「お嬢さん、助けに来た。俺は味方だ。あんたみたいな誘拐された奴らを助け出す仕事をしてる。

さてと……一仕事、片付けるか」


昼神太陽。彼は、こうして妖怪ハンターとなった。



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