愛のあるバラの遊び方
はじめに
この遊び方はやろうと思えば出来そうなフィクションです。
お友達やご家族と、バラを用いた様々な遊び方、使い方を参考にして頂けなくとも読んで頂ければ幸いです。
そして、より一層愛が深まりますようにと心から願っております。
ー バラ ー
バラ科バラ属の種の総称。6月の誕生花。
赤いバラの花言葉は情熱的で甘美な愛情。黄色いバラの花言葉は、友愛と献身。
『チャンバラごっこ』
「どこを打ってもかまいません。ただし、どこを打たれてもいけません。
やったら勝ち、やられたら負け」がルールです。相手の動きを察知して、先手をとって打つ。
社会でも恋愛でもそうです。「まだ30%の力しか出してないし」「今日、調子悪いし」とか小さな事を言うのはやめましょう。 自己責任です。極力、力を出し切りましょう。いつか後悔する時がくる場合もあるのです。
ちなみに授業中、「神のいたずらか?こんな時にビッグなウェーブが!」をもようした場合
「出てこさせなかったら勝ち、出てこられたら負け」ではありません。 誰にも悟られずぬ教室から抜け出せたら勝ちです。 内股=大の方、「ちょっと、お腹痛いのでトイレに」=大の方
「ウンコだろ?」「違うって、ウンコじゃねぇし」=ウンコの方です。我慢せずに行きましょう。
学校でウンコの方をするのは恥ずかしい事ではありません。 とにかく授業中は貸切ですから。
安全性を考えるなら新聞紙、トイレットペーパーの芯、ふ菓子で。
『バラ馬』
古き良き時代、高度経済成長期の頃、イガクリ頭の子も、ミーちゃんもハーちゃんも、日本中の子供、皆が遊んでおりました。21世紀は竹馬ならぬバラ馬を。巨大なバラのトゲに足を乗せ、パッカパカ。
嫌いだったクラスの番長ともバラ馬やればいつしかお友達に。
上手く乗れないもやしっ子を笑う嫌いだった番長。
それでも、くじけずに頑張る姿に心打たれる嫌いだった番長。
「やっぱ、だめだー」と、諦めかけたその時、もやしっ子にそっと手を差し伸べる嫌いだった番長。
ああ、バラ馬の友よ。そんな番長に惹かれる大好きだったあの子。学級委員長だった大好きだったあの子。
ああ、ちくしょー。表面的には友達だけど、心の底ではやっぱ嫌いだった番長。
いつの時代も、いい意味でのギャップには、キュンとくるものです。
『人間バランスゲーム』
どうやったらこうなるのか、表皮のないズタボロのサッカーボールに乗ってランドセル、給食袋、上履き、ピアニカ、リコーダー、習字道具、などなど、ぶら下げたり、乗せたり、刺したりして、バランスをとるゲーム。何事もバランスをとるのは難しいもの。ウェストはくびれているのに太ももは太かったり、顔はイケているのに頭が枯れ草をイケてるみたいだったり、後ろ姿はモデルなのに前の姿はプラモデルみたいだったり、収入が少ないのに支出が多かったり。今のうちにバランスをとる練習をしておきましょう。人生は計画的に。
『バラでお絵描き』
トゲをギュッと握って茎の先端から人差し指から滴り落ちる血液。原料、血液百%を使用。道路に謎のネコ型ロボット風の絵。カエルじゃなくてアヒルらしいかわいいコックさん。壁にピッチング練習の的駅の待合室に「一中のMくん好き、好き、大好き!K子」の告白文。それに対する「K子。俺も好きだよ」の自動書記。公衆トイレに「M、呪ってやる」の脅迫文。公園の休憩所に「お父さんが早く帰ってきますように」の願い事。謎の絵。謎のメッセージ。選挙ポスターに謎のヒゲ。芸術は謎です。謎をなくして芸術は語れません。謎の前には、「くだらねー」と思いながら誰もが片っ端から見ずに読まずにいられません。案外「名画に隠された謎」なんかも書いた当の本人は、鼻をほじりながら「こーんな感じ?」な感じで謎になっちゃたのかも。今となっては謎です。大切なのは絵心です。
『バラシュート』
一度でいいからやってみたい花で空飛び、ふわりと降りるファンタジー。実際は違います。少女マンガに登場するイケてる御曹司も白馬に乗った王子様も皆、ファンタジーです。しかしながら、結婚前の夢中だったあの頃だけは本当に小さなファンタジーでした。「昔はハンサムだったのよ。経済学部の石原裕次郎なんて言われて。なんでこんな風になってしまったんだか」と、せんべいを食べながら、娘に愚痴をこぼすかつてはモデルのように美しかった母親。今となっては日本昔話。お互いさまです。そんなわけで、バラを持って誰より高い場所から、誰より早く落下するかを競い合います。上昇気流もなんのその。人生落ちるところまで落ちてからが、スタートです。
『バラード』
静かなピアノから始まるゆったりとしたテンポ、美しいメロディライン。感傷的な歌詞のおかず。あくまでもピアノの余韻がバラードのメインです。それでは、お聞き下さい。そこに愛はあるの?誕生日にはバラの花束を、付き合って半年の記念日にはルビーの指輪を、歩く時はあなたは車道側を、歩き疲れた時にはおんぶを、ソファで居眠りした時はそっと毛布をかけてくれた、悲しい時には励ましてくれた、寂しい時にはそばにいてくれた、お金がない時にはお小遣いを、ファミレスではいつもおごってくれた、平日旅行に行きたい時には会社を休んでくれた、風邪を引いたら、真夜中にアイスを持ってお見舞いにきてくれた「私を愛してる?」「愛してるよ」「私、可愛い?」「可愛いよ」「私って面倒くさい?」「面倒くさくないよ」「私って臭くない?」「臭くないよ」ってあなたは言ってくれた~♪思い通りに動いてくれたあなた。でも、あなたはもういない~♪チャランポラ~ンまずありえません…。もし、見つけた場合は、ただちに保護を。
『バラ売り』
バラと言えば高値の花。そんなバラをバラ売り。財布の口も奥さんの口も開いちゃう驚きの大特価一本十円。丸ごと煮てよし、花びらを片面をさっと焼いてレモンを垂らして食べてよし!茎の青臭さよし!トゲは一度揚げてからチャーハンの具などとしてお使い下さい。栄養価のほどは知れませんので、他の食物で補って下さいませ。大切なのは、高級感があるようなないような感じと「やっぱ、入れない方うまくない?」というそんなはにかむような思い出も。会話のない食卓に笑いの花を添える事だけは間違いありません。娘さんのいる家庭のお父さんは間違っても、「ところで最近どうなんだ?ほら、彼氏とか出来たのか?」と、調子に乗って聞かないように。「いてもお父さんには関係ないでしょ」「なっ、お、お前、出来たのか!」「まぁまぁいいじゃない。あなた」「いいじゃないって……知ってたのか!母さん!」ショックを受けるだけですから。
『おおバラ跳び』
いわゆる大縄跳び。足が引っかかって絡まっても責めてはいけません。大切なのは、飛ぶ勇気です。失敗する事を恐れて、踏みとどまってばかりでは人生をつまらないものにします。例え失敗に終わったとしても、きっと心の底から恍惚とした満足感がこみあげてくる事でしょう。他人がほめてくれなくとも、もう一人のあなたがほめてくれます。来世もある事ですし。信念を持って自由に向かって羽ばたくって素敵です。大縄跳びでなくとも。バラで跳ばなくとも。
『バラ色の人生』・・・スポーツ選手、俳優、歌手、ワンマン社長、プロデューサー、ヒーロー、忘年会で手品を披露する係長、縦縞のハンカチを一瞬で横縞にする人、バラ色の人生が待っています。目を閉じて楽しく生きるイメージしてみましょう。イメージするのは自由ですから。大人なればわかることですから。「実際は話が違う」が世の常ですから。
『バランティア活動』・・・花壇にバラを。ようこそバラの町へ。バラロードって、いい匂いがしそうだけど、バラドーロってなんか臭そう。
『バラ配り』・・・ティッシュ配りのごとく、無料でバラをお配り。
『気バラし』・・・バラをいじりながら、夕日の美しさに黄昏る。高度な切ない気晴らしの仕方です。ちなみにそれより高度な切ない気晴らしは一人カラオケです。
『好きな人バラす』・・・本当に、やめて頂きたいものです。人権尊重を訴えましょう。
『バラドル』・・・生きるために自らを犠牲にするって尊敬します。お仕事頑張りましょう。
『バラッドスリー』・・・上空から見ると、バラに見える伝説のフォーメーション。三人のディフェンスラインを肩を組みあい輪にし、ボールを持った一人の相手を取り囲む戦術です。実戦には向かないのが弱点。
おしまいに
近年の、公園は淋しいものです。ブランコに滑り台と砂場といった、単調な動きに滑っても拾ってもらうコメディアンみたいな公園ばかり。魅力的な遊具が設置されるも、危険性があるとされすぐに回収される事が多々あります。しかしながら、子供とは独創的で次々に新しい遊び方を発案しては実験を繰り返す小さな科学者なのです。時には「とんでもねー」事も。子供に関わらず人は何からでも学びとる力を持っています。バラにはトゲがあり、遊ぶには「危ない、怪我をする、あの香りは子供にはまだ早い」そう言われてしまうかもしれません。きれいなバラにはトゲがある。美しいものには危険は付き物。すごい美人を拝み倒して付き合って頂けた。と思ったら、変な絵画を売りつけられた!とか。とりあえず、付き合った人数には「すっげー美人と付き合った事がある」と、カウント。 ドミノ倒しの名残惜しさとあっけなさってなんでしょ? 途中止まってしまったゾーンの担当の人の罪悪感といったらどうでしょう。「あ~、地震が来れば良かったのに」とか思うものです。そうやってグレていくのかもしれません。しかし、大切なのは、協力してやったぞと言う満足感。みんなと過ごした時間の過程。ちなみに正式名称は『ドミノ並べ』と言うとか言わないとか。
子供は成長して大人になりますが、大人が子供に戻る事は出来ません。戻りたくとも、遊びたくとも、「大の大人がなにやってんだ」と、世間様から言われてしまうからです。子供と大人の火遊びの意味も違っちゃいます。 出来る事なら悔いのない人生を送りたいものです。あとの問題は、やるかやらないかという事です。ちなみにかの浦島太郎もこう後悔したとかしないとか。 「ああ、玉手箱を開けずに、ずっと竜宮城にいれば良かったぁ。ああ、もう!手遅れじゃ……もっと、あわびの美女と遊んでおけば良かった」と。
ついでに
いつの時代も、日本の男ってやつは、愛の言葉が足りない生き物です。「愛してる?」と聞くと、「アイシテルヨ」と答える自動音声の機能をもつロボットみたいなものです。しかし、言うのは「恥ずかしい」「照れくさい」「実はあまり思ってない」と、様々な理由があります。そんな時には、最愛の人へ「突然宅配でバラが届く」と、いったくさい手段を用いる事をお薦めします。あくまでも、最愛の人を愛してるのは差出人であり、届けにきた宅配のイケメンおお兄さんではないのでご注意を。母の日にバラを。記念日にバラを。お友達の誕生日にバラを。バラを送って、「愛してる」それだけで、どんなに年を重ねても、バラが枯れたとしても、あなたが起こした小さな出来事は、愛の虫さされの痕となり「あ、何かかゆい。あ、そう言えば」みたいな感じの素敵な思い出になってくれる事でしょう。いえ、再び愛の火を燃え上がらせる着火剤みたいなものになる事でしょうか。
ちなみにバラは植物です。むやみやたらに引っこ抜いてはいけません。