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重力という名の鎖  作者: シンプル
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第二章 変化

いきなりの急展開になってしまったのですが、読みぐるしかったらすみません、何かご指摘があれば修正しますので、お気軽にどうぞ。

授業が終わり、帰ろうと思っていたが、理科の時間に読んだ重力についての単元が予想以上におもしろかったので、図書室でもっと専門的な本を探そうと思いたった。


別段、真剣に重力から開放される方法を探そうという訳ではない。単なる暇潰しだ。


俺は図書室の場所を知らなかったので、職員室で場所を聞き図書室へ足を向ける。


館内には人は誰もいなかったがその方が静かなのでいいと思い、そのまま理科の物理のコーナーに行き、重力についての本を何冊か手に取り席で読み始める。もともと速読が得意だったので2時間弱で3冊を読み終えた。


「やっぱり実際には重力からの開放は無理か・・・」


そう呟いた時。


「あら、そんな難しい本がわかるの?」

俺はいきなりだったのでびっくと体を震えさせた。目の前にいたのはあの理科の教師だった。


「三枝君だっけ?重力に興味があるの、さっきの授業の時もずっと見ていたようだけど」


無邪気そうな笑顔で俺に問いかける。


「えぇ、まぁ」


「ふーん・・・ちなみにどんな所に興味があるの?」


こんどはまるで観察する様に目を細めた。俺は考える―。本当のことを言うべきか、それとも適当に受け流すか、しかし目の前の教師の顔を見ていると自然と口が動いてしまった。


「実は昔からなんですけど、何だか重力に縛られている様な気がして鎖で地面に囚われているという感じが・・・だからそんな重力から開放される手段はないものかと」


俺は何を言ってるのだろう。このことは中学の頃に作文で発表しクラス中に笑われそれ以来絶対に人には話さないと決めていたのに・・・しかし今回は違った。


「ほぅ、お前重力から開放されたいのか」


またも俺はびっくりした。さっきまでかわいい口調で喋っていたのにいきなり鋭い口調に変わった。つい俺は「えっ」と呟いてしまう。


「えっ、じゃない答えは<YES>か<NO>だけだ。私はシンプルなのが好きだ」


俺は息を飲んだ。なぜこの教師の態度がいきなり変わったのだろうか。全く理解ができなかった。


「あの良く意味が分からないのですが」


彼女は顔をしかめた。


「もう1度だけ言う。<YES>か<NO>だけだ、それ以外は求めていない」


どうやら今の状況を説明する気はないらしい。俺は目を瞑り考えた。きっと<NO>と答えれば何もなかったことになるのだろう。なんだかそんな気がした。だが<YES>と答えれば何か変わるのだろうか、この教師が変えてくれるのだろうか。数秒考え俺は心を決めた。そして静かに答えを告げる。

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