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6-2.レベル4?と魔法

 今日も薬草探しをする。


「富醒発動!ブーストッ!!・・・てぇぇいっっ!!!」


 柴田くんが加速をしてゴブリンの群れに突っ込んで、剣で2匹を叩き切る!残る3匹が逃げ出した!


「源!そっちに逃げた1匹を足止めしてくれっ!」


 僕は指示に従って、森深くに逃げ込もうとしたゴブリンを通せんぼする!


「ブーストッ!!・・・はぁぁっっっ!!!」


 その間に、柴田くんは連続で特殊能力を発動させて、散り散りに逃げたゴブリンに2匹を倒し、最後に僕が足止めしているゴブリンにトドメを刺した!


「よっしゃ!ボーナスゲットっ!」


 モンスターを倒して所持品を売れば、報酬達成の礼金の他に臨時収入が得られる。最初の頃はモンスターにビビりっぱなしだったけど、オーク(豚人間)、コボルト(犬人間)、ゴブリン(小っちゃいオッサン)くらいなら倒せるようになっていた。・・・まぁ、僕は未だに生き物を殺すのに抵抗があって、牽制&足止め専門だけど。


「柴田くん凄いね。なんか、前より強くなってない?」

「俺もそう思う。前は富醒の連続使用なんてできなかったからな」


 本のおかげでモンスターの行動パターンが解るようになったってのもあるんだけど、柴田くんの無双(?)っぷりが凄い。

 

「俺の熟練度が上がってるってことなんだろうな。

 能力(レベル○○)を数値で確認する手段が無いからよく解んねーけど」


 喋る光は、「特殊才能・富醒は熟練度が上げるほど高い効果を発揮できるようになる」「モンスターとの戦闘、仕事を熟すなどで経験値と熟練度が上がる」と言っていた。なら、僕も少しくらいレベルアップしてるのかな?戦ってないからレベル1のままかな?


「ステータスオープン」


 恥ずかしいから柴田くんに見られないように、コッソリと頭の上に出現する数値を確認してみる。


「おぉぉっっ!?」


 この世界に来た初日には「1」だった数値が「4」になってる。知らないうちにレベルアップしてたっぽい。


(僕の特殊能力も上がってるかも)


 一呼吸して正面に手を翳す。


「富醒(フセイ)発動っ!」


 僕の目の前にリターンのカードが出現する。カードに触れると「発動」と「発動待機」の選択肢が発生する。


「リターン発動!」 


 僕達の目の前に直径1.2mくらいの光穴が発生した!


「・・・狭っ!」


 前に発動した特は直径1mくらいで、僕1人がギリギリ通過できるくらいだった。今の穴なら、ギューって密着してれば2人くらいは通過できるかな?

 光る声は「僕がレンタルした場合は、正規使用者の1/3の効果しか発揮できない」って言ってた。それにしたって、成長度が低すぎる。

 力石先生は、この世界に来て7日間くらい経過してて直径5mくらいの光穴を発生させていた。僕は、この世界に来て今日で6日目。戦闘は柴田くん任せにしてるから、熟練度が足りてない?レベル4でこの有様では、レベルが幾つになったら満足に使えるようになるのだろうか?


「源、なにやってんだ?行くぞ!」


 困惑してた僕に、柴田くんが声を掛ける。悩んでても仕方が無い。今は自分にできることをやらなきゃ。


「うん!」

「盾3枚持ってくれ」

「うん!」


 ゴブリンから強奪した装備品を抱えて、薬草探しを再開する。


・

・

・


 僕と柴田くんと真田さんは、夕食前にはフリーになる。僕達は宿の裏に集合していた。


「え~っと・・・詠唱する呪文は・・・・・・・・・・・・」


 真田さんが、僕等の前で手の平を翳して、何語かよく解らない言葉を喋る。


「えいっ!」

ボンッ!

「うわっ!」×2


 真田さんの手から直径10㎝くらいの火の玉が発せられて直ぐに消えた。僕は驚いて尻餅をついてしまう。


「今のなに?手品?」

「火の魔法・・・のつもり」

「真田さん、凄いじゃん!」

「んへへっ!呪文教えるから、尊人くんと俊一くんもやってみなよ

「他の魔法も覚えたのか?」

「うん、あとは真空波の呪文ね」


 植物の本とモンスターの本に比べると、魔法の本はメッチャ高い。初級者版でも、日本円にすると100万円以上になる。今の僕達では買えるわけが無いので、真田さんが空き時間にお店に有る古本を読んで、2つほど暗記してきたのだ。


「やぁっ!」


 僕が真田さんの呪文を復唱したら、手から火が出た。僕はまた驚いて尻餅をつく。柴田くんは真田さんのメモ書きを見ながら呪文を唱えて、手から風を出した。確かに「風」なんだけど、火と違って目に見えないので、凄さがイマイチ解らない。


「オモシレー!」

「なんか強くなった気分だね!」

「真田っ!明日も呪文を盗んでこい!」

「んっへっへ!任せてっ!」


 僕達は夕食の時間になるまで、手から火と風を出して遊ぶ。


・

・

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 メッチャ怠い。風邪じゃないんだけど頭が痛い。マラソン大会で頑張って走ってゴールした直後に、あと2回マラソン大会をさせられるくらい疲れた。


「調子に乗って遊びすぎちゃったね」

「明日のお仕事に支障が出そう」

「明日・・・起きられるかな?」 


 単に“魔法ごっこ”でテンションが上がってただけ。手から一瞬火が出るとか、微風を発する程度で、モンスターを倒せるわけが無い。木に止まってる虫すら、驚かすだけで倒せないんじゃね?蚊くらいは倒せるかな?

 ちなみに、この世界の人は、特別な学校に行くか、お抱えの家庭教師を付けて魔法を学ぶらしい。それから、魔法を増幅させたり安定させる為に、「杖」という武器があるらしいけど、見た目は“ただの棒 ”のクセして、他の武器と比べてメッチャ高い。


「これがMP枯渇ってやつか?」

「えむぴー?」


 ゲームにマジックパワーという数字があることくらいは解るけど、それを我が身に置き換えるとどういうことなのか解らない。頭が痛くて、何にも考える気になれなくて、全く集中できない状況がMP0に該当するのだろうか?モンスターとの戦闘時にこんな状況に陥ったら絶対に死ぬじゃん。


 その日は、夜の定期集合はキャンセルして、早々に休むことにした。


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