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世界史 ー「命の樹と三帝国の興亡」



《創生の時代 ー 神々の大地》



はるか昔——

この世界にはまだ 形という概念すら存在しなかった。


ただ、果てしない “混沌” が広がり、

時間も、空間も、生命すらも一つに溶け合った無の世界。


そこに ひとつの意志 が芽吹いた。


創造神ガイア。


ガイアは、秩序の種子 を蒔き、

混沌を切り分け、形ある世界を築いた。


そして彼女の最後の行いとして、

自らの体を大地とし、“命の樹” を立ち上げた。


その樹こそが——

世界樹ユグドラシル」 である。


世界樹は天を突き、根を深く地に張り、

天界・地上・冥界をつなぐ 命の架け橋 となった。


そこから 大陸が生まれ、空が広がり、

やがて世界には 生きとし生ける者たち が誕生した。


しかし——

世界の底に封じられた、もう一つの神がいた。


それが 「母なる神カオス」 である。


彼女は無限の空間と時間を統合し、

世界を一つに留めようとしたが、

そのあまりの混沌ゆえに 生命が芽吹くことはなかった。


ガイアはカオスを打ち倒し、

その影を 世界樹の地下深く に封じ込めた。


だが、カオスは死なず、

その影はやがて世界の底から 穢れ(黒死病) となって滲み出した。


世界樹は“命”を、カオスは“穢れ”を司る。


このふたつの力が絡み合いながら、

この世界は回り続けている。




《帝国の夜明け ー ラントの誕生》


時は流れ、世界の覇者として ラント帝国 が生まれた。


世界樹の加護を受けし王たちは、

天の力を操る 「聖王家」 を名乗り、

大陸の中央に壮麗なる都「エルドラシア」 を築いた。


ラント帝国の誕生は、

まさに 「神の祝福を受けし王国」 そのものであった。


しかし——

この時すでに 穢れ(黒死病) は広がり始めていた。


世界樹の根を伝い、

少しずつ 大地を蝕んでいたのだ。


これを 「世界の試練」 と捉えたラント帝国は、

世界樹を守護し、その加護を強めることで

黒死病を抑え込もうとした。


それが 「聖樹信仰」 の始まりである。


この時代、魔法は神から授かる奇跡 として扱われ、

治癒と祝福の力が重視されていた。


だが——

時代が進むにつれ、新たな勢力が台頭し始める。




《魔導革命 ー ヴァルキアの挑戦》


数百年の時を経て、

大陸の西方に 「ヴァルキア王国」 が誕生する。


ラント帝国が 伝統と神の力 を重んじるのに対し、

ヴァルキアは 技術と魔法の融合 を目指した。


その中で生まれたのが 「魔導革命」 である。


ヴァルキアの学者たちは、

魔法を 神の祝福ではなく「科学的なエネルギー」 と捉え、

独自の錬金術や魔導器を開発した。


そして、世界樹の力を 理論的に解明 し、

それを 「エネルギー源」 として活用する方法を見出した。


これは ラント帝国の信仰体系を根本から覆す発見 だった。


こうして、両国の間に深い溝が生まれる。


「神の祝福」として世界樹を守るラント。

「科学の力」として世界樹を利用するヴァルキア。


避けられぬ衝突の火種が、ここに生まれた。


⚔️ 《世界樹戦争 ー 失われた加護》


100年前——

ついに 「世界樹戦争」 が勃発する。


ヴァルキア帝国は 魔導兵器と錬金術を駆使し、

ラント帝国の神聖騎士団を圧倒。


戦火は 世界樹の根元 にまで及び、

かつて栄光を誇ったラント帝国は敗北を喫した。


この時、ヴァルキアは

世界樹の 一部の根を支配下に置いた。


これにより ラント帝国は「世界樹の加護」を失い、国力が衰退。

代わりに ヴァルキアは急成長を遂げ、

新たな軍事大国へと変貌を遂げた。


その後、ヴァルキアは

さらなる力を求め、黒死病の研究を開始。


やがて 「魔道兵士」 という

新たな戦争の兵器 を生み出そうとしている——。




《カルマーン皇国 ー 中立の盟約》


そんな中、東方の 砂漠大陸ゼルファリア では

カルマーン皇国 が台頭する。


彼らは 騎馬民族と交易商人たちの連合国家 であり、

「戦争ではなく商業と文化で世界を動かす」 という理念を持つ。


カルマーン皇国は ラントとヴァルキアの争いに中立を貫き、

どちらにも属さない立場を維持してきた。


しかし ヴァルキアの拡大政策は、

カルマーンにとって脅威となりつつある。


今、この世界は

再び 戦火に包まれようとしている。


ラント帝国は失われた栄光を取り戻すべく、

ヴァルキア帝国はさらなる進化を求め、

カルマーン皇国は戦火に巻き込まれまいと静観している。


そして——

オリカは、この争いの渦中に巻き込まれていく。


世界樹の加護は誰のものなのか。

黒死病とは何なのか。

命とは何か。


答えはまだ、誰にも分からない——。

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