269/309

曜日の成立と構造について

アルカディア世界における「365日」と「曜日」の成立と歴史を、地球と異なる惑星環境を前提に、科学的・神話的・文化的に説明する。

⸻

■ 365日の成立理由（天体運行による周期の定着）

科学的前提：

オリカが転生した星、惑星「アルカディア」は、主星「セリオス」を約365日（アルカディア日）かけて一周する軌道上にある。これは地球と似た公転周期を持つが、惑星の自転軸はやや傾いており、季節の変化が明瞭。

天文学的起点：

　・世界樹の誕生とともに観測された「太陽の巡回」は、365回の夜明けで再び同じ天頂位置に戻る。

　・これが自然暦としての「1年＝365日」の根拠とされた。

　・聖樹年（閏年）は、惑星の微妙な軌道ズレ（0.25日/年）を調整するために4年に1度の調整が行われる。

⸻

■ 曜日の成立と構造（天体信仰と文化体系からの派生）

文化的・神話的背景：

曜日は「七柱星霊（セプト・セリオン）」という7つの星に宿る神々に由来する信仰から発展。

これらは主に以下の要素に対応している：

【曜日名（セフィロ語)／星霊名（神名）／属性／象徴する天体／文化的機能／色・記号】

□ ルメディス曜／ルーメナ／光／主星セリオス（太陽）／医療・安息／金・太陽紋

・神格と役割／民間信仰・象徴…太陽・命・創造の神／光の祭典・婚儀・芸能

□ ヴェルナ曜／ヴェルナス／水／青星リヴィア／学問・審判／青・書板

・神格と役割／民間信仰・象徴…学術・魔術・叡智の神／学び舎の祭・ギルド評議

□ テルカ曜／テルシオン／土／緑星サルダ／農耕・労働／黄・羽印

・神格と役割／民間信仰・象徴…統治・契約・法の神／役所・裁判・同盟締結日

□ フレア曜／フレア／火／赤星インフェルス／鍛冶・軍事／赤・剣印

・神格と役割／民間信仰・象徴…武勇・正義・誓いの神／戦士の祈祷・剣の儀式

□ セルノ曜／ファルナス／風／白星ノーリス／商業・通信／緑・花輪

・神格と役割／民間信仰・象徴…商業・交易・風の神／旅人と商人の守護日

□ ネクシア曜／ネクシア／闇／黒星クレイダ／静寂・祈祷／灰・天秤印

・神格と役割／民間信仰・象徴…美・夢・愛の女神／恋愛祈願・舞踏劇・占星術

□ アルド曜／アルダラン／精神／紫星アルデナ／祝祭と再生／銀・月環

・神格と役割／民間信仰・象徴…冥界・再生・祖霊の女神／鎮魂・再生・死者の祝祭

配列の原理：

地球の「プラネタリーアワー説」に類するように、星霊信仰に基づき、属性と天体の循環順に並べる形で7曜が設定された。各曜日は、その神格の影響が強まる日とされ、祭儀や活動方針にも影響を与える。

⸻

■ 惑星特有の要素

　・二重月（双月）を持つ惑星環境であり、これらの周期によって月齢や祝祭の周期が変動。

　・双月「カリス」と「オルミナ」は、それぞれ29日と32日周期で満ち欠けするため、月ごとの暦調整や特定の「月神曜」が不定期に追加される特殊な日も存在。

⸻

■ アルカディア暦に基づく暦システム

◇ 1週＝7日、1年＝52週＋1日（閏年は＋2日）

　・通常年：7日 × 52週＝ 364日＋「年央祭（ルーメン・ゼロ）」で365日

　・聖樹年：＋「天啓祭（セレスティア・ルーナ）」で366日

この「年央祭」は特定の曜日に属さない日とされ、祝祭として扱われる。

⸻

■ 七曜の名称と象徴日

【現曜日名／象徴神格／属性／文化的役割】

□ ルメディス曜／ルメディス／光／医療・癒し・休養日

□ ヴェルナ曜／ヴェルナ／水／学問・裁判・啓蒙の日

□ テルカ曜／テルカ／土／農耕・市場・収穫日

□ フレア曜／フレア／火／鍛冶・戦士・訓練日

□ セルノ曜／セルノ／風／貿易・交渉・旅立ちの日

□ ネクシア曜／ネクシア／闇／静寂・魔導・記憶の儀式

□ アルド曜／アルド／精神／王族・神殿の祝祭日

【旧曜日名（セフィロ語）／通称／守護星霊／象徴と属性／社会的役割・傾向】

□ ソリエル／太陽の日（Soliel）／ソリエ＝光輝の父／創造・光・繁栄・祝福／祝祭、婚礼、市場開催など公的行事が盛ん

□ ルナリス／水の日（Lunis）／ルナ＝静謐の女神／内省・夢・水・再生／瞑想、記憶の整理、占術の日

□ セルヴァス／火の日（Servas）／セルヴァ＝烈炎の王／情熱・鍛錬・火・変革／鍛冶職、軍事訓練、決断を下す日

□ マルクス／剣の日（Marcus）／マルク＝戦の神／勇気・行動・鉄・剛毅／傭兵、騎士団の出陣日、試練の開始

□ フロルス／花の日（Florus）／フロラ＝豊穣の女神／愛・自然・土・癒やし／農業関連、治癒師、音楽芸術に適した日

□ ヴァルネス／風の日（Valnes）／ヴァル＝風の精霊／知識・旅・風・解放／学者・使節・商人の旅立ちや講義が多い

□ ノクテリア／星の日（Nocteria）／ノクテ＝宵闇の賢者／魔術・静寂・夜・運命／魔術師の研究・儀式、死者の弔いに用いられる

⸻

■ 宗教行事・祝祭カレンダー（抜粋）

◉ 月／行事名／内容・由来

1月／新光祭（ルミナ・グラシア）／新年を迎える大祝祭。ルメディス神殿が主催。

3月／芽吹の契り（エント・ヴェール）／春の到来と世界樹の芽吹きを祝う農耕儀式。

6月／太陽神の聖誕祭／ソリス月中旬、ルメディスに捧げる大規模な祭事。

8月／赤月の狩猟祭／フレア曜と満月が重なる日に開催。狩猟と戦士の魂を祝福。

10月／大収穫祭（フォルティア・フェリア）／テルカ神への感謝と来季の豊穣祈願。市場も活性化。

12月／星降りの夜（ノクティス・セレス）／ネクシア神とアルド神に捧げる冥想と記憶の夜。予言者が啓示を受ける。

⸻

■ アルカディア暦：曜日と庶民文化の関係】

◇ 基本的な週間リズム

・テルカ曜（第3日）：農耕・商業における「働き日」の中心。市場が最も活発。

・ネクシア曜（第6日）：多くの職業で労働を控える「静養日」。魔導師や賢者は瞑想日とする。

・アルド曜（第7日）：神殿参拝・家族行事・祝祭の中心。公的には休養日扱い。

◇ 「聖ルメディス曜」現象

・アルカディアの都市部では、アルド曜の夜に飲酒や宴会が盛んに行われる。

・翌日のルメディス曜には、知識職や書記官などが「神託瞑想」や「自己啓発」を口実に欠勤・遅刻することが多く、「聖ルメディス曜」と揶揄される。

・特にギルド職人や下級官吏の間で黙認されており、都市の庶民層では半ば文化として根付いている。

◇ 地域差と職業的柔軟性

【地域／曜日の扱い／備考】

◼︎ロストン都市部／アルド曜：祭日、ルメディス曜：遅勤可／ギルドの「明文化された慣習」あり

◼︎農村部／テルカ曜が最重視され、曜日ずれも許容／農業暦が優先される

◼︎魔導都市／ネクシア曜は完全な瞑想日／一般職も休業に近い状態

このように、アルカディア世界では「曜日」が単なる時間区分だけでなく、宗教的・文化的意味を持った生活習慣として機能しており、現実世界の中世〜近世ヨーロッパに似た柔軟な労働観や祭日の重要性が見られます。

◇ アルカディア七曜と庶民・職人の生活サイクル

【曜日（セフィロ語）／通称・俗称／庶民の日常／ギルド職人の動き／備考】

◼︎ルメディス曜（第1日）／ “聖ルメディス曜” ／前夜の宴会明けで静かな朝。露店は昼頃から営業。／一部遅刻や休業。職人は「設計や図面起こし」に集中。／正式な休日ではないが「黙認休養日」。

◼︎ヴェルナ曜（第2日）／会合の日／町議会や村の集会が多く開かれる。異界伝承の語り部も出没。／ギルド会合日。価格調整や発注管理などの管理業務。／学者・役人の活動日ともされる。

◼︎テルカ曜（第3日）／交易日／活力の日／市場が最も賑わい、家族で買い物へ。旅商人も多く到来。／フル稼働。鍛冶や織物なども最大生産日。／仕事・取引のピーク。税吏も巡回する。

◼︎フレア曜（第4日）／技術の日／手仕事や掃除、保存食づくりなど内政的作業に適した日。／職人たちは弟子への教育日とし、細工作業や鍛錬を行う。／「職人魂」の象徴日とされる。

◼︎セルノ曜（第5日）／開放の日／市場での小さな祝祭、旅芸人やパフォーマーが活躍。／工房によっては開放日として見学を許可。新規受注も。／子供向けの職人見学や演劇が多い。

◼︎ネクシア曜（第6日）／精霊の休息日／労働を控え、家で読書や静かな談話。音楽演奏なども好まれる。／工房休業。職人は「精霊の加護を祈る」瞑想を行う。／魔導師の研究日。

◼︎アルド曜（第7日）／祝祭日・家族の日／神殿への参拝、家庭での料理や祝宴。子供は遊び、老人は講話会へ。／工房は休業。職人も神殿に参拝し、見習いに道具の手入れを任せる。／宗教的・精神的な休息日。地域ごとの「市祭」も多い。

◇ 文化的・経済的意義

・三曜制の交互性：ルメディス曜（宗教・祝祭）→テルカ曜（経済・商業）→ネクシア曜（休息・精神）の三位一体サイクル。

・職人ギルドの柔軟性：曜日に応じて、「製作・教育・管理・休息」のバランスを組織的に保っている。

・庶民の生活の豊かさ：単に働くだけでなく、「歌う日」「学ぶ日」「祈る日」などが存在し、文化と日常が融合している。

◇ 曜日ごとの祝祭と地域ごとのバリエーション

【曜日／共通の意味／地域差のある祝祭・行事例】

◼︎ルメディス曜（聖月曜）／静養・内省／

・ヴァルキア帝国：「戦士の休息」：前夜の武勇祭の余韻を癒す日。

・カルマーン皇国：「香の月宴」：香を焚きながら神話を語る文化が根強い。

◼︎ヴェルナ曜（会合日）／議会・集会・法整備／

・ヴァルキア帝国：「戦議の庭」：領主や軍団長が公開会談を行う。

・ゼフィール諸島：「風の話合い」：船団や商会による航海協定の更新日。

・ラント帝国：「森の協議」：村長や長老が神域に集まり、地域議決を行う。

◼︎テルカ曜（交易日）／商業・収穫・市場／

・エルドラシア大陸各地：「五色市」：工芸品や香料の大市が開催。

・カルマーン皇国：「サンドバザール」：移動式の砂市が開催される。

・ヴァルキア帝国：「武具市」：戦用品の取引が盛ん。

◼︎フレア曜（技術日）／学びと鍛錬の日／

・ラント帝国：「職人演武」：各ギルドが技術演示を行い、弟子の披露会も兼ねる。

・フェルゼン公国：「工房開帳」：一般市民が工房見学に訪れる日。

・カルマーン皇国：「写砂の日」：砂に描く書の芸術競技が行われる。

◼︎セルノ曜（開放日）／娯楽と芸術の日／

・ラント帝国：「風歌の市」：楽器や詩の即興競技が市で行われる。

・カルマーン皇国：「仮面踊り」：仮面をつけて精霊の役を演じる舞踏会。

・ヴァルキア帝国：「焔の劇」：火を用いた武勇劇や操り人形の劇が人気。

◼︎ネクシア曜（休息・精神の癒し）／精霊との対話、瞑想／

・フェルゼン公国：「氷晶黙想」：氷結洞での黙想修行が行われる。

・カルマーン皇国：「月影の誓い」：月明かりの下で誓約を交わす行事。

・ゼフィール諸島：「珊瑚の黙礼」：珊瑚礁での静かな祈りが捧げられる。

◼︎アルド曜（祝祭日）／精霊・祖先への祈りの日／

・ラント帝国：「黎明の祈祷」：祖霊に捧げる儀式で、家族が集まり祭壇を飾る。

・フェルゼン公国：「霜灯の儀」：氷灯を灯して精霊を迎える。

・ゼフィール諸島：「海の母祭」：海の精霊に贈り物を流す習慣。

◇ 年中行事 × 曜日マトリクス（代表的な祝祭の曜日変動）

【行事／曜日】

①ルメディス曜

・春祭（3月末〜4月初旬）…静かな花見と精霊への祈り。

・夏至祭（6月末〜7月初旬）…夜に星空の静養式。聖火を囲む瞑想。

・秋収穫祭（9月末〜10月）…穀物神への感謝祈祷が行われる。

・冬至（12月末〜1月初旬）…精霊へ「眠りの祈り」。家族静養が主。

②ヴェルナ曜

・春祭（3月末〜4月初旬）…地方評議会で春の植樹方針を決定。

・夏至祭（6月末〜7月初旬）…各国で戦時儀礼や軍議が行われやすい。

・秋収穫祭（9月末〜10月）…村議で翌年の耕作計画が議決される。

・冬至（12月末〜1月初旬）…新年の法律更新と契約の締結日とされる。

③テルカ曜

・春祭（3月末〜4月初旬）…春市の開幕と同時開催。物資交易活性。

・夏至祭（6月末〜7月初旬）…市場で太陽の加護を受けた護符や香草が売られる。

・秋収穫祭（9月末〜10月）…「収穫市」大規模開催。食品・酒の交換会。

・冬至（12月末〜1月初旬）…香油や保存食を売る市が特設される。

④フレア曜

・春祭（3月末〜4月初旬）…芸術祭と学術発表会が連動。

・夏至祭（6月末〜7月初旬）…鍛冶の祝祭「太陽の炉」が開かれる。

・秋収穫祭（9月末〜10月）…収穫技術の展示と農機具の競技。

・冬至（12月末〜1月初旬）…魔導士ギルドの儀式発表や論争が開催。

⑤セルノ曜

・春祭（3月末〜4月初旬）…大道芸と詩歌合戦で都市が賑わう。

・夏至祭（6月末〜7月初旬）…火祭りや仮面舞踏会が最大規模に。

・秋収穫祭（9月末〜10月）…収穫感謝の舞踏劇やワイン祭。

・冬至（12月末〜1月初旬）…仮装舞踏と光の劇が市民に人気。

⑥ネクシア曜

・春祭（3月末〜4月初旬）…花精霊との瞑想儀式。

・夏至祭（6月末〜7月初旬）…星読みと夢解釈の夜会。

・秋収穫祭（9月末〜10月）…秋の瞑想会と「眠りの果実」儀式。

・冬至（12月末〜1月初旬）…精霊との夢占いと「眠りの宴」。

⑦アルド曜

・春祭（3月末〜4月初旬）…祖霊への感謝儀式が強調。家系団欒の日。

・夏至祭（6月末〜7月初旬）…火の精霊への供物と舞踏。

・秋収穫祭（9月末〜10月）…祖先へ収穫の一部を捧げる風習が強い。

・冬至（12月末〜1月初旬）…冬灯祭として、霊魂の回帰を祝う神聖日。