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ランド・ステーションについて



陸上駅ランド・ステーション、及び陸翔網ランド・ネットワーク


〈スレイヴォルグを活用した大陸全域の交通ネットワーク〉



【概要】


エルドラシア大陸では、古くから交易や軍事輸送の手段として「陸翔獣りくしょうじゅう」が活用されてきた。

特に、馬を凌駕する走行能力を持つスレイヴォルグは、長距離移動に最適な生物として広く利用され、各国の交通インフラの発展を支えている。


こうした背景のもと、各国は主要都市や交易路に「ランド・ステーション(陸上駅)」を整備し、スレイヴォルグを活用した交通網「ランド・ネットワーク(陸翔網)」を築き上げた。


このネットワークにより、大陸の東西南北を繋ぐ陸上交通が確立され、旅人、商人、貴族、軍隊など、多くの人々が利用する公共インフラとなった。




【ランド・ステーションの構造と役割】


各国の主要都市や重要拠点には、スレイヴォルグの乗り換え・補給・休憩を行うための「ランド・ステーション」が設けられている。


1. ランド・ステーションの構造


・駅舎:旅人が休息を取る宿泊施設や食堂、荷物の保管庫を備える。

厩舎きゅうしゃ:スレイヴォルグを休ませるための広大な厩舎が併設される。

・補給所:騎獣の飼料や水、魔導薬を提供する補給エリアがある。

・発着場:スレイヴォルグを乗り換えたり、隊列を整えたりする広場が設けられる。

魔導標マギ・マーカー:魔力で強化した標識があり、夜間や悪天候でも視認可能。



2. ランド・ステーションの機能


□ 乗り換え拠点:

 ・長距離移動ではスレイヴォルグを途中で乗り換え、休ませる必要がある。

 ・各駅には新たな騎獣が用意されており、利用者は乗り換えながら目的地を目指す。


□ 交易の中継点:

 ・商人はランド・ステーションで荷物の積み替えや新たな商談を行う。

 ・一部の駅にはいちが開かれ、特産品の取引が行われることもある。


□ 軍事的要衝:

 ・戦時には兵士や物資の輸送拠点となる。

 ・一部の駅には駐屯部隊が配置され、防衛拠点としての役割も果たす。




【ランド・ネットワーク – 大陸を結ぶ交通網】


エルドラシア大陸の主要都市や拠点を繋ぐランド・ネットワークは、以下のような路線で構成されている。



■ 主要路線


1. 《白金のプラチナ・ロード

 ・首都圏~王国間を繋ぐ最も利用者の多い幹線路

 ・高速移動に適した整備された道が特徴

 ・一流の陸翔騎士団が警備を行う


2. 《竜喰い街道ドラゴンイーター・ルート

 ・大陸中央部の荒野を貫く交易路

 ・危険地帯を通過するため、護衛騎士を雇う必要がある

 ・名の由来は、かつてこの道で凶暴な竜が討伐されたことによる


3. 《黎明のドーン・パス

 ・東方の都市群と中央大陸を結ぶ長距離路線

 ・経由地が多く、文化交流や巡礼者の往来が活発

 ・ランド・ステーションが多く点在し、旅人向けの宿場町が発展している


4. 《炎の回廊フレイム・コリドー

 ・南の火山地帯を通る過酷な路線

 ・火山性の地形や魔獣の影響を受けるため、魔導騎士団が護衛

 ・ここを踏破できるスレイヴォルグは特に高値で取引される


5. 《極北航路ノーザン・トレイル

 ・極寒の地を貫く唯一の陸翔路

 ・厳しい気候に適応したスレイヴォルグが必要

 ・ランド・ステーションでは暖房設備が強化され、特製の魔導飼料が提供される




【交通を支える職業と社会的影響】


ランド・ネットワークの発展に伴い、多くの職業が生まれ、社会に影響を与えている。



▼ 主要職業


陸翔騎士リクショウナイト

 ・ランド・ステーションを護衛し、駅間の治安を守る騎士たち。

 ・特に重要な路線では、王国直属の騎士団が編成される。


駅長ステーションマスター

 ・ランド・ステーションの運営を担い、騎獣の管理や利用者の案内を行う。

 ・交易商人との交渉も担当する重要な役職。


翔獣調教師ビーストマスター

 ・スレイヴォルグの訓練や健康管理を行う専門家。

 ・特に優秀な調教師は貴族の厩舎に雇われることもある。


陸翔旅商人リクショウトレーダー

 ・ランド・ステーションを拠点に交易を行う商人。

 ・各地の物資を運び、交易ルートの発展に貢献する。




【まとめ】


 ・「ランド・ステーション」は、スレイヴォルグを活用した交通網の拠点であり、交易・軍事・旅人の支援施設として機能する。

 ・大陸全域を繋ぐ「ランド・ネットワーク」は、幹線路と地方路を含む広大なネットワークを形成している。

 ・この交通網の発展により、経済の活性化や文化の交流が進み、多様な職業が生まれている。


このように、”ランド・ステーション“と”ランド・ネットワーク“はエルドラシア大陸の発展を支える重要なインフラとなっている。




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■ エルドラシア大陸の交通を支える生物たち


この世界では、単なる馬や牛に代わり、人々は特殊な生物「翔獣しょうじゅう」を利用している。

翔獣は用途ごとに陸・水・空の3つに大別され、さらに細かい亜種が存在する。


本稿では、それぞれの翔獣の特徴と、利用される施設・設備について詳しく解説する。




【Ⅰ. 陸翔獣りくしょうじゅう – 大地を駆ける生物たち】


陸翔獣は、広大な草原や砂漠、山岳地帯を移動するための獣類であり、最も普及している翔獣の分類である。

スレイヴォルグはその代表格だが、用途や地域に応じて異なる種が活用されている。



1. スレイヴォルグ(Slaveorg) – 高速長距離移動用


(詳細は既出のため省略)



2. バルグドーン(Bargdorn) – 重輸送用陸翔獣


 ・分類:大型四足獣

 ・学名:Ponderotaurus colossus

 ・体高:3.8~4.5m

 ・体重:3,500~5,000kg

 ・最高速度:時速35km(長距離巡航20km/h)

 ・主な用途:荷物の運搬、大型戦車の牽引、建築資材の輸送


▼ 特徴:

バルグドーンはスレイヴォルグとは対照的に、重量物の輸送に特化した巨体の陸翔獣である。

巨象のような分厚い皮膚と強靭な筋肉を持ち、1頭で数トンの荷を運ぶことができる。

主要な交易路の拠点「重駅じゅうえき」には、このバルグドーン専用の厩舎や給水設備が整備されている。



3. アンキロセルト(Ankyrocerlt) – 山岳・岩地適応型


 ・分類:四足有蹄獣

 ・学名:Scalacornis montanus

 ・体高:1.8~2.5m

 ・体重:600~900kg

 ・最高速度:時速50km(登攀時20km/h)

 ・主な用途:山岳地域の輸送、狩猟、軍用偵察


▼ 特徴:

アンキロセルトは岩場や急斜面を自在に駆ける能力を持つ陸翔獣であり、長く湾曲した鉤爪を用いて崖をよじ登ることができる。

標高の高い場所に設置された「山岳駅サンガクエキ」では、専用の餌や防寒具が提供される。



4. カルガルス(Kargars) – 砂漠適応型


 ・分類:長脚型四足獣

 ・学名:Dromalupus aridus

 ・体高:2.3~2.8m

 ・体重:400~600kg

 ・最高速度:時速80km(巡航50km/h)

 ・主な用途:砂漠交易、遊牧、騎兵戦


▼ 特徴:

カルガルスは長い脚と特殊な蹄を持ち、砂漠でも埋まることなく軽快に走行できる。

また、体内に特殊な水分貯蔵器官を持ち、極端な乾燥環境にも適応する。

砂漠地帯の「蜃気楼駅しんきろうえき」では、カルガルス専用の水分補給設備が備えられている。





【Ⅱ. 遊泳獣ゆうえいじゅう – 水上都市・河川交易を支える生物たち】


水の上や水中を移動するために利用される翔獣。

船に匹敵する速度と耐久性を持ち、水上都市や交易路で広く活用されている。



1. ルグナス(Lugnas) – 河川・沿岸航行用小型遊泳獣


 ・分類:水陸両生獣

 ・学名:Amphibiodon rapidus

 ・体長:3.5~5.2m

 ・体重:400~700kg

 ・最高速度:水中時速45km(陸上時速30km)

 ・主な用途:河川渡航、小型物資輸送、沿岸巡視、漁業補助


特徴:

ルグナスは、細長い体と強靭な四肢を持つ小型の遊泳獣であり、川や沿岸部の交易に活用される。

水中での機動力が高く、特に浅瀬や密集した水路でも自在に動けるため、都市部の水路での輸送手段としても重宝される

また、魚群を囲い込むように泳ぐことで、漁業の補助にも活用されている。

水上都市の「舟駅しゅうえき」には、ルグナス専用の小型船着き場や給餌設備が設置されている。



2. タルケオン(Tarquion) – 沿岸防衛・護衛用遊泳獣


 ・分類:大型水棲獣

 ・学名:Chelonosaurus fortis

 ・体長:7.5~10m

 ・体重:2,000~3,500kg

 ・最高速度:水中時速25km(巡航時15km)

 ・主な用途:沿岸警備、輸送船の護衛、水中探索


特徴:

タルケオンは、甲殻を持つ頑強な遊泳獣であり、主に水上都市の防衛や交易船の護衛に利用される。

その分厚い皮膚と甲羅は攻撃に耐えやすく、特に密輸や海賊行為が発生しやすい地域では、警備隊がタルケオンを配備している。

また、魔素に敏感な器官を持ち、水中での探索・捜索任務にも適している。

護衛舟駅ごえいしゅうえき」では、タルケオンの装備品(鎧・索具)を整備する施設も併設されている。



3. エルマレイン(Elmarein) – 深海探査・沈没船探索用遊泳獣


 ・分類:深海適応型水棲獣

 ・学名:Bathysirena abyssalis

 ・体長:6.8~9.2m

 ・体重:1,500~2,300kg

 ・最高速度:水中時速30km(巡航時15km)

 ・主な用途:深海探査、沈没船調査、海底資源探索


特徴:

エルマレインは、発光器官を持つ神秘的な遊泳獣であり、海底の探索に特化している。

水圧に耐える特殊な骨格と、長時間の潜水が可能な呼吸器官を持ち、海の底に眠る遺跡や沈没船の調査に利用される。

水上都市の「深海探査基地しんかいたんさきち」には、エルマレイン専用の潜水支援設備が整備されている。



4. フェンレドン(Fenredon) – 急流適応型遊泳獣


 ・分類:高速遊泳獣

 ・学名:Hydrotherium torrentis

 ・体長:4.2~5.6m

 ・体重:500~800kg

 ・最高速度:水中時速60km(短距離)

 ・主な用途:急流渡航、滝登り、小型物資輸送


特徴:

フェンレドンは、筋肉質な体と水かきを持つ高速遊泳獣であり、特に急流や滝が多い地域での移動に適している。

普通の船では航行が難しい場所でも、フェンレドンは勢いよく遡行できるため、滝の多い山岳地帯の村々では「生きた渡し舟」として利用されている。

また、山間部の「滝駅たきえき」では、フェンレドン専用の渡航ルートが整備されている。



遊泳獣は、船の代わりに完全に取って代わるのではなく、むしろ船の補助として活用される場面が多い。

河川や沿岸部、海底探索など用途に応じた種が選ばれ、専用の駅や施設が整備されることで、より効率的な運用が実現されている。


これにより、水上都市や交易ルートの発展が進み、エルドラシア大陸の水上交通網は**「船+遊泳獣」のハイブリッドシステム**として機能している。




【Ⅲ. 滑空獣かっくうじゅう – 空を翔るが、公的利用は困難】


滑空獣は飛行能力を持つが、完全な飛行ではなく、滑空や短距離飛行にとどまる。

制御が難しいため、公的な輸送には適さないが、一部の特殊部隊や冒険者が利用している。



1. シルフィグライド(Sylphiglide) – 滑空騎乗獣


 ・分類:翼竜型滑空獣

 ・学名:Aerovenator sylphis

 ・翼開長:6~8m

 ・体重:150~200kg

 ・最高滑空距離:約5~10km

 ・主な用途:軍事偵察、山岳救助、密輸(違法)


特徴:

シルフィグライドは高度な操縦技術を必要とする滑空獣であり、都市間の輸送には適さない。

そのため、「飛翔駅ひしょうえき」と呼ばれる設備は存在せず、個人所有の訓練施設で扱われる。




▼ 主な駅と用途


【分類/種類/主な用途/最高速度/施設・設備】

□ 陸翔獣 / スレイヴォルグ / 長距離移動、軍事 / 120km/h / 陸翔駅

□ 陸翔獣 / バルグドーン / 重輸送、建築 / 35km/h / 重駅

□ 陸翔獣 / アンキロセルト / 山岳輸送、偵察 / 50km/h / 山岳駅

□ 陸翔獣 / カルガルス / 砂漠交易、遊牧 / 80km/h / 蜃気楼駅

□ 遊泳獣 / タルケオン / 水運、船の補助 / 25km/h / 護衛舟駅

□ 滑空獣 / シルフィグライド / 軍事偵察、冒険 / 滑空10km / 訓練施設




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