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南の大陸——未開の地(パンデモニウム)



■ 南の大陸「未開の(パンデモニウム)



アルカディア世界の南端に広がる広大な大陸。それはまるで世界の果てに浮かぶ楽園のように見えるが、実際には「死と再生が交錯する地」とも呼ばれる、過酷かつ神秘に満ちた土地である。



【地理と気候】


パンデモニウムの地勢は多様であり、熱帯雨林、火山地帯、広大な砂漠、巨大な内海、そして遺跡群が点在している。特に 〈竜の墓所ドラゴン・ネクロポリス〉 と呼ばれる地域は、六龍の伝説が色濃く残る神聖な地とされている。


・ エル=ガディス火山帯

 ヴォルカニスの棲まうとされる巨大火山地帯。常に噴煙が上がり、大地が煮えたぎるような熱気に包まれている。火山岩の隙間からマグマが流れ出し、生命にとっては極めて過酷な環境であるが、その地には「竜の牙」と呼ばれる伝説の遺物が眠るとされる。


・ ルナ=セイレンの密林

 〈蒼水の龍〉アクア=ディアの加護を受けると言われる広大な熱帯雨林。神秘的な青い光を放つ湖が点在し、まるで時が止まったかのような静寂が漂う。


・ ザハ=ダハラ砂漠

 黄金の砂が果てしなく広がる不毛の地。この地には「神々の墳墓」とされる古代遺跡があり、〈疾風の龍〉テンペスタスの力が宿るとされる。


・ カリオンの大穴グレート・ホール

 地下世界への入り口とも言われる巨大な陥没地帯。ここには〈地獄の龍〉ノクターヴィスの影が残り、闇に飲まれた都市が存在するとされる。




【六龍の神話】


アルカディア創生の神話において、六龍は世界の根源たる存在とされている。それぞれが異なる力を司り、アルカディアの均衡を保つ役割を果たしているが、人間の歴史が始まる遥か以前に姿を消したと伝えられる。



1. 炎の龍


〈火炎の理を司る龍〉

・象徴する力:破壊と創造

・かつての棲息地:西方大陸エル=ガディス火山帯

・伝承:「炎の竜のの息吹は大地を焼き尽くし、新たな命を生む」


灼熱の炎、及び火の元素を操る龍であり、最も攻撃的な存在とされる。伝説では、その牙は炎を封じる力を持ち、鍛えれば決して折れることのない剣を生むとされている。



2. 水の龍


〈水と生命の循環を司る龍〉

・象徴する力:浄化と再生

・かつての棲息地:ルナ=セイレンの密林

・伝承:「水の龍の涙は死者を癒し、新たな命をもたらす」


水の龍は生命そのものと密接な関係を持つ存在であり、その加護を受けた者は傷を癒やされるという。しかし、その力に触れた者はやがて“水そのもの”に還るとも伝えられる。



3. 風の龍


〈風と運命の流れを司る龍〉

・象徴する力:自由と変化

・かつての棲息地:ザハ=ダハラ砂漠

・伝承:「風の龍の羽ばたきは運命を変え、世界に新たな道を開く」


風の龍は、変化と可能性の象徴とされる。目に見えぬ速さで移動し、姿を捉えることは不可能だという。その鱗はどんな力をも跳ね返す盾となるとされる。



4. 大地の龍


〈大地と安寧の理を司る龍〉

・象徴する力:安定と不動

・かつての棲息地:アルカディア中央大陸の聖域

・伝承:「大地の龍の鼓動は世界を支え、生命の根源を守る」


大地の龍は最も穏やかでありながら、最も強固な存在とされる。その心臓は決して壊れることのない礎であり、彼の加護を受けた地は不滅の繁栄を遂げるという。



5. 雷(光)の龍


〈雷と真理の光を司る龍〉

・象徴する力:知恵と啓示

・かつての棲息地:天空に浮かぶ幻の島(現在、確認されていない)

・伝承:「雷の龍の輝きはすべてを見通し、世界に導きをもたらす」


雷の龍は、全知全能の象徴とされる。彼の言葉を聞いた者は絶対の真理を知るが、同時に“選択の自由”を失うとも言われている。



6. 闇の龍


〈闇と終焉の理を司る龍〉

・象徴する力:死と忘却

・かつての棲息地:カリオンの大穴

・伝承:「闇の龍の影に触れたものは、過去も未来も失う」


闇の龍は、人々に畏れられる存在でありながら、アルカディアの輪廻を司る重要な存在とされる。その牙はすべての記憶を喰らい、“何者でもないもの”へと変える力を持つ。



【六龍と人間の関わり】


六龍は、創生の時代には人間に恩恵を与え、時には試練を与えながら共にあった。しかし、人間が文明を発展させるにつれ、六龍の力を恐れ、あるいは利用しようとしたため、彼らは次第に姿を消したとされる。


しかし、六龍の牙や鱗、心臓といった遺物は今も世界のどこかに存在し、それらを巡る戦いや冒険が繰り広げられている。


キャンディス・テスタロッサが拾った「龍鋼」は、まさにその六龍が存在した時代の遺物の一つであった。



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〈六龍の誕生とその神話〉



——「いのちは、混沌の闇より目覚め、秩序の夢を見る」——



序章:混沌の時代と世界樹の目覚め


はるか昔——それは、世界に時間も空間も存在しなかった頃のこと。


あらゆる存在は 「カオス」 の名のもとに混ざり合い、無限の可能性と破滅が渦巻く虚無の中で揺蕩っていた。そこには始まりも終わりもなく、光と闇、創造と破壊すらも区別されることのない 「原初の闇」 があったという。


やがて、その混沌の中にひとつの意思が生まれた。それは 「秩序を求める祈り」 であり、時を流れさせ、空を形作り、大地を抱かせる力を持っていた。


そして、その祈りこそが 「世界樹ユグドラシル」 の誕生だった。


世界樹は 根を混沌の深淵へと伸ばし、そこに封じるべきカオスの残滓を吸い上げ、幹を貫く脈動によって世界に「法則」をもたらした。

こうして、時間は流れ、大地は広がり、空が生まれ、星は光を宿した。


しかし、世界樹は知っていた。

「カオスは決して滅びるものではない」 ことを。


混沌はただ静まっただけであり、その力はいつか再び世界を飲み込もうとするだろう。

そのとき、この世界はふたたび 「無の海」 へと還る。


それを防ぐために、世界樹は 自身の生命を分け与え、「守護者」たる六柱の龍を生み出した」 とされる。



【六龍の誕生と役割】



1. 黒炎の龍ヴォルカニス(Volcanis)——〈火と破壊の理〉


「炎はただ焦がすにあらず。新たな命の礎を築くために、滅ぶべきものを滅ぼすのだ」


ヴォルカニスは 「始まりの炎」 そのものであった。

大地に火を灯し、荒れ狂う混沌の残滓を燃やし尽くすことで、世界に 「終焉と再生」 の概念をもたらした。

彼の息吹が触れたものは焼き尽くされるが、その灰の中から新たな命が芽吹く。

そのため、彼は破壊神ではなく、「創造のための滅びを司る神聖なる炎」として崇められた。



2. 蒼水の龍アクア=ディア(Aqua Dia)——〈水と生命の理〉


「水は記憶をたどり、過去を繋ぎ、未来を紡ぐ。

それは命の流転——すべての生命は、巡りの一滴である」


アクア=ディアは、「大いなる流れ」 の化身であった。

水は静かにすべてを包み込み、生命を育む。しかし、その流れが乱れたとき、大洪水となって世界を洗い清める。

彼は 「記憶」 を司り、すべての命が水の中に還ることを知っていた。

その涙は穢れを浄化し、癒しをもたらすが、それに触れすぎた者は「時の流れ」すら超えてしまうと伝えられる。



3. 疾風の龍テンペスタス(Tempestas)——〈風と運命の理〉


「運命とは、定められたものではない。それは吹き抜ける風のように、無限の可能性の中にある」


テンペスタスは、世界樹の葉に吹き抜ける最初の風だった。

彼は 「変化と選択」 を司り、未来を未知なるものへと導く役割を担った。

風が吹くたびに、運命は揺らぎ、新たな道が生まれる——

彼のささやきは英雄を導き、時には王を亡ぼし、時には神々を試す。


しかし、彼自身は何者にも囚われず、常に自由を求めて空を駆け続ける。

そのため、「真にテンペスタスの祝福を受けた者は、己の運命を自らの手で切り開く者である」とされる。



4. 翠晶の龍ガイア=ヴェルデ(Gaia Verde)——〈大地と安寧の理〉


「大地は全てを抱き、全てを還す。

世界は変わり続けるが、根は決して揺るがぬ」


ガイア=ヴェルデは、世界樹の根から生まれた龍であり、「大地の意志」 そのものであった。

彼はこの世界に「安定」と「調和」をもたらし、大地の支えとなった。

彼の鱗から滴る翠の光は 「不変」 を象徴し、世界に揺るぎない礎を築く力を持つ。

だが、その光を求める者があまりに多すぎたため、彼は眠りにつき、長き時を超えて目覚めることはない。



5. 白雷の龍ゼピュロス(Zephyros)——〈雷と理知の理〉


「知とは雷のごとし。

それは世界を照らし、同時に打ち砕く力を持つ」


ゼピュロスは 「知と啓示の化身」 であり、世界樹の枝先に閃く雷そのものであった。

彼は 「言葉」「学問」「理知」 を司り、文明を生み出す原初の火花を灯した。

しかし、知は時に恐るべき力を持つ——

その雷を振るう者は、世界を導く者となるか、あるいは破滅を招く者となるか。



6. 冥黒の龍ノクターヴィス(Noctavis)——〈死と闇の理〉


「夜の闇は死ではない。

それはすべての命が帰るべき場所——安らぎの静寂だ」


ノクターヴィスは、「死の安らぎ」 を司る龍であり、すべての終焉を見届ける存在だった。

彼の翼が影を落としたとき、魂は静かに眠りにつく。

しかし、死とは決して終わりではない——

彼の尾が描く円は、「輪廻」の象徴であり、死者は新たな命へと還る。


彼はただ、静かにそれを見届ける。

永遠の孤独を背負いながら——



終章:六龍の運命と封印


六龍は、世界樹の秩序を守るために生まれた。

しかし、世界が人の時代へと移るにつれ、彼らは神話の中へと消えていった。

今なお、その力は眠り続けている。




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〈六龍の封印と人間史の交錯〉



——「世界が秩序を求めるとき、龍は神となり、混沌が望まれるとき、龍は災いとなる」——




① 六龍と人間の時代——共存の幻想


世界樹の生命より生まれた六龍たちは、本来 「世界の均衡を守る調停者」 であった。

彼らは「破壊と創造」「秩序と混沌」「運命と自由」など、相反する理を司りながら、世界の法則を維持する存在だった。


しかし、やがて 人間 という新たな種族が誕生したことで、その均衡は揺らぎ始める。


人々は、六龍を 神々 と崇めた。

彼らの力を畏れ、また、その恩恵を求めて祈りを捧げた。


六龍の中でも、蒼水の龍アクア=ディア は人間に最も寛容であり、 「水はすべての命に与えられるべきもの」 との考えから、恵みを分け与えた。

また、翠葉の龍フロラリス は、人々に農耕の知恵を授け、大地の恵みを享受する術を伝えた。


こうして、世界樹の加護を受けた 「最初の人間王国」 が誕生した。

それは 「エゼル人」 と呼ばれる、世界樹の民によって築かれた神聖なる時代であった。


彼らは精霊と交わり、魔法を操り、六龍と共に世界の調和を保っていた。

世界は黄金の時代を迎えたかに見えた。




② 六龍の墜落——人間の欲望と神々の衝突


しかし、時が流れるにつれ、人々の心に 「さらなる力」 を求める欲望が芽生え始めた。


「なぜ、龍の力は限られた者しか扱えぬのか?」

「神々の祝福を受けた王族や神官だけが力を得るのは不公平ではないか?」

「我ら人間こそが、この世界の支配者ではないのか?」


こうした疑念が、人々の間に広がり始める。



1. 六龍に対抗する力の起源


六龍 は世界樹の加護を受け、その魔力によって世界を守護する存在であった。

しかし、人類の中には 「六龍の力を奪い、自らが神のごとき存在になろうとする者たち」 が現れ始めた。


古代の魔導士たちは、長年の研究の末に 「六龍の力の源」 を突き止めた。


「世界樹の魔力が六龍に供給されることで、彼らは神のごとき力を持つのだ」


この理論に基づき、人間たちは六龍の力を奪う方法を模索し始めた。



2. 世界樹の魔力を制御する「龍脈炉」の発明


古代の神官王たちは、 「世界樹の根の魔力を操ることで、六龍の力を制御できるのではないか」 と考えた。


そして、古代魔導士たちは 「龍脈炉ドラゴニア・レギウス」 と呼ばれる装置を作り上げた。


この装置は、世界樹の根から流れる魔力(龍脈)を吸収し、特定の対象へ供給することができる魔導装置 だった。

龍脈炉は当初、王族や神官たちの魔力を増幅する目的で作られたが、次第に「龍そのものを縛る」ための兵器へと変貌していった。



3. 龍脈炉による六龍の封印計画


龍脈炉が完成すると、一部の神官と魔導士たちは 「六龍を封じ、その魔力を吸い取ることで、人類が神と同等の力を得る」 という計画を立案した。


これが、後に 「龍の反乱」 と呼ばれる戦いへとつながる。


計画の要点:


 ・龍脈炉を六龍の眠る神殿の周囲に設置し、彼らの魔力を封じる。

 ・世界樹の根に干渉し、六龍への魔力供給を断つ。

 ・六龍を封印し、その魔力を王族・神官のものとする。


この計画が実行されれば、六龍の力を失わせ、神官王たちは「神」に等しい存在となるはずだった。



4. 六龍の怒りと天変地異


この陰謀を察知したのは、黒炎の龍ヴォルカニス だった。

彼は激怒し、「人間は神を裏切った!」 と叫び、世界に怒りの炎を放った。


六龍は、龍脈炉を破壊しようと反撃を開始した。

しかし、人間たちはすでに「龍を封じる術」を完成させていた。


 ・龍脈炉の封印術が発動し、六龍は徐々に力を失い始める。

 ・世界各地で天変地異が起こり、大地は裂け、炎が空を覆った。

 ・六龍の怒りは、世界を災厄へと変えた。


この戦いは 「神々の戦争」 として、後世に語り継がれることとなる。



5. 六龍の封印——南方の大陸へ


封印の戦いは長期化し、大地そのものが荒廃していった。

最終的に、人間たちは 「六龍を世界樹の加護が届かぬ地へ追放し、封印する」 という決断を下した。




③ 封印と神々の堕落——六龍が「神」から「封印された邪神」へと変わるまで


封印は、南の大陸 「パンデモニウム」 で行われた。

そこは世界樹の根から遠く離れた場所であり、六龍の力を最も弱めることができるとされた。


人間たちは、ヴァルキア神聖帝国の最強の魔導士たちを集め、

「封印の儀」 を執り行った。


六龍は、最後まで抵抗した。

しかし、世界樹の加護をも利用した強大な封印術の前に、次第に力を失い、

やがて 「眠り」 へと落ちていった。


こうして、六龍は封じられ、人間たちは 「神を超えた存在」 となった。

人々は 「龍はもはや神ではない。封印されるべき邪悪なる存在である」 と語り、

その歴史は 「六龍封印伝説」 へと変えられた。




④封印後の世界と六龍の目覚めの兆し


六龍が封印されてから数百年——


人々は、六龍の存在を 「神話」 へと変え、

彼らの名は、もはや恐れられることすらなくなっていった。


だが、封印の影響で、世界には異変が生じ始めた。

六龍が司っていた 「均衡」 は失われ、


・ 気候の異常変動(フロラリスの封印による大地の衰え)

・ 大洪水と干ばつの激化(アクア=ディアの封印による水の停滞)

・ 運命の狂いと未来予知の失敗(テンペスタスの封印による可能性の閉ざし)


など、世界各地で異変が起こり始める。


そして、何よりも恐ろしいことに——

封印が弱まりつつある今、六龍の目覚めが近づいている。


かつて人間に裏切られた彼らは、再び目を覚ましたとき、

この世界を 「調停する者」 として裁くのか、

それとも 「破壊の使者」 となるのか。


その答えを知る者は、まだ誰もいない。




——伝承としての六龍


現在の人々にとって、六龍の物語は 「遠い神話」 にすぎない。

彼らの名前すら、歴史書には記されていない国も多い。


しかし、一部の賢者や神官たちは、こう語る。


「南の大陸には、未だ眠る神々がいる」

「彼らが目覚めるとき、世界の運命は大きく変わるだろう」


それが 「救い」 なのか 「破滅」 なのか——


それは、これから生きる者たちの選択に委ねられている。




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■ 竜神族と竜族の違い、および巨大竜アグニの設定



1. 竜族と竜神族の違い


アルカディア世界において、「竜族」と「竜神族」は明確に異なる存在である。両者は深い歴史の中で関わり合いを持っていたが、現在では別々の道を歩んでいる。


▼ 竜族(Dragonkind / ドラゴニュート)


◯ 特徴:

 ・竜の血を引く半竜の種族。身体的特徴としては、**角・爪・鱗・竜の瞳・翼(稀に発現)**を持つ。

 ・肉体的には人間に近く、二足歩行の知的生命体として社会を形成している。

 ・かつては「竜の末裔」として世界に影響を与えていたが、長い歴史の中で衰退。

 ・人間社会からは異端視され、辺境の地や自然林、砂漠地帯に隠れ住む。

 ・竜そのものではなく、竜の力を受け継ぐ「亜種」として生きる。


◯ 能力・特性:

 ・魔力に対する耐性が高く、炎や氷など特定の属性に強い個体もいる。

 ・魔導技術を扱う者もおり、「竜術ドラゴニック・アーツ」と呼ばれる固有の魔法体系を持つ。

 ・長命ではあるが、純血の竜ほどではない(寿命は200年〜300年ほど)。


◯歴史・背景:

 ・竜族は、太古に竜神族と人間の血が交じり生まれた存在。

 ・竜神族の庇護のもとに生きていたが、人間側の侵攻や迫害により衰退。

 ・現在は隠れ里を作り、ひっそりと生きる者が多い。



▼ 竜神族(Dragon Deity / 竜の神々)


◯ 特徴:

 ・神話時代から存在する真なる竜の種族。

 ・竜そのものとしての姿を持ち、極めて強大な魔力と力を誇る。

 ・人間の姿をとることも可能だが、圧倒的な存在感を放つ。

 ・現在はほとんどが「六龍ヘキサドラゴン」として神格化されている。


◯ 能力・特性:

 ・時間や空間を超越する存在とされ、一部の竜神族は「神話級」の魔術を操る。

 ・「祝福ドラゴン・ブレス」と呼ばれる加護を与えることができる。

 ・その寿命は計り知れず、数千年、数万年単位で存続する。


◯ 歴史・背景:

 ・かつて、アルカディア世界の神々と共に創世期に関与した存在とされる。

 ・竜神族の中には、人間と共に歩もうとする者もいたが、大半は世界の理の中で神聖化され、姿を消していった。

 ・その血を受け継ぐ者がわずかに存在し、特定の地に伝説として語り継がれている。




▼ 巨大竜アグニ(Agni)


〈原初の火を宿す超古代竜〉



【基本情報】


分類:古代竜(Primeval Dragon)

生息地:南の大陸「未開のパンデモニウム」の火山地帯

象徴する力:原始の炎、適応、持続する生命

別名:「灼熱の遺産」「滅びを見届ける竜」

体長:30~50メートル級(推定)




【概要】


アグニは、六龍が生まれた時代とほぼ同時期に生まれた存在であり、古代世界において栄えた巨大な竜種の生き残りである。


かつて、世界樹の加護が行き渡る以前の時代、この星には多くの巨大竜が生息していた。彼らは神でも守護者でもなく、ただ生物として存在していたが、その規模と力は人間の想像を超えるものであった。


しかし、六龍が世界の均衡を司るようになり、やがて魔力を得た人間が文明を築くと、こうした「原始の竜」たちは時代の波に飲まれ、滅びていった」。


南の大陸「未開のパンデモニウム」は、六龍の封印によって古代時代より閉ざされた大地となっており、その関係で古代からの生物が今も生き残る土地となっている。


アグニもその一角を担う存在であり、彼は特に火山地帯に適応した種である。


その生物的な特性から、溶岩の海に潜むことさえ可能だとされている。




【外見と特徴】


◯ 岩石のような黒赤の鱗:

厚い鱗に覆われており、マグマの中を泳ぐことも可能。長年の火山活動に適応し、その体表は半ば鉱物化している。


◯ 燃え盛る尾と角:

頭部から生える二本の角は、常に赤熱し、魔力の炎をまとっている。尾は溶岩のように燃え続けており、振るうだけで周囲を灼熱の渦に変える。


◯ 生存力と適応能力:

他の種が滅びても生き延びた理由は、彼の適応能力の高さにある。環境に応じて肉体を強化・変化させることができ、極限の環境でも生存が可能。




【能力】


《原初のプライマル・フレア

アグニの吐く炎は、魔法による火ではなく、この星が誕生した時から存在する原始の炎。それは六龍の力とは異なり、ただ「燃える」ことを目的とする純粋な熱量であり、魔法障壁や防御術を無効化する。


《火を喰らう者》

火炎を吸収し、エネルギーとして蓄える。火山噴火すらアグニにとっては活力源であり、傷ついても周囲の炎を吸収することで回復する。


《適応と進化》

アグニは、環境の変化に応じて自身の肉体を変化させる能力を持つ。長い時をかけて岩のような鱗を持つに至ったのも、その適応の結果である。




【神話・伝承】


アグニは神ではなく、世界の理に関与する存在でもない。そのため、人間の歴史においてはほとんど語られることはない。しかし、古代の伝承の中には、彼の存在を示唆する記述がわずかに残されている。


「かつて、炎より生まれし王あり。王は変わらぬまま世界の果てに座し、時の流れを見つめ続ける」


六龍の封印後、南の大陸は「原生の地」として放棄された。しかし、アグニはそこに留まり続け、滅びゆく世界を見守るかのように生き続けている。


彼は知性を持つが、決して人間とは交わらない。六龍が封じられた後の時代において、アグニは「ただ燃え、ただ生きる」存在として、この世界の片隅で自由な空を駆けている。




【南の大陸における位置づけ】


アグニは南の大陸に今も生息する多くの古代竜の一種にすぎない。彼と同じような存在は他にも数多くおり、例えば以下のような竜種が確認されている。


・水竜ヴァスラ(氷河地帯の超古代竜)

・雷竜ザイオス(嵐の渓谷に生息する竜)

・地竜ガルムス(大地の奥深くに潜む竜)


アグニは、その中でも火山地帯に適応した個体であり、灼熱の環境を支配する竜として知られる。





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