閑話
汚い表現があるので注意してください。
読まなくてもストーリーに特に関係はありません。
森を彷徨って、鹿みたいな生き物や蛇を発見してちょっかいを出して遊んでいたりしたら、案外あっさり三階層への階段は見つかった。
出口は探しても見つけられなかったのにね。
降りるのは順調だよ。帰れるのか僕?
とりあえず三階層に降りる前にうんちとおしっこをしよう。
万が一三階層が大理石の床とか綺麗な感じだったらなんか嫌だ。森で土に還したい。
そんな訳で階段から少し離れた位置に移動して服を脱ぐ。
僕は全裸派だから、普通に。
シャーッ
「……ぼくぁなんてちっぽけで汚い生き物なんだ」
大自然の中、全裸で排泄をすると微妙にセンチメンタルな気持ちになるね。みんなそうなのかな?
うぅ……こんな姿は誰にも見せられない。
ピーンッ!気配を感じる!
バッと顔を気配の方向へ向けると、遠くの木陰からひっそりと此方を伺う鹿の姿があった。
さっき僕が石を投げて脅かした鹿だ……。
うおーーーっ!そんな穢れを知らないクリクリした瞳で、こんな汚い僕を見るな!
ブリブリ
──そうか、君なりの……復讐か……。これが僕への罰なのか……
僕は鹿の視線に晒されながら、羞恥に耐え忍び、無事排泄を終えた。
ちなみにその間、視線はお互い目と目が合っていた。
恥ずかしいけど、逸らしたら負けだと思ってる。
さ〜お尻拭こっか〜。
「紙が無えわな」
そらそうだ。
葉っぱで拭きます。
「イテテ」
この葉っぱよく見たら表面にトゲトゲついてるじゃねーか!血だらけになるわ。
参ったな、付近にはこの葉っぱしかない。流血覚悟で逝くか?
「ピュィッ」
いつの間にか僕に近付いた鹿が、口に加えた物を僕の目の前に落として鳴いた。
「……お前……助けてくれるのか?……こんな僕を……許してくれるのか……?」
鼻の奥が熱くなって、涙がせり上がってきた。
ありがとう、ありがとうが溢れそう。溢れた。
ちゅ♡石投げてご、め、ん♡
鹿に最大限の感謝を捧げ、泣きながら鹿のくれた物を手に取る。
「信じられない程凶悪なフォルムの木の棒じゃねーか」
七支刀みたいな形してるぞ。
「鹿ァーッ!!!」
「ピュヒヒッ」
喚く僕を嘲笑うと、鹿は陽気な足取りで森へ消えていった。彼は僕を許していなかったのだ。一度希望を持たせてから絶望に堕とす方が、効果的と判断したからこその、この行動。
それは正に悪意その物だった。
ダンジョンの動物、頭良くないか?
ダンジョンの動物頭良い!!!!!!
僕もまた一つ賢くなりました。
おしりはトゲトゲ葉っぱで拭きました。レベルアップのお陰か、軽く血が出るくらいでした。
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「うしっ!行くか三階層!」
文明を着て誇りと安心感を手に入れた僕は、いよいよ三階層へ足を踏み入れるのであった。