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様々な世界・世界の詩

遠すぎる世界

作者: リィズ・ブランディシュカ



 もう一回あの世界に行きたい。


 男性はそう思っていた、


 男性は子供の頃、不思議な世界に迷い込んでいた事があった。


 その世界で男性は、様々な人に出会い、様々な場所に生き、様々な冒険をした。


 けれど、ある日突然元の世界へ戻ってきてしまったのだ。


 だから男性は、もう一度あの世界へ行きたいと思っていたのだ。


 しかし、行く方法は分からない。


 どこにあるのかまったく分からない。


 分からない場所には、どうやったっていきようがない。


 その世界は、遠すぎる世界だった。


 男性は、様々な方法を考えた。


 人生の残りの時間全てを使って、考えた。


 別の世界へ行くための方法を調べ続けた。


 しかし、とうとう寿命を迎えるまでに見つからなかった。


 男性は、死の間際に子供の頃の事を思い出した。


「大きくなったら、結婚しようね。家をつくって、家族をたくさん増やそう」


 もう二度と、元の世界に帰れないならばと思い、その世界でずっと暮らしていこうと決心した時のもの。


 その世界の女性に、約束をした大切な思い出だった。


 けれど、帰ってきてしまったその瞬間は、残酷なタイミングだった。


「もう一度でいい、たった一瞬でも良い。またあの世界へ戻りたい」


 男性はそんな願いを抱きながら、息をひきとった。






「……さん、ついさっきお亡くなりになられたそうですよ」

「この病院に移ってきた時はもうボケてたものね。別の世界だなんて、そんなのあるわけないのに」






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