Epilogue
「あ、もしかして……化粧してる?」
約束の場所に現れた彼女にそう問いかける。
「え、あ……うん」
「……ええっと。なんだ……その……可愛いよ」
最後の方はほとんど聞こえないぐらいの声量だったが、彼女にはしっかりと届いていた。
「……ありがとう」
彼女はコハクの横に並んで、その手をしっかりと握り締めた。
「行こっか」
彼女がコハクの手を引っ張る。
「……あ、でもその前に」
彼女は突然手を離して、コハクの前に立った。
「ん?」
「して欲しいなぁ」
「……え?」
と、彼女は目をゆっくりと瞑った。
「あ、ええっと、その……」
戸惑うコハク。と、痺れを切らして、彼女は目を開けた。
「もう! 早くしてよ!」
「え、でも……そ」
言葉が止まる。
コハクの目の前には彼女の顔。
女の子特有の良い匂いと、彼女の柔らかい唇の感触。
それれに言葉を奪われてしまうコハク。
数秒の口付けの後、彼女はにっこりと笑った。
「コハクが早くしてくれないからだからね」
「ええっとその……ごめん」
とりあえず謝る。
「良いよ。その代わり、お別れのときはそっちからしてね」
「……その、努力する」
「努力……ね。何、本当はしたくない?」
彼女が顔を曇らせていった。
慌てて否定するコハク。
「違う! それは違う! 断じて!」
「……はは。冗談だよ。冗談」
「……って。もうなんか疲れた」
「そっか。じゃぁもっと疲れるね。まずはジェットコースターから」
コハクの手を引いて走り出す彼女。
「そうだ」
「ん?」
「大好きだよ」
コハクは素直にその言葉を口にした。
すると、彼女はすこし顔を赤らめて、「私も」と言って、微笑んだ。
最終章です。
あとがきは後日公開します。




