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エピソード5 時の流れ

良心 : 始まりは、同時に、終わりをあらわし、終わりは同時に、始まりをあらわす。また、それは、始まりも終わりもないからです。元々、私達は不生不滅であること、時は有るようで無いことを、限られた時間の中で、修得してみて下さい。


暗夜 : 確かにそうです。「苦しみ」という時間を産み出したならば、「苦しみ」がやがて返ってきます。悪因苦果です。反対に、「楽しい」という時間を産み出したならば、「楽しい」という時間が返ってきます。善因楽果です。そこまでは分かりますが、ではどうやって、有限に生きている私達が、善因楽果だけを行い、生きていけるのでしょうか。それから、どのように、無限である、時の無い世界に、行くことが出来るのでしょうか。


良心 : 愛と真心がそこにあり、命を大切にする在り方であれば善因となり、愛と真心がそこに足りず、命を損ねる在り方であれば悪因となります。これを先ずは、覚えて下さい。それと、有限と無限には隔たりがあるようでいて、無いことを知って下さい。私達はいつか死にますが、死んだあと、残された人々の心の中では、形を変えて、さらに、生き続けていけることに、気が付きなさい。場合によっては、ますます躍動するのです。一人の尊き命が、御縁のある一人一人の心の中に、火花や灯火のように、決して、消えずに、燃え続けることが、出来るからです。時にはほんのりと優しく、時には激しく。あの世に行っても、魂は存在していることを(ひらめ)きなさい。相互的な交流が行われているのです。それから、たとえ限られた時間の中で、悪因苦果を産み出したとしても、そこに反省の心は時の中で、必ず開花していきます。その反省の心こそが、次の善因楽果へと繋がる糧になることに気付きましょう。つまり、何事も良きに転ずれること、また、そのように心掛けることこそが、限られた時間の中で、善因楽果で生き続けることが出来ることなのです。こういったことが抜苦与楽(ばっくよらく)でもあるのです。反省はすなわち悔悛の瞬間であり、七転び八起きを心得て、魂は、いつでも、起死回生であることを限られた時の中で、甘受しなさい。


暗夜 : では、どうして何もないところから、何もないものを感得出来るのでしょうか?私には、まだ、分かりませんし、覚えたくもありませんと、時おりよぎってしまうのです。


良心 : 人は誰しも混沌を抱えている存在ですから、先ずは、安心して下さい。あらゆることをよぎったとしても、それは、一過性に過ぎず、絶対では無く、全体でも無く、部分的な在り方に過ぎません。


何もないところから産み出しているのではなく、こちらからすれば、無いとしか感じられないことが有るのです。


例えばAさんの天命は、何年の何月何日にBさんと結婚することになっております。つまり、それは、その日にちを迎える前の少年少女時代から結婚していることと、同じであると、捉えることも出来ます。さらに申し上げますと、この世に生を授かる前から、それは決定していたことなのです。AさんはBさんと、BさんはAさんと結ばれるように、人生を歩んでいきます。これは、始めから終わりまでもそうであり、それは、始めも終わりも無い時から、そうだったのです。それは何だと思いますか?それは、愛と光であることに、気付いて下さい。愛と光は、どちらも含まれているからであり、同時に、愛と光には、時間は無いということにも、気が付くことでしょう。不生不滅とは、愛と光そのものであること「(くう)」であることが、よく、お分かりに、なられたことでしょう。だからこそ、この儚き、限られた時の中で、金剛石のような楔を打ち続け、定着させなさい。


永遠とは、このように、時が無く、また雲と雨のような循環サイクルであり、過去も今も未来も一緒であること。なべて、この今という、瞬間が永遠であることです。ソクラテスが「愛とは存在を永遠のものにさせる力である」と、言ったことについて、よくよく覚えておきましょう。

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