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エピソード13 茨の道

暗夜 : ああ、私はこんなにも深い悲しみを覚えたことがありません。(はらわた)までが本当に痛くて、辛いのです。実際に私の霊体は霊的に何度も何度も斬られました。いくら言葉を重ねても、足りることはありませんし、実情はもっともっと悲惨な仕打ちを受けました。この辛酸を言葉にすることは、出来ません。全身全霊と魂が張り裂ける痛みやほとばしる戦慄(せんりつ)は「世界はひとつ」という理想を持ってしまったからでしょう。こんな理想を忘れて、いっそのこと、死んで、逃げ出してしまった方が楽なのです。ああ、ああ、辛いよ。逃げても、逃げても、逃げられない。


良心 : あなたは、本当によく耐え、忍んでいますね。それがあなたが背負っている今世の十字架です。その痛みが、ゴーダマ・シッダールタの苦行林の秘儀の一部であり、純粋無垢な子羊、イエス・キリストが十字架刑に遭っている時の痛みを一部、賜っているのです。その一つ一つの痛みが、あなたにとっての嘲笑や罵倒であり、石であり、鞭であり、(くい)であり、楔であり、ロンギヌスの槍なのです。聖書では「神は愛する者を()らしめる」また、「起きたことの全てを喜びなさい」と書かれています。喜んで下さい。本当の「(いばら)の道」とは、そのように【理想と現実を一致させる道が「茨の道」】なのです。あなたは、すでに自分の栄光ではなく、輝かしい神の栄光を讃える道を、歩んでいる者なのです。多くの方々には、理解もされがたく、受け入れがたい道が、神秘主義者の道です。分かる人にしか、分からない領域であり、愛ゆえに、霊界と顕界を享受する、幼子の一道です。


あなたは、その深い戦慄が走るほど、その自覚と覚悟と器量を持っていることに、気付いて下さい。その戦慄こそが、確固たるあなたの十字架となり、愛と光と希望を保証し、確証するものとなるからです。あなたの場合は、とくに【み・ん・な・の・マ・オ】になる自覚が芽生えたのです。奥深いところでの肯定感が訪れたのです。あなたの命は、あなただけのものでは、ありません。あなたと出逢った、全ての方達の笑顔でもあり、あなたと出逢った、全ての方達の悲しみでもあり、あなたとこれから出逢う、全ての方々の喜びであり、あなたを背後で支えている御存在方の慈悲であり、愛、御命なのです。全ての自然や動物達の想いや、神の愛と御命があなたに宿っているのです。しかもあなたは、そのことについて、自身だけのものでも感受性でもないことを、よくよく知っております。自分以外の「他」の方々、一人一人や一つ一つの存在にも同様に宿っていること、そのマンダラやミクロコスモス、マクロコスモスの関連性や関係性などを痛いほど、身に()みて、痛感しているのです。


これらを、魂の腹に据えはじめたので、深い戦慄が起こり、あらゆる仮我が強烈に浄化し、濾過されて、稲妻のように全身全霊に、神の神気が注ぎ込まれたのです。あなたはすでにマオでありますが、【(まこと)のマオ】になりつつあるのです。これからの人生でも、不可避な苦しいことや、悲しいこと、稲妻のような戦慄が起きた時には、今日話したことを思い出して下さい。必ず、力になることでしょう。


『夜の砂浜』


こよなく喜ばしい御光を

愛さぬものはいない

かの砂浜から夜空に散りばめられた

無数の星の大湖が このまぶたに浮かぶ

夢幻の森に誘い込まれた 心の淵よ

星の聖霊により 吸い込まれたさざなみよ

その煌めきは三世を(ひらめ)


高鳴る鼓動は 今を突き動かし

青春に旋律を走らせ

浜風の(かお)りは遠き日々の彩りと

追憶をしのばせる

友の声は(わだかま)りを解きほぐし

静寂なる魂にいざなわれる


豊穣たる調べに寄り添う果実は

この宇宙(そら)をも包まんとばかりに広がり

星辰の微かな光はあまねく心に

余多なる生命への息吹きを告げる

太古から恋慕して歌う

われらの先祖は

この貝の砂にたたずむ


音色は青年の陰影に愛を募らせ

瞳に騒がせる世界の戦慄と

かの黄金時代に(かざ)された

月光に青年らを微睡ませる

黄金からの使者達に青年の心は奪われて

美しの宮に辿りつき

かの砂漠へと道は繋がれる

いにしえに眠る聖なる魂達が呼ばわりしとき

溢れるばかりの愛に満たされて

遠き日々の鬱憤の叙情は

白きたおやかなる風に運ばれて

不死鳥の翼に眠る


星の大海からの流木は

憧憬の矢と成し

引き裂かれた胸の痛みは

深潭(しんたん)なる内奥の奥を呼ばわり

秘儀の宮から

御声は今まさに甦らん

一つなるかの御声は

復活の御命として

この地に舞い降りる


夜の砂よ 夜の海よ 夜の御霊達よ

決して忘れはしない日々の面影よ

渚は内奥の(こだま)に鎮まる

再び時のない時の妙に入らん

嗚呼 夜風よ夜風よ 潮のざわめきよ

かの故郷へと還して下さい

星はまぶたを閉じ 深い眠りに就く


太陽よ 太陽よ

今はまだその(かんばせ)を覗かせないで下さい

皆のきよらかな可愛い眠りを

導く月の御光でいらして下さい

決して遮ることが出来ない御光で

優しく照らし安住の園で

眠らせて下さい


最深の御声にわれらは憩い

全身全霊を委ねます


嗚呼 夜風よ 夜風よ 波のときめきよ

寂然のさなかに

青年の胸を鎮めさせて下さい

夜風になすがままに吹かれる砂となり

胎なる海に抱かれるまで

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