第3話 妹現る
桜丘さんから奥義を使い、やっとの思いで家の前に着いた俺はため息をつく。
「はぁ…」
「何ため息ついてんの?お兄ちゃん」
「いやな...これから妹の面倒みなきゃと思うとね……って希!!」
「面倒って…子供扱いしないでよ!もう全部ひとりで出来るんだから」
「いや、お前は居てくれるだけでいいんだ」
…余計片付けが増えるからな
「…な!なに恥ずかしいこと言ってんの!はやく入ってよね、全く」
「へいへい」
このやたら騒がしいやつは俺の妹の九重希でずっと一緒にいるのでよく分からんが可愛い方だと思う。
そして希は不憫なことにすごく不器用だ。手伝ってくれるのだが、危なっかしくて見てられない。
なので、俺が世話するって訳だ。まあ兄だからしょうがない。
親?
あのバカップルどもは世界一周旅行だとさ!
お熱いねぇ、ヒュー!ヒュー!
ッペッ!!
まだ、希は四年生なのにバカじゃねぇの!
希はなぁ…
希はなぁ、夜寂しくて俺の布団に潜ってくるときがあるんだよ!
そういうのは母親の役目だろーが!
…まあ嫌じゃ無いんだけどね、むしろなんか安心するけども。
まあ俺の妹の説明はこんなもんかな。
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家事を一通り終えた俺はソファで携帯をいじる。
すると、潤ちゃんから連絡が来てた。
『桜丘さんに呼ばれてたけど、なんかあった?
あくまで師匠として聞いてるんだから、変な勘違いはしないでよ』
変な勘違いって何だ?まあいいかとりあえず返信と
『潤ちゃんに教わった通り、奥義使って逃げて来た』
ふう〜、送信と、……ピロロん!返信早ッ!5秒たってないよ!
『うそでしょ!じゃあやっぱり桜丘さんは...
明日から、本格的に修行するから!』
っげ、マジか
『お手柔らかにお願いします』
「鈍感系って大変だなぁ」
「何言ってんの?お兄ちゃん」
「いや、なんでもない」