第8話「能力vs魔法:後編」
前回のあらすじ。
空間が何者かの・・いや、本人も気づいていないが、叶の能力によって静止した。
以上!
空間が静止から解放され、緩やかに動き出した・・直後、目の前に魔法陣が出現。いつの間にやら集まっていた悪魔の方々は目を見開き、続いて魔法陣から繰り出された光景に声を上げてしまうこととなった。・・私も声上げた。
魔王「ほう、、こんなこともできるのか。」
秀「・・・質量はともかく、無いだろお前に魔力は。。。なんで魔力が乗ってやがる。」
魔法陣から出たのは、秀が出した龍にそっくりどころか寸分違わず同じ動きをしてみせる龍だった。秀曰く魔力量も同じらしい。
叶「うわっ、できた!できないと思ってたのに。。能力で魔法に対抗出来るとは。」
ってか、女神様の話では私の能力に実態は無いって話だったんだけど、どういうことだこれ。・・・まぁいいか。死ななければ。
叶「【保存出力】」
秀「・・それも能力ってことか。・・・流石に予想外だな。」
叶「さっきも言ったけど、俺も出来るかどうか分かんなかったから驚いた。」
能力と秀の魔法がぶつかり、弾けた。
秀「・・なら、こっちだ。
《相棒:炎魔刀》」
秀が手を宙にかざすと、そこに魔法陣が現れる。中に手を入れた秀はそのまま刀を引き抜いてきた。え、どこに繋がってんのそれ。
叶「魔法ができるなら、これもできるだろ!
【創造刀】
【飛翔】+【追風:速度上昇】」
一瞬で秀の姿が消えたので、負けじと追いかける。一瞬一瞬で現れる秀の姿に初めこそ血を流してしまったが、反射神経を上げていくと刀で受け止められるようになってきた。
・・・えこれ私の体大丈夫?????
〜〜〜数十分打ち合ってただけ〜〜〜
人間界では味わえないこのスリル!能力によって思うように、動いて欲しいように動く体!控えめに言って限界突破は楽しいですね!!
秀「限界突破してる自覚あるのか。。楽しそうでなによりだ。」
叶「今まで命かけたことないからな!かけたくないけど。人間界でできないし。今だけ!今だけ!!」
秀「ヤバこいつ。」
勢い任せに振った刀を軽く下に避けた秀はそのまま刀を突き出してきた。寸でのところでそれを避け、刀身を伸ばして斬りかかる。
秀「刀は伸びないんだよっ・・!」
叶「伸ばしたんだよ!!」
秀の体を一刀両断!・・のはずだったのだが、何故だか刀の先が消えた。・・・厳密に言えば秀の体を一刀両断どころか半断すらしない長さまで消えた。振り切った刀が秀の体を切り裂く。
秀「・・?・・・えい。」脇腹グサッ!
叶「いでぇっ!!」
穏やかな「えい。」でエグいことしやがる!!
秀「いやすまん。やりやすいとこにあったから。」
叶「悪魔か!」
秀「悪魔だ。」
刃がスッと抜かれ、脇腹から血が噴き出す。お互いに距離を置いて何の合図をするでもなく一旦休止。
私が傷の処置を試みる中、秀は斬られた場所を見て不思議そうな声を出したのだ。
秀「・・これは・・・」
悪魔方からも驚きの声が上がる。流石に気になるので私も目線をくれてやったところ、私からも驚きの声が漏れた。いや困惑かな。
叶「斬れてないじゃん!!」(怒)
秀「怒ってるじゃねぇかよ。・・しかし服すら切れてないな。斬られた感触はあったんだが。。本当にお前の能力なんなの?」
叶「俺も聞きたい。」
なんで俺だけ血が出てるんだ・・痛いよう。。能力で処置しようとしたけどなんかできなかったし・・・不公平だぁ!
魔王「・・・そこまでだ。」
魔王様から静止の声。
叶&秀「「え?」」
皆が魔王様を見て、次の言葉を静かに待った。
魔王「実力は分かった。能力でできることもな。」
叶「・・は、はぁ、、、」
今のでわかったんですか?え?本人何も分かってないんだけど?
秀「分かりました。それでこの人間はどう致しましょうか。」
魔王「お前が見張れ。仕事を手伝わせてもいい。そいつは使い道がある。」
人を物みたいに言いやがって。いやそりゃぁ、魔界では私はそういう扱いだってのは理解してるけど。
魔王「牢屋まで迎えに行くのも面倒だろう。秀、お前の部屋に連れて行け。見張るのも連れ回すのも楽だろう。お前達には共に行動してもらうからな。」
叶&秀「「は?」」
・・・え?なんか、、意味わからないこと言われてない?部屋に連れて行け?共に行動してもらう?いや行動はいいよ別に。・・私これでも女でしてよ。こいつどう見ても男だろうがよ。
魔王「一緒に居てもらう。」
その時、私と、恐らく秀も察しただろう。これ、断ったら死ぬわ。
終わった!
叶「まさかの2話続きの話。」
秀「初だな。見事にめでたいね〜。」
本当に思ってんのかお前は。
叶「つーか、話すことないな。」
・・・ではでは、
叶&秀&作者「また次回!」