二話 雲
「は、はじめまして…?」
凄い笑顔で挨拶してくるものだから、私もはじめましてと返してしまった。
驚愕で口が塞がらない私を見て阿月くん(仮)は可笑しそうに笑った。
この野郎。舐めてやがるな。…舐めないでね。
「な、何が可笑しいんですか」
「ククッ…あぁ、ごめんね。君の僕に対する心理上での呼び方にちょっぴりはまったんだ。」
「はぁ…?」
また可笑しそうに笑うこの人に遂腹が立ってしまった。
その髪を引っ張ろうか?あぁん⁉︎
すると、阿月くん(仮)は笑うのを止めた。
「自己紹介しようか。僕は君達が称える神という地位に値する者だ。
そしてここは天国!…なーんて微笑ましい所では無く保留の間。」
「ほ、保留の間?」
「まぁ、、、座ってよ。」
一体何処に?と聞こうと口を開けば、モコモコと雲の一部分が本体から抜き出され、二つの椅子と机、紅茶セットが雲によって作り出された。
凄いと感動して誉めてみればふふーんと鼻を伸ばして指で入れ物を作り出しカップの中に紅茶を入れ、レモンを乗せた。
阿月くんは、カップを手に取りごくりと飲んだ。
そして、私にも勧めた。
私も初めて飲む紅茶に興奮しながら一口カップに口付けた。
「…ところでお話は…?」
「次回にしようよ、今は紅茶を飲みたい気分だし…」
「じ、次回って…?」
「…神だからわかることさ☆」