なんでそんな事しなくちゃいけないの?
敵。
それはアンデットと呼ばれる化物だ。元は人間や動物だった事は分かっている。それがヴァンパイアと呼ばれる存在によって過去定期的に増殖し人間を脅かしていた。
日本で記録が残る最古は平安時代で、より細かくは奈良時代の平城京に遡る。
死体が動き廻る怪異に遷都を繰り返し、平安の世に阿倍清明が出現した事で陰陽道を駆使して平静を取り戻した。その間およそ300年。
一体もしくは複数のヴァンパイアの関与により起こされた災厄で有ることはアグレム教国では定説になっている。仮に複数であっても最初のヴァンパイアが最後まで関与し、むしろ最初のヴァンパイアの滅亡により収束したふしがある。
ヨーロッパ地方では魔女狩りのきっかけがアンデットと考えられている。
12世紀から15世紀にかけて魔女狩りの嵐が吹き荒れたとすればやはり300年、更に18世紀まで続いたとすればトータルで600年なのだが、600年続いたのか300年が2回なのかは研究者によってまちまちな部分だった。
現在進行中のアンデット渦においてヴァンパイアなる存在は確認されていない。
アンデットがヴァンパイアによって作り出されると言うのは18世紀初頭のアグレム教国研究者による記録によるものである。それによれば人に似た、いや容姿そのものは人間である人間の血を吸う種族が古くから存在し、その種族の吸血行為にはアンデットを生み出す力が有ること、吸血種族は常は平静に人として暮らしていること、吸血種族の一部の者が見境なく人や獣を襲いアンデット化させる事で災厄が起こる事が記されていた。
アンデットは殺すと言うより破壊する事は出来る。それを滅すると称しているがその時代時々によりアンデットは微妙に能力や性質が違うと思われ、12世紀から15世紀の魔女狩りに現れたそれは特に早く動く訳では無く力もそれほどでは無かったと考えられていた。
平安時代のアンデットは知能が高く15世紀以降のヨーロッパはスピードとある程度のパワー、そして知能が備わっていたと考えられていた。
吸血種族の関与については12世紀頃のヨーロッパにおける何らかの書物に基づく見解とされ、史上でもっとも弱かった時期ゆえに研究も進んだと考えられている。
アンデットは特に陽の光に弱く、直射日光の下では活動はおろか焼けただれるように倒れ消滅する。完全に隔離した環境では消滅する訳では無いが1ヶ月程度でその動きを止める。吸血種族については300年以上活動すると考えられていたがこれについては過去の書物が全ての推測に過ぎない。
アンデットがただ動き廻るだけなら気味が悪いだけだが人を襲い血を吸う。襲われた人間は死亡するがごく稀にアンデットとして起き上がる事が確認されている。
ただアンデットに襲われれば身体の損傷が大きく敵としてはそれほど脅威ではない。襲われて起き上がりなお人としての原型を留めるモノはそれこそ稀だしそもそも日本においては焼いてしまう事で対処可能だ。
アンデットが人の血を吸う事で活動期間が伸びるにせよ300年も動き続けられるとは考えられず、またアンデットがアンデットを増やす事は考えにくい以上、書物に有る吸血種族の存在が信憑性を帯びてくる。吸血種族を英語ではヴァンパイアと呼び日本語では吸血鬼とも呼んでいた。
この小説は既に16万字以上のボリュームを持って結末まで書き終わっており、現在改稿中です。と、カッコつけても全くの素人であり文体、ストーリーの流れ、設定に自信が有る訳では有りません。続きが少しでも気になる方はぜひその旨コメント頂ければと思います。なにしろタイトルも決められません(泣)(募集中?)