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  作者: NAOX
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憧れ

 夏に君と感じたあの気温。

僕は君にあこがれている、すごく。


僕は手から風船を放してしまった。

空高く飛んでゆくのを君とみているだけ。

だけど、君は、その飛ばされた風船を取りに行った。


 僕は君にあこがれる。

何でも取りに行ける、何でも手に入ってしまう、君に。


 でも、僕は見つけた。

君には手に入らないものが。

それは「幸せ」だった。


僕は手から幸せを放す。

それでも、「幸せ」を君は取りに行ってはくれなかった。


 だったら、幸せをこの手で作り出そう。

どんなに空高く飛ばされた、幸せでも。

君には出来ない事を僕がして。

僕がなくなった幸せを取りに行く。


 たとえ、君が引きとめたとしても。

「幸せ」を僕が取りに行く事に何か問題があるならば。

今すぐ、僕はここを抜けだして。

自分だけの「幸せ」を取りに行く。


 だけど、君と「幸せ」を味わいたいから。

止めないで。僕に行かせて。


 僕は君を愛しているから。


 夏に君と感じたあの気温。

僕は君にあこがれている、すごく。


僕は手から風船を放してしまった。

空高く飛んでゆくのを君とみているだけ。

だけど、君は、その飛ばされた風船を取りに行った。


風船は君が取りに行き、幸せは僕が取りに行く。



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