あとがき
最後まで読んで頂き、誠にありがとうございます。
本作に登場する電波監視官は総務省の電波管理部に所属する国家公務員です。
「総務省・組織令。第百三条、一。
電波が無線設備その他のモノに及ぼす影響による被害の防止、又は軽減」
総務省の総則に基づき違法に開局された無線を監視し、摘発することが主な業務です。
電波(電磁波)は発見以降、現代文明において欠かせない技術です。
インターネット、携帯電話、AIの学習、ビッグデータの情報管理。
今や電波が無ければ社会が成り立たないほど発展しました。
これらを阻害する違法無線には様々な要因があります。
製造と販売元が不明な高出力の機材。
海外から持ち込まれた日本の規格に合わない無線機。
開局の許可を行政機関に申請せず他のチャンネルに割り込む無許可の基地局。
それらは時に警察や消防が現場に駆けつける為の緊急無線、あるいは電車や飛行機の出発時間を調整する通信を妨害します。
もし、現場へ駆けつける救急車の無線が妨害され要救助者の元へ辿り着けなかったら?
もし、駅で緊急停車した電車の無線が妨害され、後から到着する電車に停車の知らせが伝わらなかったら?
もし、災害発生時に救助活動中の警察、消防、自衛隊の無線に割り込まれ虚偽の情報を発報されたら?
電波監視官は時代、技術に伴い、その存在意義と監視業務が変化しています。
これまでの違法無線の摘発に加え、警察の電話番号を装い、特殊詐欺に利用される偽基地局の発見にも監視の目を光らせています。
彼らの活躍は警察や消防に比べると影に隠れがちですが、日夜、電波が正常、尚且つ円滑に利用されているか見張り、他の行政機関と同様に安全な社会が維持できるよう日々、業務に努めています。
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