帰り道と
「俺、すぐバイトだから…
あー、時間やべ…」
課題のために集まっていた俺たち…
メンバーは俺と燎斗、それに日谷さんと清家さん…
その4人での集まりから、燎斗はそう言って離れていった。
そしてすぐその後…
「お、お父さんが迎えに来てくれてるから、わ、私もここで…」
そう言って、清家さんもそそくさと帰っていった。
残されたのは、俺と日谷さんの二人…
今日、少しだけ彼女のことが分かった気がした。
気はしたが、さすがに二人っきりは気まずかった。
だから、どうしたものか…
俺がそう思っていると、日谷さんから…
「私はこっちだから…」
それはきっと、俺と別れることの理由で…
彼女は、そう言いながら帰る方向を指さした。
ただ、指を指した方向…
その方向は、俺の家の方向と一緒だった。
だから…
笑うしかなかった。
どうしたものかと…
そして俺のその笑いを、別れの挨拶と受け取ったのか…
彼女は帰路についた。
さて、どうしよ…
帰り道が一緒…
だから…
俺もこっちだから…
そう言って、彼女と一緒に帰る…
たぶん…
というかほぼほぼ、それは気まずい。
だからなしだ。
しょうがなく、彼女の後ろをついて歩く…
ん-、なんか気持ち悪くてなしだ。
それに、絶対向こうからも気持ち悪がれる。
わざわざ遠回りは…
なんかあほらしい。
たぶん途中で、俺なにしてんだろう…
きっと、そんなことを思ってしまうに違いない。
だからなしだ。
だから残されたのは…
寄り道かな…
うん、これがいいな。
ということで、俺は少しだけ寄り道することにした。
さっきまでいたカフェの周りには、わりかし色んなお店がある。
本屋にケーキ屋を始め、色々と…
その中のお店から、俺はケーキ屋へと向かった。
お店に入ると、ひんやりとした空気が俺を纏う。
まだ春ということで外は暑くはなかったものの、入った直後…
スーと首に当たる、冷たい風の爽快感があすさまじかった。
その爽快感を身に纏い、俺はケーキが陳列されているショーケースまで進んで…
そしてケーキを物色する。
ショートケーキをはじめ、定番のもの…
タルトなどの変わり種など、種類が豊富にある。
さて、夢葵はどれだと喜ぶかな…
俺はそう考えながら、どれにするかを考える。
何故、夢葵のを考えるのかって?
え、だって…
普通こういうとこに来たら、妹様のを優先的に考えるよね?
え、考えない…?
そんなわけ…
ということで、選別だ。
良い子の夢葵には、嫌いなものがない。
でも、特別好きなものはたくさんある。
イチゴなどのフルーツだ。
だから、お土産はフルーツ方面のケーキにしようとは思う。
でもケーキなんてチョコをはずせば、ほぼほぼがフルーツ系統のもの…
だから、結局種類が多くてどれにするかが本当に悩ましい。
無難にショートケーキでもいい。
でもたぶん…
今日の夢葵の気分は、きっとショートケーキじゃないような気がする。
だからなしだ。
何故分かるかって?
きっと、兄弟だからかな。
残りのケーキと、俺はにらめっこしていく。
そしてその中で、一つのケーキが目に入った。
その瞬間…
ビビ~ン!!!…
身体に、そんな衝撃が走った。
今日の夢葵の気分はこれだという感覚が…
何故かは分からない。
でも俺には、分かったんだ。
ということで俺は、モンブランを買ってからケーキ屋を出た。
そしてケーキ屋を出た時、俺は思った。
自分のを買ってないと…
夢葵の、1つしか買ってないと…
でもまぁ、よくあることだしいっか…
こうして俺は…
良い感じに時間もつぶれたことだし、家への帰路に就いた。
そして10分後…
俺の進む少し先には、空き地があって…
その空き地の前には…
「ニャー…」
捨て猫にそう呟いている、日谷さんの姿があった。
ありゃ…




