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燎斗と昼休み

燎斗:ヤクト

 美術の自画像…

 結局俺は、無難な自画像を描くだけで終えた。

 

 いや…

 人は良さそうだけど顔はダメ…

 そんなのを、参考になんかしたくなかったから許してほしいよ。

 

 というか、それをすんなり参考にするやつなんていないだろうし…

 というか、参考にならないし…

 というか、そんなのを口に出すやつがどうかしてるし…


 はぁ…

 もういいや…


 そして、美術の授業を…

 4時間目の授業を終えた俺たちは、お昼を食べるために教室から移動していた。

 向かう先は、どこの学校にも必ずある場所…

 そう、食堂だ。


 俺と燎斗は、今その食堂へと足を踏み入れた。

 そしてその瞬間、食堂内の景色が目に映る。

 

 入って突き当り…

 まずそこには、学食を準備するおばちゃん達がいる。

 調理、盛り付け、配膳など、

 お昼になだれ込んでくる俺たち学生に対応するため、今も忙しそうに動き回っている。

 

 ただその姿は、食堂へと足を踏み入れた俺たちからはすごく遠い…

 それもそのはずで…

 まず広さ的には、きっと小さな体育館くらいは…

 そしておばちゃん達がいるカウンターと、俺たちの間にはたくさんのテーブルが敷き詰められている。

 

 まずはテーブルの大きさから…

 その大きさは、4-6人くらいが座れるテーブル。

 

 そのテーブルは横に4つ、ぴったりとくっついていて…

 そして二人くらいの人が余裕ですれ違えるくらいの幅を開けてから、さらにまた4つのテーブル…

 合計で3つのブロック…

 12テーブルが、横に連なるように列になっている。


 そしてその横の列を、そのままの間隔で縦に10列くらい…

 加えて、窓の前にもちらほらと机があって…

 結局合計で、軽く100を超えるテーブルが食堂の中に置いてある。


 この学校は一応だけど、ちょっとしたマンモス校…

 だから、これだけの机が置かれている。

 そしてこの量の机を、ただお昼の時間だけにしか使わないのは勿体ないということで…

 放課後や休みの日も開放されていて、自習にも使えるようになっている。


 長々と説明してしまったが、結局…

 

 食券機から出てきた食券を奥にいるおばちゃん達に渡してから、学食を受け取る。

 そして渡された学食を持ってから、俺と燎斗は端の…

 すみっこの方の席に着いた。

 

 二人で堂々と真ん中の方の席は、なんか気まずいからね。

 そして学食へと箸を進めていく。


 「それしても…」

 「ん?」


 燎斗からの言葉…

 そして俺は、先を促す音を出した。


 「さっきの清家さん、面白かったな…」

 そう言葉にしながら、燎斗はニマニマと楽しそうな笑顔を向けてくる。


 「はっ!?」

 「だって、人は良さそうだけどブサイクって…」

 

 そう言った後、燎斗は手を口元にやる。

 ただ手で口元は見えないが、目にできたしわや上がってしまっている口角で笑っているのが分かる。

 というか…


 「ブサイクまでは、清家さん言ってねぇわ!!」

 「いや、対して変わらねぇだろ…」

 「変わるわ。すげぇ変わるわ。フツメンとブサイクとでは、すげぇ変わるわ!!」

 

 俺がそう言った後、燎斗は真顔になった。

 

 「お前…」

 「な、なんだ?」


 燎斗は真顔のまま…

 

 「自分のこと、フツメンだと思ってるのか…!?」

 「へっ…!?」

 「いや、その顔はどこからどう見ても…」

 

 最後まで言う前に途切れた燎斗の言葉…

 その理由はきっと、その後の言葉が言いにくいからで…


 「な、何だよ…、最後まで言ってくれよ!!」

 「良いのか…?ブサイクって言っていいのか?」


 ブサイク…

 てか…

 

 「おい!もう言ってるじゃねぇか!!!」

 「ばれたか…」

 「ばれるわ!!!」


 俺の反応が楽しかったのか、燎斗は楽しそうに笑ってくる。

 そんな燎斗を、俺はじとっと見る。

 そしてそれに気づいたのか…


 「すまんすまん、冗談だ。幸成は決してイケメンではないけど、ブサイクでもないから安心しろよ。」


 決して…

 イケメンではない…


 「お前、一言余計すぎだろ!!」

 「気のせいだろ…」

 「どこがだよ!!さっきから、ずっとクソ失礼だわ!!!」


 そして、やっぱり楽しそうな燎斗…

 

 ほんと良い性格してると思うわ、こいつ…

 後で絶対、何か仕返ししてやる…


 俺はそんなことを考えながら、止まっていた箸を進めた。

 そして学食を口に運ぶこと、少ししてから…


 そういえば…


 「さっきの授業…、日谷さん、悲しそうな顔してたけど、どうかしたのか?」

 

 俺のその言葉に燎斗は…

 「あー…」

 そんな感じの音を口から出しながら、気まずそうに違うところへと視線を向けた。


 これは…

 またこいつ、きつい一言とかを日谷さんに言ったな…

 それで、その一言に日谷さんが…

 

 はぁ…

 俺は、分かりやすくため息をついた。

 そしてそれが、少し燎斗の気に障ったみたいだ。


 「な、なんだよ…」

 「いや、別に…」

 

 俺はそう誤魔化したものの、まだ燎斗は納得しきれてないみたいだ。

 でも、自分の方がバツの悪いのも理解してるみたいで…

 燎斗はそれ以上何も突っ込んでこず、ここでこの話は打ち切りになった。


 その後…

 残りの昼休みの時間、俺と燎斗は他愛ない会話を続けた。

 そして昼休みが終わって、5時間目の授業…

 そこで…

 俺と燎斗、清家さんと日谷さんの4人が机をくっつけてのグループ課題が始まった。

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