見えないモノ⑤
パソコンの調子が悪いです…。
馬に揺られ始めて、どれくらい経ったのだろう。
先ほどからのどかな風景が続いている。
時おり村であろうか、畑で作業をする人たちが見えた。
目的地が分からない事が徐々に不安感を膨らませている。
不安ではあるが、今の状況にドキドキしているのも事実。
着物の男は無言で私を片腕で抱き寄せるような状態を維持している。
反対の手は、馬の手綱を持ち、上手に馬を操作している。
「あの…そろそろどこに向かっているのか、教えてもらえませんか?」
「城にございます。」
「お城、ですか?」
「はい。今しばらくお待ちください。」
お城ねぇ。
どんどんフィクションに近づいてる気がする。
でもなぁ…あまりにも現実的ではない憶測だ。
だって《タイムスリップ》だなんて、現実では起こらない。
そんなものあるんだとしたら、正直怖い。
姫って人と間違えられている事も、何とかせねば。
とりあえず龍也と再会して、それから帰り道を探そう。
そう決意するのだった。
「……お城って…これですか?!」
「さようにございます。」
「いやデカっ!!」
なんという大きさ。
なんという広さ。
啞然としている私をそのままに、私たちの乗る馬は城門をくぐった。
いくつかの城門を通過し、急勾配な坂を抜けると2人の着物を着た人が走って近づいてきた。
着物の男は、サラリと馬から降りると、駆け寄ってきた1人に馬の手綱を渡す。
もう1人に何やら話すと、駆け寄ってきた人は一礼して建物へと走って行った。
一通り終わったのか、着物の男は私に向き直ると、今度は私の前で両手を広げた。
「え?」
「馬から降りますので、どうぞ私におつかまり下さい。」
「つかまって、といわれても…。」
そんな抱き着くような事、出来るわけがない。
一緒に馬に乗るだけで、こんなにも心臓が動くのに、抱き着くだなんて!
恥ずかしいを通り越して、無表情になるわ!
どうしようか考えていると、急に背中を誰かに押されるような感覚に襲われた。
そしてバランスを崩し、着物の男に向かって倒れた。
「ぅわっ!?」
「!!」
咄嗟に両手を前に出す。
両手を出した先に黒い着物の男が両手を広げていたので、意図せず男の胸に飛び込む形となってしまった。
うん、恥ずか死ねる…。
受け止めてもらえたおかげで私は、かすり傷も打ち身もする事は無かった。
「ご無事でございますか?!」
「は、い…。」
お願いだから今は話しかけないでください…。
いつも思います。
もっと上手く書きたい…。




