表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

空の日記

認知症の老人が、様々なことを忘れてなお、亡くなった伴侶のことだけは覚えている。そんな漫画を目にした。


大変感動させられたが、ふと老人を私に置き換えてみて思うのだ。


私が様々なことを忘れに忘れ、その果てに何か残るとしたらなんだろう、と。

それが大切な記憶なのだとして、私に大切な記憶なんてあるのだろうか、と。


私は何を大切に思っているのだろう。

今は忘れてしまっているが、表層の記憶を全部洗い流せば思い出すようななにかがあるのだろうか。

あってほしいな、と思う。でなければ私が認知症になったとき、きっと私は空っぽだから。


なってみなければわからないことだけれど、なったときにはもうきっとなにもわからないんだろう。

今でさえなにもわからないのだけれど。


あるいはすでに私は認知症なのだろうか。

私に私がわからないのだから、認知できないのだから、言葉遊びの上ではきっと私は認知症だな、と結論を出した。


それだけの日だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ