画竜点睛
「ん・・・んぅ・・・」
白い光に包まれる前は立っていた自分の体は横たわっており、肌全体にカーペットの感触が伝わる、俺は帰って来れたのか・・・?
今ある自身の体を叩き起し、周りを見渡すと、そこには
月の光ではなく、朝日によって照らされたぬいぐるみや人形がそこにはあり、その真ん中には。
「帰ってこれたのか・・・ん?あれは?」
落ちていた剣を拾い、俺は絵の方へ向かった、
これ、月の光では見えなかったけど、文字が書いてあるな。
ヨレヨレの文字とぐちゃぐちゃな絵、多分少女が描いたのだろう、俺が子供の頃にお母さんに描いた絵と一緒のように。
「この少女はストリーと言うのか。」
ヨレヨレの文字には「ストリー」と一生懸命書いた自分の名前があった。
しかし俺にとっちゃ多分こっちの方が重要なんだろうな。
ヨレヨレ文字にはもう1つの名前が書いてある。しかもその名前であろう人物は真っ黒に塗りつぶした黒い塊のような絵、子供の好奇心でのなんでもない絵にも見える、がその塊にはしっかりと名前があるようだ。
「カゲ・・・それがお前の名前か。」
この町を裏で操っていた者、全ての元凶。
剣で俺はカゲ指した、カゲが帰ってきたということはアイツらも後に帰ってくるだろう。
「魔力がァ・・・ぉぇう・・・魔力がァ!」
「お前の馬鹿げたことももうおしまいだ。」
カゲは俺たちをあの世界に連れ込んだ代償魔力はだいぶ高かったようで、自分の体を人型で保つので精一杯のようだ。
ーエンチャントー
「マ"ッ"マ"リ"ョ"ク"・・・マ"リ"ョ"ク"ヲ"」
赤く煌びやかになった剣先が朝日よって照らされる。
目の前には人型の原型すらも保てなくなった、黒い塊、もう迷いはしない、これがこの俺が出した答えだ。
「カゲちゃん?」
「・・・!」
咄嗟の声に俺は振り向いてしまった、そう頭に入れていなかった、王国王女ストリーの目覚めである、
「まずいっ!」
最後の最後で俺はやってはいけない最大のミスをしてしまったようだ。気づいて剣を振りかぶったその時には遅かった。
「マ"リ"ョ"ク"!マ"リ"ョ"ク"!ま"り"ょ"く"!魔"力"!」
「「キャアッ!!」」
「くそっ!」
俺は飛びかかるように取り込みかけた王女を救おうとしたがもう遅かった、カゲは王女を包み込むと、さっきまでドロドロに溶けていた形態から姿を変貌させた、
「マリョク・・・マリョク!!」
カゲは異形の状態から地面に手を置くと、また1段とまた1段とデカくなっていった。そして異形の存在の殻は1枚もう1枚と剥がれていき、ある者へと姿を変えて行った。
「やりやがったな、お前。」
王女の生命エネルギーの変換、支配のために使用していた魔力の解除、そしてこの町に眠る魔力を全部吸収。
あいつの魔力が、0の時に消し去るべきだった、1になった時点でこいつはこの姿になっただろう。
「ギシャァァァァァァ!!」
黒い龍、真っ暗で光で反射もしないドス黒い龍、カゲという異形の存在は龍へと変貌を遂げた、どうせ誰かの記憶からなった姿だろう、俺の記憶か。
「お望み通り、やってやるよ!!」
こいつがこうなったのは俺のせいだ、こいつは俺が殺す。
「ギシャア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!」
けたたましい方向がこの砂の町に響き渡った。
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