始まりの時
「あぁっ!リンゴがっ!?」
少女が紙袋いっぱいに詰め込んだリンゴは重さに耐えられず地面を走り、やがて少年の足に止まり動きを止めた。
「これ君の?はい、もう落とすんじゃないよ」
少年は自分の足に止まったリンゴを拾い上げるとしゃがみこみ、そのリンゴを幼い少女の紙袋の中に入れ込んだ
「ありがとうお兄ちゃん!お兄ちゃん、名前は?」
少女は天真爛漫の笑顔を少年の名前を聞いた
「俺の名前か?俺の名前はなピリオドって言うんだ。」
「ピリオド?ピリオドお兄ちゃんありがとう!」
少女は俺に名前を聞くと後から来た母親と手を繋ぎながらこちらが見えなくなるまで笑顔で手を振った、俺も思わず手を振り返した。
ここは王都付近の町のマリエスタンという場所だ、ここは王都から近く、そして立地が安いということで、王都で働く人などが多く住んでいる、
「ここにもいないのか」
ガッシャーン!
俺がそう呟いた瞬間、カフェテリアから皿が割れる音がした、不可抗力の割れた音ではなく、故意で割った音だ
「おっ・・・おまえ!おっ俺はここを管理しているなっ高貴なナエオスト様だぞっ!どうなるかわかっているんだろうな!」
小太りの貴族が指を指しているのは女の仲間を2人連れた白髪の冒険者だった、あいにく顔は人混みで全く見えなくなっている。
「うるせぇぞ、ゴミデブ、2度と俺のパーティに触るんじゃねぇ、次やったら本気で殺すからな。」
そう言い放った後、もう一度冒険者は小太りの貴族を殴ると、立ち去った
「なにがあったんだ?人混みがごった返しすぎてよく分からない、すみません、すみません、どいてください」
俺が人をかき分けるとカフェテリアのテラスに鼻血を流して気絶している小太りの貴族と奥にはそれの護衛?が気絶している
(なんで、この人達は誰も寄らないんだ?倒れているのに)
そう思い近づこうと思った瞬間、1人の住民が石を貴族の方に投げた。
「ざまぁ、みろ!バチが当たったんだ!」
1人が石を投げたのを皮切りに1人が、2人、3人4人とここにいる人か様々なものを投げつけて始めた。
「いらないんだよ!お前は!」
「この町の害め!」
「「出でけ!出てけ!出てけ!」」
寄り添うどころがこれまでの鬱憤を晴らすかのように石を投げ、罵倒を浴びせた、気持ちが悪い。それと共に俺の中で何かが重なってしまった。
「一緒だ・・・あの時と、救わなきゃ。」
俺は投げている人混みから飛び出し、住民の石が頭に当たろうとした時俺は貴族の前に立ちその石を剣で弾いた
「お前らおかしいよ、なんでそんなにこいつを嫌う、同じ人間だろ?」
「そいつは人間じゃないよ、俺たちをいつも見下す外道、だから俺たちがいましていることは復讐だよ復讐、こいつはそれをしてもいいだけのことをしている、バチは当たらないよ、それだけこいつのしてることは悪なんだよ。」
俺の質問に対しての回答は恐ろしく早く返ってきた。
「下手したら死ぬんだぞ?」
「そんなクズは死んだ方が世の為だよ、それでなんだお前、そんなやつ味方すんのか?」
「・・・味方とかじゃないし、こいつのことも知らない、俺はここに来たばっかでお前らの苦労も怒りも全く知らない、それでも、ここで見て見ぬふりが俺は1番嫌いなんでな!!」
そう言い切ると俺は2人を担ぎその場から走り去っていった。
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