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あのあと、私はボーッとしたまま、
タクシーに乗って帰宅した。
バスには、まだ乗れる時間帯だったけど、
泣きつかれて目が腫れていたり、メイクも
取れているから見られたくなかった。
タクシー運転手の60代位の男性は、
チラチラ私を見ていたけど理由は聞かないでいてくれた。
あれから、かえで から連絡は、ない。
私も返信をしていない。
何と打てばいいのか分からない。
「おふろ、はいらなきゃ。」
今日は湯船には浸からずシャワーで済ませた。
なにも考えたくない。
眠ってしまいたい。
ベッドに入ると、すぐに眠れた。
次の日から私はバスには乗らなかった。
車通勤にした。
あのバスには多分、かえでが乗る。
私は、逃げた。
毎朝、バスで、かえで に会えるのを
楽しみにしていたのに、
今は、つらい。
勝手だな。