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report 旧猿川村トンネル
藤見市猿川地区の山間にある猿川ダムの裏手に所在する。
以前は猿川村と外界を繋ぐ道の一つであったが、一九七一年に村がダム湖の底に沈んで以来、使われなくなった。
ある霊能者によれば、このトンネルは様々な複合的な要因で霊的に最悪な場所となっているらしい。
その大元は、今から四百年以上前の落武者の祟りに起因するのだという。
事の起こりは天正十五年の十月末。
この地を支配下に置いていた新発田家重が上杉家に負けて自刃し、その配下の者たち七名が猿川村へと逃げ延びてきた。
その際、七名の落武者たちは「春まで匿ってくれるのならば、別な場所に隠した金品を謝礼として支払おう」と村長に持ちかける。
村長はこれを一度は了承するも、村娘を使って酒を飲ませ、落武者たちから金品の在処を聞き出した後に殺害し、その首を上杉方に差し出したのだという。
この七人の魂を鎮める儀式が毎年行われていたのだが、ダムの建設により途絶えてしまった。
これがすべての元凶であるといわれている。
危険度ランク【S】




