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ゆるコワ! ~無敵の女子高生二人がただひたすら心霊スポットに凸しまくる!~  作者: 谷尾銀
【File21】人喰い忌田

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report 柿倉町


 この柿倉町には二つの心霊スポットがある。





 ・人喰い忌田


 田園を割って延びる県道の脇にある。

 今は何の変哲もない沼地であるが、畔にある地蔵堂が何とも不気味である。

 この人喰い忌田のように、耕作すると祟りがあるとされる田んぼの伝承は全国にいくつか見られるが、その場所まではっきりとわかっているケースは珍しい。

 伝承では、柿倉の住民に殺された物乞いの祟りで底なし沼となり、以降もその怨念が柿倉周辺で凶事を引き起こしているとされていた。

 しかし近頃、人喰い忌田の伝承に関する新説が郷土史研究家の九段昌隆氏によって唱えられた。

 それによると、物乞いの祟りにより田んぼが底なし沼になった訳ではなく、物乞いは田んぼが底なし沼になる事を予見していたに過ぎないのだという。

 これが事実ならば、人喰い忌田の伝承は恐ろしい怪談ではなく、人と人の擦れ違いが起こした悲劇という事になる。

 現在にいたっても、都市伝説レベルの信憑性(しんぴょうせい)ではあるが、柿倉周辺で物乞いの霊を目撃したという話がある。





 危険度レベル【E】




 ・柿倉いきいきの里


 元は一九九八年に廃校となった柿倉東中学校の木造校舎であった。

 長らく地域民の(いこ)いの場となっていたが、二〇一〇年に地滑りにより裏山の崖で大規模な土砂崩れが発生し全壊してしまう。

 この際、施設にいた一九九八年度の卒業生三十六名と職員六名が生き埋めとなって死亡した。

 現在は体育館が残っているのみで、施設は閉鎖されている。

 この大惨事の被害者である三十六名の卒業生が、人気女優としてテレビや映画で活躍中のSAKURAさんの同窓生であった事は有名である。

 そして、二〇二〇年二月九日、SAKURAさんが都内自宅近くで拉致され、柿倉いきいきの里の体育館に連れ込まれるという事件が発生した。

 犯人はSAKURAさんのクラス担任であった元教師のMである。

 Mにより体育館に連れ込まれたSAKURAさんは、どうにか隙を見て抜け出し、近くを通りかかった男性に保護される。

 なおMは、この男性により取り押さえられて拘束された。後に通報によって現場へと駆けつけた警察により逮捕されている。

 Mは取り調べに対して意味不明な供述を繰り返しており、犯行にいたった動機は依然として不明なままである。

 SAKURAさんを保護した男性は、警察がくる前に名を名乗る事もなく現場を立ち去ってしまったので、その素性は判明していない。

 因みにその男性の外見は『身長一九〇センチ以上もある体格のよい二十代男性』との事。

 現在にいたっても、その正体についてインターネット上では様々な憶測がなされている。

 

 また、これは事件の本筋とはあまり関係がない事なので、取り扱ったマスコミは多くはないが、現場に警察が駆けつけたあと、体育館の天井板が崩落(ほうらく)するという事故が発生した。

 関係者によれば、かなり大規模な崩落だったらしく、もしもSAKURAさんが自力で体育館から逃げ出さなければ、命はなかったのではないかと言われている。






 危険度レベル【B】

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― 新着の感想 ―
[一言] 九段先生によって新たな属性を手に入れた物乞いは、土地に関しての危険を知らせるものとして「土木様」とかそんな感じで祀られたりして 謎の男さん、さらにデカくされてる。そのうち男さんも怪談にw
[良い点] おぉ! オカルトに潜ませた“ざまぁ”ですね。 SAKURAさんは自分から柿倉を出たので“追放”ではないのでしょうが、仲直りしようとしても“もう遅い”な風味は感じます(死んじゃったしね! …
[一言] 毎度おなじみビビリでございます。今回も人と心霊のコラボホラー楽しかったです。 そして九尾センセに一行で片付けられた3年A組は草。 ところでクールに仕事熟したように見える九尾先生、しれっ…
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