report ギロチン踏切
県庁所在地の外れにある住宅街の真っ只中にその踏切は所在する。
二〇一八年二月十四日の二十時頃、この踏切で一人の女子中学生が自ら命を絶った。
しかし、なぜか現場付近から、事故で切断されたはずの彼女の首は発見されなかった。
それから更に時は経ち、二〇一九年の十一月だった。
ずっと見つからなかった女子中学生の首は意外な場所で発見される。
それは踏切から五キロほど離れたコンビニ店員の三十一歳の男の自宅からだった。
見つかった首はプラスティネーションに加工されており、他にも犬や猫といった生き物の標本も一緒に見つかった。すべてショーケースに陳列され保存されていたのだという。
そして、自宅一階の仏間からは白骨化した彼の母親の遺体が発見された。
取り調べによると、コンビニ店員の男と母親の関係は、良好とはいえなかったようだ。どうも抑圧的な母親を彼が一方的に疎ましく思っていたらしい。
後にこのコンビニ店員が二十年前に起こった、ある猟奇殺人事件の第一発見者である事が明らかになった。
そのときに彼は“死”に魅せられてしまったのだという。
危険度ランク【C】




