マイルドセブン。。......
「マイルドセブン」
マイルドセブン、くわえて、猫に餌やって、頭はげてて、だっさい服、着てて、不器用で、モテル、ええ親父。
僕かて心配ばかっりかけてた。高校喧嘩で中退。酒屋の店長で店のすみっこでおでん作ってて、足が長くて、自分のこと、xひろしや言うて、歯抜けな親父。ガキの頃、僕が失恋したことに、なんとなく、気付いて、「ドライブでも行くか」。僕は助手席で、クソガキのふりして、喫煙。「アオイ、落ち着いたか。そろそろ帰ろか」。悔し涙、流す俺に、焼き飯、作ってくれた。どつきあいもようしたわ。親父の一本背負いにはかなわへんかった。皆に頭下げて、いらっしゃいませ。ありがとう。店の真ん中で、マイルドセブン、ため息ついて吸ってる。「アオイ、大事な話があるんや。俺、コンビニ店長になるから、コンビニ、お前も手伝ってくれるか」。親父、今度はでっかいコンビニの店長になった。喫煙所でマイルドセブン、吸いすぎやろ、いうくらい吸いよる。親父、亡くなった。ばあちゃんより早く。立ち見の葬式。親父の体、固くなってもて。僕は。。。。親父、あの世でまたな。好きなこと、全部やらしてくれた。ボクシング、カーレース、バンド、絵。こんなにわがままで自分勝手な僕をかわいがってくれた。僕、生きることにした。マイルドセブンはもう、売ってないけど、僕は、また、煙草に火を点けて、原稿、作ってる。僕も40になった。今日はビールでも飲むか。親父。サンキューな。ほんまに、生まれ変わっても、親父の息子に生まれたい。人間、生きてること事態、わがままや。僕は、今日も感動して生きている。さて、行きますか。猫をナンパしに家島へ。