表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/23

Story 3

・・・サブタイトルを感想と間違えているよね?私達(千

「やっぱりダメか・・・タイムオーバーになるわ。左手を貸して頂戴」


 は?


 RiSは何を諦めたのか、椅子から立ち上がるや、硬直していた僕の左手を引っ張った。


 ぐいっと体が引き寄せられると、RiSと向かい合った。間近に彼女の顔!


 もうもう全く頭がついて行かない!


 「・・・目を瞑って、まずはそこから始めましょう」


 「え・・・!?」


 な、にゃに!?手!今、握られてんだけど!!

 こ、この展開は!?あれか!?つかどれだ?


 (この時の僕は、今考えてもバカ丸出しだったよ)


 よ、よ、よし、目を瞑ってみるか・・・。


 「さ、準備はいいわね。・・・飛ぶわよ!」


 「・・・は、は、はい?」



 (うん。最低だった)



 「OK、開けていいわ」


 「へ?何を?」


 「理解力あるの?目よ目」


 「だ、だってRiSさん何もして来ないじゃないっすか」


 ・・・。


 「あなた社会人一日目にして何を想像してたの?」


 「・・・すみません、開けま」


 反論はしまいとおそるおそる目を開けようとした。

 だが、そんな事より僕は思わず叫んでいた。


 「 燃 え る ! 」


 いや、ただあつかっただけだ。


 そう、焼けた砂を握った様に。そう握った様に。

 ・・・握ってるんだよ、正に!


 「あ゛っづ!RiSさんが砂になった!」


 「そう。ぐずぐずしてたら、ミイラになるわね」


 「あれ?後ろに居る!てか暑いし、手がメッチャ熱い!やめて下さいよ、酷いじゃないですかっイジメなんて」


 「理解力に加えて観察力も乏しいのね。焦げる前に周りを見てみなさい」


 そう言われて初めて、冷静になり目を凝らした。


 あらビックリ☆青い空、白い雲、そしてどこまでも続く砂丘。


 ・・・砂丘?360度全て砂だと・・・?


 「どこすか、ここ」


 まるで機械音みたいな声だ。


 「東経29.9752587度 北緯31.375674度よ。平たく言えばエジプトね」


「エジプト?うそでしょう」


 本当、機械音みたいな声だよ。


「横を見てみなさいよ」


 横を見た。砂岩みたいなのそばにあるだけ、自然と顔が上向きになる。


 デカイな。デカすぎてわからないけど・・あれって顔なのか?


 RiSはというと、空を見上げるその瞳には何の迷いもなかった。


 涼しげな表情。やはりこの人にはリーダーの風格。


 「前を向いてまっすぐ行けばいいわ」


 意味深な言葉だ。初めての僕を気遣ってくれてるのだろうか。優しいところもある。


 「あなたが先に進んでくれないと、私が日に焼けちゃうじゃない」


 「ん?あぁ、そうですね。こんな砂漠じゃ僕しか日陰が―――――――って



 あ゛ぢ ぃー―――――― ! 」



 RiSへの理想像が崩れた瞬間だった。


 「男なのにだらしがない。新人君、これしきレディの為。耐えなさい」


 「はい・・・」


 二度とRiSを甘く見ないと決めた。何がなんだか分からないが、今日一日は耐えてやる。


 歩きだして少し経った。振り返った僕は、現実と向き合わなきゃならなかった。 


「アレ、スフィンクス・・・だったのかよ・・・」



 信じがたいが、会社の誰も嘘は言ってないんだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ