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File 2 Story 9

 緊張感しかない。

 どうしよう、どうするReD

 →戦う

  立ち向かう

  逃げる

  逃げる

逃げる



「何を考えているのかしら?ReD」


「いやっ!こいつは悪くないんすよ!RiSさん!」


「じゃあKaZはちゃんと考えているのね、この問題に対して」


 KaZは考えていた。

 →逃げる

逃げる!

 ◎逃げる!!


(僕より酷い・・・。)



 KaZの手首を取り、引き寄せたと思ったら見事に一本背負いを決めたRiS

 華麗過ぎて唖然とする3人。

 RiSが小さくため息を吐くと、2人は自分もやられる!と身を縮こまらせる。



「ReD、貴方はその女の子を送り届けなさい。それが今回のペナルティよ」


「あ、はい!」


(って、どーやって・・・?)


「KaZはこっち来なさい!」



 と、会議室へ引き摺られて行くKaZとRiSに



「彼女を届ける方法は!?」


「そんなのステフに聞けばいいでしょ!?こっちは忙しいのよっ!」



 少し声を荒げてドアに入っていった2人。

 バタンッ!と戸が荒く閉まるとRiSの低い声とKaZの男性にしては高い、悲鳴にも取れる声が会議室越しに篭って届く。


(RiSさん、怖っ)



 RiS最恐説浮上なのである。



 震え上がる2人は、ステフの声で我に帰る。



『あの~、呆然としてますけどコレ日常ですから。フツーなので慣れて下さい』



 女の子は何が起きているのか分からず、声の主を探してキョロキョロと首を忙しそうに動かしている。

 ReDはステフだと分かったので腕時計を眺め、釣られるように女の子の視線も時計に流れた。



「お兄ちゃん、もしかしてその時計・・・喋る?」


『こんにちは、貴女が対象者ですね』



 ステフが挨拶をするとビクッとした女の子。

 当然だ。僕だって最初は驚いた。



「喋るよ、不思議な時計なんだ。他にも色々気が利くよ」


『私の説明、雑過ぎませんか?』



 訝しげな顔でステフを見る女の子。

 一先ず彼女を放置して、ステフとの話を進める。



「そんな感じだろ。で、どうやって送り返せばいいんだ?方法が分からないんだステフ」


『そうですね、そこが問題なんですよね~

 ・・・』



 あっ、と思い付いたように話始めるステフ。



『今、あの時の地震によって空間と時空の歪みで本来の歴史書に変更が生じています。その混乱に乗して彼女を返して来て下さい。リミットは5分です』


「え?どうゆう事?僕が一番混乱してる!」


『詳しくは今から簡易スポットを作るのでその間に説明します。そのスポットを通じて彼女を元の世界に送り届けて下さい。私の技術ではそのスポット開けていられるのは5分間が限界なんです』


「何となく分かった!よしっ行こう!」



 と、ステフと僕はボルテージが高くなっていたが、彼女は置いてけぼりて不安そうに瞳を揺らめかせていた。

 一人だけ温度が違う事に気付いたReDは



「もう、父さん達の元へ帰れるよ!もう大丈夫なんだよ!!」


「・・・本当に?お兄ちゃん、一緒に来てくれるんだね」


「うん、一緒だよ!だから行こう?」


「じゃあ時間がない、この前みたいに僕に抱き付いてくれるかい?」


「うん!」


『準備は良いみたいね、こっちもOKよ』


「目を瞑って」



 三半規管がおかしくなった気がしたと思うと、すぐ声が響く。



『何度も言いますが、リミットは5分です。その間に記憶を消して返して来ちゃってね』



 その声に2人は驚き目を開け、茫然とした。

 そこは地震で崩れたままの村だった。



「・・・やっぱり現実だったんだね」


「え?」


「10日くらい経ってるから人が手を着けた痕があるけど、あまり変わってない。あの天変地異は現実だったんだなぁって」



 寂しそうに呟く彼女にReDが悲しそうに言葉をかける。



「・・・君、そんな事考え・・・『あの~・・・』」


 そんな言葉はステフに遮られ、ReD哀れ。



『すごーく言い辛いんですが、またも私の力不足でリミットが3分になりました。急いで下さい』



 このタイミングで何だよ、それ。



「僕今、良いセリフ言えそうな雰囲気だったのに・・・」


「現実なんてそんなものだよ、お兄ちゃん。現実逃避もしたくなるでしょ?めげないで、私も頑張るから」


「・・・うん、泣かない」



 遠くから聞き覚えのある声がする。


「キャシー!何処行ってたんだ!!


「パパ!」



 此方に向かって駆けてくる村の長。



「パパに会えたよ!お兄ちゃん!!」



 彼女の額にステフを翳しながらReDは返事をした。



「うん、良かったね」



 と、当時にステフで彼女の記憶を修正した。



『リミットです。強制帰還します』


「パパー!!ただいまー!!」



 彼女は父親の元へ駆けて行った。

 大きな声が余韻を残す。


(バイバイ)



 と、目を瞑り現代に戻るReD達だった。


 。

 。

 。

 。

 。


『お疲れ様でした』



 チームルームには誰もいない。やけに静かだった。

 あまりに静かなので、



「えっと、ステフ。1つ聞いても良い?」


『嫌です』


「なんでやねん!ってそうじゃなくて、そーゆー所ってゆーのか、なんてゆーのか・・・」


『はっきりして下さい』



 また怒られた。



「それ。君って何者・・・?凄く生っぽいっと言うか、KaZさんより返しが絶妙というか」


『それ先パイ貶してません?私はフツーの人間ですよ、生身の。会えば分かります』


「え・・・。ってか会えんの!?」


『はい、今日システムメンテの為に本社に居ます。会いますか?』



 急に言われても困る。

 たじろいでいたReDをステフは察しちゃったらしい。意地悪なオーラを感じる。



『・・・じゃあ、私から会いに行っても良いですか?』


「い、いや!急過ぎでしょ!心の準備くらいさせてくれ!」



 ReDが焦るのを尻目にステフはふふふっと笑っていた。



『冗談ですよ。これからもよろしくお願いしますね、ReD』



 うん、と頷くのがやっとだった。


 ステフ、黒い・・・。


 てか、呼び捨てされた!


 本当に人間っぽいぞ!


微笑ましいですね。

説明が多いですね。

ReD氏は何故ステフと出会い厨してるんでしょうね。

女って怖い←

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