醜いもの:前編
また一匹のゆっくりが被害にあった。
この頃ゆっくりを狙った殺餡事件が多発している。
しかも犯人は胴付き、しかもかなりの美ゆっくりを狙うのだ。
美ゆっくりはほとんど人間と暮らしている為当然飼いゆっくりが被害に会う。
恐ろしいのが死体の胴には中身が一切残っていない事だ。
ゆうか、てんこ、れみりゃ、ふらん等の強力なゆっくりや、ゆうかにゃんやうどんげやらの可愛らしいゆっくり達も見るも無残な姿にされている。
愛護団体や警察も動いているのだが犯人はまったく見つからない。
飼い主は怯え、自分のゆっくりを外に出さなくなった。
さて、このような事件の中一人の金バッジ胴付きみょんがぶらついていた。
「みょみょみょ〜ん♪」
みょんは鼻歌を歌いながら歩いていた。
「まったくご主人様も酷いみょん!みょんにわざわざお使い行かせるなんて…まぁ、そこがいいんだけど。だみょん」
みょんは幸せそうな顔で笑った。
「ゆぎゃあ!」
突然何かがみょんの前に吹き飛んできた。
それは身体中傷だらけの胴付きすわこであった。
「みょ!?どうしたみょんその傷!?早く治療しないと死んじゃうみょん!」
「あー…うー…助けて…殺される…」
すわこはボロボロであった。腕はズタズタ、脚は片方を食い千切られている。胴にも針が何本も刺さっておりもはや虫の息である。おそらくこんなことになるまえはそうとうな美ゆっくりだっただろうとみょんは思った。
「大丈夫だみょん!今すぐ治療を…」
ヒュッ
何かが風を切る音。その瞬間すわこはみょんを突き飛ばす。
「みょ!?なにするみょん!?」
次の瞬間すわこの額には矢がグサリと突き刺さっていた。中枢餡の位置であった。おそらく死ぬ。
「おにい…しゃん…ごめんね…あー…うー…」
すわこはバタリと倒れた。みょんは
「あああ…あ…あ…」
自分の目の前でゆっくりが死んだ。その事実を受け入れられなかった。
みょんは矢が放たれた元を見た。
胴付きのゆっくりがいた。ただ、見るもおぞましいゆっくりが。
その羽根は片方はふらんの羽根。もう片方はれみりゃの羽根。お帽子はまりさの帽子。但しボロボロで傷だらけで中から目のような物が見える。体はみょんのような体。足はちぇんのような足をしている。その目は憎悪と嫉妬につつまれており、身体中に餡やクリームの汚れが付いている。
「…」
「みょみょみょみょみょ…」
みょんは動けなかった。その見るもおぞましい姿に。人間であったら絶対にSAN値がガリガリ削られていただろう。
その化け物は素早い動きでみょんの首をつかんだ。
「うぐっ!?な、やめるみょん!」
化け物はみょんを押し倒し、首に力を込める。
みょんは必死に抵抗するもふらんのような腕力で押さえつける。
「か…や、やめて…死んじゃう…みょん」
体が震え出した。すると腕の力が緩んだ。
「げふっ、ぐふっ!はぁ、はぁ、はぁ…」
みょんは泣きながら呼吸をした。
「うぐっ、ひっく、な、なんでこんなこと…」
再び首に力が入る。
「あぐっ…あ…みょ…」
今度は拳もくわえてくる。
「あぐっ!ぐえっ!ぐぼぉ!あ…や、やめいぎゃっ!」
みょんの顔面を何の情もなく殴る。
耐え難い痛みの中、みょんは化け物の顔をみた。
笑っていた。はっきりと、殺すことを心底楽しんでいる。
みょんが抵抗するの事ができなくなると化け物はみょんの服を脱がし始めた。
「みょ…みょんの服脱がさないでぇ…」
上着を脱がし始めた所で
「そこまでだ!やめろこの化け物ゆっくり!」
「うー!」
偶然通りかかったお兄さんが止めに入ってくれた。
「チッ」
化け物ゆっくりは舌打ちを一度するときめぇ丸のごときスピードで塀をこえ、逃げて行った。
「うー、大丈夫だどぉ?うわ、すごい傷だどー!」
金バッジの胴付きれみりゃがみょんに駆け寄る。
「ううう…怖かった…怖かったみょん…殺されるかと思ったみょん…」
みょんはれみりゃに抱きついて泣きながらいった。
「うー、もう大丈夫だどー。れみりゃが守ってやるどぉー」
後日、この事が元で犯人が解り、即座に連続殺餡犯は捉えられた。このゆっくりは合成ゆっくりといい、それぞれのゆっくりの強みを合成してつくられたいわばキメラである。ただ、いろんなゆっくりが合成されているため、多重人格であるらしい。
続くんじゃね?