閑話:Toilet & that kind of stuff
トイレの話しとか、下の話題なので不快に思われる方がいらしゃるかもしれません。
上記の話しを見るのが不快という方は、ここは読まないでください。
読まなくても話しに影響はありません。
こう、もしタイムスリップした時にこう言った事への対応はどうするのかな?と思ってつい・・・。というか、こういう話題を書く方はいないですよね。すみません。。。
土岐が文机から取り出したのは、平成の時代のノート。
その表紙には「Memo」と書いてある。
日記を続けてつけるのが苦手な土岐は、気が向いたときに思ったことをこのノートに書き込んでいた。いわゆるう日記(仮)だ。
雪隠は東西南北にある位置により、その呼び名が違ったようだ。東司、西浄、厠、後架。
江戸では全て「雪隠」で落ち着いていたようだけれど、いいじゃん、一つの呼び名で!と平成時代の私は思う訳で。「厠」って言葉はたまに聞くけれど、後の単語は聞いたことがなかったよ・・・。
この時代に来て本当に困ったのが、何をおいてもトイレ。
トイレと言えば、一番プライベートな空間。
そこは誰にも邪魔されたくない空間だ。
なのに。
ここのトイレは当たり前だけれど男女共同、中に誰か居るのが分かる作りになってる。中に誰かいるのが解るんですよ?ええ、外から見えるんです。
平成の時代には用を足す時に自動的に音が出る雪隠を使っていた私としては、最初は本当に耐えられなかった。
江戸時代、そんな庶民の憧れは内後架。これは家の中にトイレがある状況を言う。
残念ながら、花屋町通り医院には内後架はないけれど、一旦外に出ると廊下が続いており、その途中に雪隠があるのでトイレに行くのに雨に濡れる心配はない。それだけでも感謝をするべきなんだろう。
私がここに来て、テーブル、診察台、椅子なんかを大工さんに特注で作って貰った。
その中でもこと、トイレに関してはリフォームを要求した。
考えてもみて欲しい。ここには嶋田先生、松吉さん、お香代さんと私の大人4人が暮らしている。
松吉さんとお香代さんは恋人同士だから良いとしても、私は、いくら家族みたいだと思っていても、無理。現代のシェアハウスだって、トイレに関するルールはあるはずだ。というか、トイレに入ってる人が外から見えるのだけは勘弁してほしい。もちろん、見られるのはもっと耐えられない。
雪隠は地面に深く穴を掘り、その周囲は焼き物のカメが埋め込まれている様な形だった。これ自体は変えられないので、誤って落ちない様に両脇に板を置いて貰った。
また、扉はフルサイズの扉をはめて貰った。
人が入っているかどうかは、扉に付けた木札で「使用中」と「空」を裏返して使って貰う事にした。上と下が空いている扉で用を足すのは本当に落ち着かない。
贅沢を言えば男女分けて欲しいけれど、さすがにそこまでは言うまい。
私は医者でありながら、出かける時はなるべく着流しを着る様にしている。
本当は袴の方が動き易いけれど、袴だとトイレの時に困る。
いわゆる角屋の様なお店のトイレが内後架であっても、中に人が入っていれば見えるのだ。
着流しであれば、色々と工夫が出来る。
ちなみに、現代では立って用を足すのは男性だけだけれど、ここでは今も女性が立って用を足す事も普通にある。・・・考えられない。
女性と言えば、月の物がある訳だけれど、あんなふんどしみたいな物で経血を受ける事なんて出来るはずがない。その間女性は家に篭りがちになるので、これは何とかならないかなぁと思っている。
私はと言えば、お土産で買ったエコナプキンをメインで使って何とかしのいでいる状態。でも、あれも消耗品ではあるから、何とか代用品を作れないかと密かに思っている。もしかすると、一大マーケットになるかもしれない。
それから、私が思っていたよりもここは不純異性交友に寛容と言うか、性に対してオープンなところだ。特に男性。いつの時代も男性とは女性が好きな訳だけれど(もちろんそうじゃない人もいるけれど)、人にもよるが、とにかくオープンだ。新選組で男色が流行って近藤勇が困っている、と言う話が残っているけれど、平隊士が規則で女性と付き合えないなら、何と言うか、うん。それも頷ける気がする。
私の知人の中で知る限り、女遊びで遊郭通いをしているのは栄太郎。きっと女好きの俊輔さんにでも連れて行かれてるんだろう。俊輔さんには会った事がないけれど、私の中ではかなり女性関係で印象が悪い。そういう人が未来の初代首相っていうね・・・。
ともあれそうなると、自ずとSTD(性感染症)のリスクが上がる。
STDはとてもシビアな問題で、特に瘡毒(梅毒)は死にいたる怖い病気だ。それ以外にも怖いSTDはある。・・・とは言っても感染予防も出来ないし、集団検診をするにも難しい。
こればかりは、自己責任に任せるしかないだろうか。
風邪なんかには、にんにくや山葵なんかが天然の抗生物質とか言われているけれど、STDにはなぁ。
これには嶋田先生も私も悩みが尽きない。
そんなこんなで愚痴も沢山あるけれど、もちろん良いところもあるこの時代。
質素倹約、リサイクルも十分に徹底されている。そして食物は全てがオーガニック。
ほぼ100%に近い自給自足率だ。
とにかく私が思うのは、何時の時代も自分の出来る事をコツコツとやって行くしかないのだ。
つらつらと思った事を綴った土岐は「文久⚪︎年⚪︎月⚪︎日 晴れ」と日記(仮)をしめくくった。