現実≠理想
非常に突拍子もないことをいうようだが、俺は「オタク」である。
いわゆる二次元の女の子が大好きなのである。
理由を聞かれると、数え切れないほど挙がるが、ひとつ述べるとすればそう、「理想」そのものだからである。
理想と現実、なんて両者を対比するような言葉をよく耳にするが、これは実に的を得た言葉だと思う。
表と裏、白と黒みたいなものだ。そう、「絶対に等号で結ばれることのないもの」なのだ。
ならば、逆説的に考えて現実は理想ではない。これも割と的を得ている理論ではないだろうか。
現実が理想ではないなら、現実とは異なる理想というものを確立しなければなるまい。
それが二次元。いうなれば理想。いうなれば癒しなのである。
もちろん無理強いはしない。人それぞれ考え方は違う。
が、俺、二三現は中1のときから4年間に渡り、この考えを胸に生きてきた。
現在、高校2年生の始業式を終え、家路に着いている。
俺が今日のアニメは何から見ようかと思案していると、頭上から声が……聞こえることなんてなく、なんの起伏もないありふれた帰り道を歩き、家に到着した。
友達とかもいず、帰宅部であるため、授業が終わるとすぐに帰宅するため、今日も玄関のドアを開けるのは午後5時ぐらいと、まだ夕方である。
と、早速アニメを見ようとした瞬間に重い眠気に襲われる。
ああ、わかった、今日の体育で無理をしすぎたんだなうん。
僕はもう疲れたよ……なんだか眠いんだ……なんて決まり文句を思い浮かべながら1時間ほど仮眠をとることにした。
やはり眠気が手伝ったためか、すぐに俺はこんこんと眠りに堕ちた。