見えない所も美しく!
ぐはっやられたぜ!この無防備な感じ!
もうっ☆どれだけ私を虜にしたら気が済むのっ?
裏側の目立たない所に回ったら、サルノコシカケが生えていた。
懐かしー!でもジメジメしてるって事だよね。
ちょっと木を切らないとねー。風通しが悪すぎるんだ。
のこぎりでギコギコと切って行く。
周りの木まで美しく!360°どこから写真を撮られても美しくしてみせるわっ!
** * * *
何か不思議な音が聞こえる。
ゴリゴリというか、バキバキ!?
木を切っているのか?
やっぱりいるんだな?
でも、木を切っているなら、男なのか?
これは確かめなければ!
「どこへ行かれますか?」
「あっ不審な音が・・・」
「では、それは私が確かめますので、どうぞ仕事にお戻りください。」
「それは・・・分かった。」
叔父には逆らえない。隙を見ようかと思ったが、入口からこっちを見張っているし、今日は無理だろう。
せっかくのチャンスだったんだがなあ。
** * * *
「ジュンさん、こんにちは。」
『あれ?オーナー?どうされました?』
「あー失礼、昨日、こちらにライターを忘れた気がしまして。」
『そうですか。すぐ確認しますね。』
「何をされてるんですか?」
『え?裏側が風通しが悪いらしくて、キノコが生えちゃっているんですよ。伸びた木をとりあえず切ろうかと思いまして。』
「危なそうな事は、業者さんに任せてくださいね。管理を任せたせいで女性に怪我をされても困りますので。」
『あっそうですね。じゃあ、こちら側は業者さんにお願いしましょう。』
「そうしてください。」
** * * *
「どうだった?」
「木の枝が折れていただけですよ。」
嘘だ。そんな音じゃなかった。何を隠してるんだ?
「ずいぶん時間が掛かったじゃないか?」
「裏側までじっくり確認しましたので。さ、この書類の束までサインしてしまいましょう。」