封じられた過去 その5
[ジャーオバサマ。行ってきますね][ゴメンね。みずほチャン。何もできなくて][お構い無く。列君には早く起きないと遅刻よって伝えといて下さい。ジャー][またいらっしゃいな。いつでも]
[さて。1日たったし行き掛けに家に帰るかな。アラ。ママだ。こんな朝早くお出かけ?………コレは怪しい。ママはクラブに勤めてるから朝は遅いはず]
みずほは学園に休みの連絡を入れ、尾行した。
[ハー………変なの。親子なのに探偵ゴッコなんて。でも………怪しいのは向こうなんだわ。悪くないもん]
みずほの母はオープン前のショップに並んでいた。
[あの子喜んでくれるかしら?もうすぐ誕生日だからねぇー][あのバカ親!またセクシーなお洋服で男を惑わす気ね。間違い無いわ。私が並んだらバレるわね。お店が開いた隙に止めるしか無さそうね。まったくもー生活も苦しいのに買い物なんて。今日こそガツンと言わなきゃダメね]
お店のオープンまで温かいココアで時間を潰すみずほ。
オープンと同時にドーッと人が流れる。
[アノ〜…………若い子向けのアクセサリー頂けます?ギフト用に包んでちょうだい][チョット!ママ!ナニ無駄遣いしてるのよ!][アラ、みずほチャン。ちょうど良いわ。どう?このアクセサリー][どう?じゃないわよ!いい加減、若作りはやめて!みっともないじゃない!][ナニ勘違いしてるの。貴女によ。プレゼント。誕生日でしょ?ちょうど良いわ。久しぶりにショッピングでもしない?女子会でも][ママ…………そうだったんだ。忘れてたよ。今日、誕生日だったんだ][早く早く!選びなさい。売り切れるわよ][ウン………ママ!………大好き]みずほはその日、母親とショッピングを楽しんだ。久しぶりの笑顔に母親は幸せだった。
[ママ!ありがとう。気にして無いよ。四回目の離婚なんて。なんでかな?なんでママの良さがわからないかなー。イケてるのに][難しいのよ。恋愛って。善し悪しなんてあってないものなんだから。仲が良いだけじゃダメなのよ][そうかー。私の今の彼氏もそう。男ってバカよね。大丈夫だよ。ママ。私だけはママの味方だからね。五回目があるんだから][そうね。苦労かけるわね。みずほチャン][気にして無いよ。私だけのママならそれで良いじゃない?アッ…………ダーリンからだ。チョット待ってて][………もしもし。私だが、ファントムの香水が手に入ってね。届けに行きたい。会えるかな?][ウ〜ン………今日はママと一緒だからまた明日とか大丈夫?][じゃあ明日会おう][オッケー。ジャーネー][どうしたの?みずほチャン][ン?今の彼氏がね。ファントムの香水をプレゼントしてくれるの。明日][ファントム?やめときなさい。今その香水を使ったトラブルが増えてるのよ。私のクラブの常客も行方不明とか][…………そうなんだ。やめとこ。そんなヤバイの][電話貸してみなさい。ママが断ってあげるわ][ウン。オネガーイ]
みずほの母親は彼氏に連絡した。[ハイ。大丈夫よ。ファントムじゃなくても香水なら、ママの使って良いから。今度メイクも教えるわね]
アレ?ママってこんな逞しかったんだ。なんだか安心した。
[ママ……………ゴメンね。家出なんかして。私………][アラ?あの服試着してみない?みずほチャン。キット似合うわよ。ネッ。そうしなさいな][アノ〜………ママ。ゴメンね][良いから着なさい。コレ][私…………可愛い?][そうね。さすが私の娘だわ。ピッタリじゃない]
こうしてみずほと母親はいつのまにか和解したらしい。山盛りの荷物を持つみずほがそこにいた。
続く




