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小説家

掲載日:2026/04/05


畏れ多くも、歴代の名だたる文豪たちを、この天秤に掛けようなどとは思いません。

ただ私は、私が生きる時代の、私の中のあるがままを記します。


AI。

良いと思います。

AIが物語を描いても……それが時代ですから。

意にそぐわないのであれば、退場して頂いて結構です。

私は、AIという〝普遍〟が出て来たことで、より作家様たちが輝く時代が来たと思っています。

AIが生成する物語より、人間が描く物語の方が、カラフルだと思っていますので。

それはパレットの話ではありません。

パレットに無い色を作れるのが、小説家だと思っています。

〝色〟じゃないものを、〝色〟に出来るのが、小説家なのです。

AIが一生懸命に大量の〝無色〟を生成し続けてくれるおかげで、私たちが作った色がより際立つのです。


よって、異世界も、転生も、良いと思います。

私自身は苦手ですが、これは、嫉妬や妬みに近しい感情だと理解しています。

私には書けません。

書こうという意欲が湧いてきません。

きっと私は、その属性を持ち合わせていないのです。

モンスターを倒してレベルアップするよりも、最初の村で人間観察をする方が好き。

深層心理を擽って、魔王よりも悪い部分を炙り出すのが好き。

そういう人間なのです。


どちらに於いても許せないものがあるならば、それは、魂を切り貼りする者です。

AI学習然り、テンプレ然り。

例えば、AIで小説を書く者は、AIよりも小説を理解していなければならない……と、思っています。

AIが生成したその一文が、誰かの魂の執筆を盗用したものでないか判別出来なければならないのですから。

フリー素材のように借りて来たテンプレが、誰かが人生を賭して吐き出した魂ではないか見極めなければならないのですから。


土台無理な話なのです。

幼少期に習った文字を使っている時点で、我々に真のオリジナリティなどない。

どんなに素晴らしいレシピを作れたところで、醬油ひとつ醸造出来ない。

どんなに心を揺らす曲が作れたところで、殆どの場合その旋律を奏でるのは既製品である。

小説家とて同じ。

原稿用紙を製造出来る者がどれほどいるだろうか。

そのペンは? そのパソコンは?

私たちは皆、どうしようもないほどに、歴史の上に立っているのだ。

だからこそ、敬愛と尊重が必須なのだ。


それでは、私たちは何を記すのか。

なぜ、物語を書き続けるのか。

売れたいも実情。有名になりたいも実体。

ただの承認欲求であることも、また本質。

ただ、自分を残したいのです。

この時代に自分が在ったことを証明したいのです。

だからこそ、自分の中から溢れ出て来たものを描くのです。

少なくとも私は、そういった書き手の方が好きですし、私自身そうで在りたいと思っています。


AIと共に生きる。

これは、私がSNSのアカウントIDとして使っている言葉です。

しかし、決して『AIとの共生』という意味ではありません。

『AIが在る時代に、如何に人間が人間であり続けられるか』です。

AIが、AIを否定する時代です。

私たちは、無秩序の入り口に立っているのです。

どんなにみすぼらしくとも、どんなに愚かしくとも、

あなたが人間であり続けることを願っております。


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