「最後の1票2」
ホウセイも木太郎がくそたに殴られるのを見て、
思わず笑い出してしまった。
「あははは、すいません。
今回もすべてバレたようですので、
あははは」
くそたが今度はホウセイに蹴りを入れる。
「真面目にやれ」
「す、すいません。
では、真面目に行きます。
最後の1票は2番です。
ということは、
優勝はなんと3票の6番ヒトメさん、おめでとう」
「やったー、地獄から天国よ」
ヒトメが不機嫌なアユメに抱きつく。
「やめてよ。これから私はじゃんけんなんだから」
「そうです。
2票が5番のアスカさんに、
最後に助かった2番の誰かさん。
そして、
ブービー候補が3,4,7番です。
その方は前に出てきてください」
その時、
わざとらしくもとこが笑う。
「えー、私」
とアユメがそう言って、前に出る。
続いてレイカもうつむいて前にでる。
「あれ、もう一人は誰ですか。正直に前に出てくださいよ」
「そうだよ。インチキはだめだよ」
少し笑いがおさまった木太郎が鼻をほじりながら言う。
「あのー私なんですが」
とチウメが言うと、
「何番ですか」
「あのー7番なんですが」
「そういうことですか、
チウメさんは207号室行きはなしですから、
3番さん、4番さんの
アユメさん、レイカさんで、
じゃんけんで決定ということになります。
尚、幸運な2番はもとこ先生ということになりますね」
とホウセイがわざと言うと、
もとこはわざとらしく、
「私に投票してくれた生徒さんありがとう」
とにっこり笑って手をふる。
木太郎だけでなく、
このときは
永久もおちたもくそたも
もとこの堂々とした嘘つきぶりに笑いを堪えきれず
思わず大笑いしてしまった。
「お返しだ」
木太郎はくそたのケツに思いっきり蹴りを入れた。
「いてー、すまん、俺まで」
「何、男子たち、
人の不幸を笑ってんのよ」
と笑いの理由を勘違いしたヒトメが偉そうに言う。
このとき、もとめが凄い顔で
もとこを睨みつけていたが誰も気づかなかった。