「もとこVSもとめ」
もとこは、
アスカにお疲れというと、
アスカの解答を見て、
ばかな子ねと思いながらにやりと笑った。
そして、
トイレの中の絵を確認することもなく、
もとめを残して先に部屋を出る。
アスカの後でアスカの解答内容を見ていたもとめは
姉ってバカねとにやりと笑った。
最下位の発表は、
また、食事後行われた。
「それでは、今回のテストの発表をします。
まず、正解者は全部で8名。
名前を順に発表します。
順不同で、アユメさん、ヒトメさん、チウメさん、
レイカさん、木太郎くん、ホウセイくん、おちたくん、永久くん、おめでとう」
この時点で、アスカの最下位は決まったようだったが、
その時、「姉さん、1人抜けているわよ」ともとめが口を挟む。
怪訝そうな顔で、
「もとめ、これで全部だけど、誰?私が忘れたのは」ともとこが言うと、
「アスカさん忘れているじゃない」
ともとめが平然と言う。
「私、アスカさんの後にいたから解答を覗いていたけど正解よ。
207号室のトイレに飾ってある絵は花でしょ」という。
もとこの顔が急に険しくなる。
「あの絵はお城よ。それに背景に花もないわよ」ともとこが反論すると、
「それは姉さんの部屋じゃないの?
私、さっき確認したけど、
207号室のトイレの絵は確かに花よ。
厳密に言えばクロユリよ」
と反論する。
「もとめの方こそ勘違いよ」
と
もとこも譲らない。
「じゃあ、こうしましょう。
もとこ先生ともとめ先生で間違えた方が
明日207号室に泊まるということでどうですか」
と、
アスカが正解だと負けるくそたがずる賢く提案する。
「くそたずるいぞ」
と木太郎が言うが、
「いいわよ。
私はそれで私が正しいんだから」
ともとめが先に強気で言うと、
「私こそ、正しいのよ。それで結構よ」
ともとこもムキになって言う。
「ええ、くそたくんずるいわよ。どうせなら、今日の私に変えてよ」
とヒトメが言うと、
「今日はコンテストがこの後あるからねえ」
「じゃあ、
今日、もとめ先生が正しかったら
くそたに207号室に泊まらせればいいじゃないか」
と
おちたが言うと、
「おちたくん、ありがとう。
くそたくんは男でしょう。
ねえ、代わってよ。お願い」
と
ヒトメがくそたの顔をにっこりとした顔で見て
ぺこりと頭を下げる。
「うーん、
じゃあ。
コンテストが終わってからでいいのなら、
今日は俺が207号室に泊まってやるよ!」
「まるで、
もとめが正しいみたいじゃない。
じゃあ、もとめが正しかったら、
それでいいわ。
その代わり、あたしが正しかったら、
今日はもとめで明日はヒトメさん。
それでどう?」
もとこが言うと、
「わかりました」
とヒトメが頷いた。
「じゃあ、早速、便所に行こうぜ」
と木太郎が気楽に言うと、
「きたねえなあ。トイレだよ」
とおちたが言うが、
「どっちでもいいから、早く行こう」
と
くそたがもう歩き出す。
「あんた、覚えておきなさいよ」
と
もとこがもとめを睨むと、
「姉さんこそ」
と
もとめも睨み返した。