「木太郎の真犯人自白作戦第二ステップ2」
「木太郎にしては、
珍しくちゃんと話しをしているなあ」
と、
くそたが思わずつぶやく。
「ゴホン...」
その言葉を聞いたホウセイが木太郎の方を見て、
普段どおりにしろと目で合図した。
「えー、
実はこれが本来の私の姿で」
「ゴホン...」
木太郎が作戦にないことを話し出したので、
ホウセイがわざとらしい咳をして、
木太郎の方を見た。
すると、
何もしらないくそたが、
「木太郎のわざとらしい話し方といい、
今のホウセイの咳といい、
なんかおかしいぞ。
おまえら、何か企んでいるな。
オチタの性格を考えれば、
人を殺すわけがないくらいわかるだろうが」
と、
意外に勘の鋭いくそたが木太郎とホウセイの様子を見て、
その不自然さを指摘した。
その言葉を聞いた永久は、
このまま木太郎に話させるのは、
まずいと考え、
「くそた、
そこが今回の事件の盲点だったんだ」と、
3人の作戦では本来なら木太郎が話す部分を一部飛ばして、
自分で話しだしたのだった。
「くそたの言うとおり、
オチタは普通なら人を殺すような性格の男ではない。
しかしだな。
他人を守るためなら、自分を犠牲にすることができる男なんだ。
木太郎はわざとオチタの態度が見苦しいと言ったが
それには後で話す理由があるんだよ。
まあ、その点は後にして、
オチタのそういう性格はくそたもわかるよな。
で、
本題だが、
今回、
オチタがもとこ先生を殺したのには、
二つの大きな理由があったんだ。
いいか。
ひとつは俺たち全員を守るため。
そして、
もうひとつはもうひとりの共犯者の手を汚さないためさ。
わかるか」
永久は、そこまで話して、
くそたから順に女子の顔をゆっくり見回した。