「最後の詰め?と動機と木太郎の新推理の弱点」
ホウセイは、
少し考えてから、
「要するに、
木太郎は、
アユメが、
もとこ先生、
もとめ先生、
アスカとチウメが立てた、
合計3つのサプライズ計画を知り、
それを利用して、
チウメのナイフを本物にすり替えて、
おちたを使って、
自分が万引きしていたことを知っていた、
もとこ先生を殺させた
ということだろう?
たしかに、
可能性は否定しないが、
仮に、
オオシマがもとこ先生ともとめ先生のサプライズ計画
を本人と勘違いして話していたことが事実で、
かつ、
アスカとチウメのサプライズ計画が存在していたとしても、
アユメがナイフをすり替えた、
という証拠はないし、
そもそも、
木太郎の推理は偶然が重なり過ぎている。
だから、
今の状況証拠だけでは、
アユメを犯人だと断定するには無理があるな」
と、
木太郎の推理の弱点を指摘したのだった。
「俺もホウセイと同意見。
木太郎の推理は面白い発想だとは思うけど、現実的ではないな」
と、
永久はホウセイの意見を聞いて、
先程とは違い、落ちついて木太郎の方を向いて話したのだった。
すると、
木太郎は、
「要するに、
アユメが、
アスカちゃんとチウメちゃんのサプライズ計画を知っていた
ということと、
アユメがチウメちゃんのナイフをすり替えたということを証明できれば、
二人とも、俺の推理でいいってことだろ」
と、
鼻をほじりながら、そんな甘いことを言いだしたのだったが、
「木太郎、言うは易しだぞ。
で、ひとつは盗み聞きで、もうひとつはナイフのすり替えだぞ。
特にナイフのすり替えは、指紋がついてなかったら、
立証不可能だからな」
と、
ホウセイが呆れたような表情で言うと、
木太郎は懲りずに、
「アユメを自白させればいいんだろ」と、
何か考えがあるのか、そんなことを言いだしたのだった。