「最後の詰め?と動機と木太郎の新推理と単独犯」
「俺も、ホウセイと同じで
何故チウメを共犯者でないと考えたというか、
アユメの単独犯だ、
と木太郎が考えたのか理解できないな。
例のナイフのすり替えによるもとこ先生殺しは、
芝居を提案する人間がいないと成り立たないぞ。
アユメは殺人肯定派だから、
あのとき、
ああいう芝居を提案できる、
もとこ先生の部屋にはいなかったからひとりでは無理だ。
だから、
アユメ単独犯説は成り立たない、
と、
俺は考えるぞ」
と、
永久が
長々と木太郎の推理には致命的欠点があるかのような話しをした。
「そうだよな。
いくらアユメがチウメのナイフを本物とすり替えても、
結果的には、
俺の方が先にあの芝居を提案したんだけど、
芝居を提案する人間がいないと、
もとこ先生殺しは成り立たないからなあ。
いくらアユメが悪魔でも、
俺があんな芝居を提案するとまでは予想できるはずがないぞ」
と、
ホウセイも永久の意見を補足するように言う。
すると、
木太郎は股間を掻いた後、
「そこが今回の盲点なんだよ。
なんで、
チウメちゃんとアスカちゃんがあんな喧嘩みたいな状態になったのか、
二人が犯人じゃないとして、
考えてみろよ」
と、
にやにや笑いながら、自信ありげに話したのだった。