「ついに真相解明か?8」
「ホウセイ、男だろ。
泣くなって。
俺が変わりに木太郎に話すから」
永久が泣き出したホウセイの肩をぽーんと軽く叩いてからそう言うと、
木太郎に向かって、
「もとめ先生が自殺未遂のフリをしたり、
思わず笑ってしまったのは、
もとめ先生も、
オチタともとこ先生に騙された、
と思い込んだからなんだよ。
もとめ先生は、
オチタの演技もクサかったし、
もとこ先生のいたずら好きな性格をよく知っているから、
そう思い込んでしまったのさ。
そうだよな」
と、
永久は話すと、
また、
ホウセイの肩をぽーんと軽く叩いたのだった。
ホウセイがようやく泣きやんだと思ったら、
今度は、
木太郎が目に涙を浮かべながら、
「俺たちのせいでああなったのかあ...」
とだけ言って、
いかにも臭そうなハンカチをズボンのポケットから取りだして、
涙を拭ったのだった。
「でも、
あいつらは許せないな。
万引きしておいて、
もとこ先生ともとめ先生を自らの手を下さないで殺すなんて」
ホウセイは、
もう犯人を決めつけたように言ったので、
「落ちつけ!
チウメちゃんは犯人の一人だけど、
ヒトメちゃんは万引きはしたかもしれないけど、
犯人じゃないぞ」
と、
永久が断言すると、
「あいつらにちゃんはいらないぞ」
と、
今度はさっきまでしょげて涙をぬぐっていた木太郎が
悔しそうな表情で鼻をグズグズさせながら言ったのだった。
「木太郎、
気持ちはわかるが落ちつくんだ!
まず、犯人を特定するのが先だ」
ホウセイが自分が永久に元気づけられたように、
今度は木太郎の肩をぽーんと軽く叩いたのだった。
「わかったよ...。
で、永久、犯人は誰と誰なんだ。
くどいけど、ちゃんはつけるなよ」
木太郎がまだ鼻をグズグズさせながら言うと、
「わかった。
最初にそれから言おう」
永久はそこまで言って、一度、深く息を吸い込んだのだった。