「真の悪魔?」
そして、
さらに、
ヒトメは、
訊かれてもいないのに、
「でも、
本当の悪魔は、
もとこ先生じゃなく」
と、
そこまで話して、
ホウセイたちが
思わずヒトメの意外な言葉に驚きの表情を見せてしまったがために、
そこで急に話すのをやめてしまったのだった。
ヒトメが急に黙り込んだので、
ホウセイが、
最初に、
その理由は自分たちがその言葉に思わず驚き、
それを顔に出してしまったがために、
ヒトメにそのことを悟られると共に、
ヒトメ自身は、
ホウセイたちがもとめを悪魔だ
と思い込んでいるに違いないので、
余計な話しをしない方がいいと思って黙り込んだに違いない
と思って、
わざと、
「ヒトメちゃん、
安心して。
木太郎と永久はどう思っているか、
知らないけど、
俺だけはもとめ先生、チウメちゃん、ヒトメちゃんの3人が、
今回の悪魔というより、
今回の真犯人だったとは思っていないから。
正直に話してくれないかな」
と、
わざと木太郎と永久は名前を出した3人が共犯だと疑っている
と思わせるような言い方をした。
すると、
ホウセイの言葉からホウセイの意図に気づいた木太郎は、
「俺はずばりもとめ先生とヒトメちゃんの仕業だ
と思っていたんだけどな。
今の感じだと違うのか?」
と、
わざとそう言って、鼻をひくひくさせた。
そして、
永久も木太郎の言葉で、
ホウセイと木太郎の意図に気づいて、
「俺は、悪いけど、チウメちゃんとヒトメちゃんが共犯で、
罪をもとめ先生になすりつけようとして自殺に見せかけたんだ
と思ったんだけど、
違うのかな」
と、
やはり、
わざと嘘を言ったのだった。